明日のイベントを見に行くのでその参考に再読。非常に実証的で、またジャーナリスティックな視点を維持しながらの手法は、荻上さんのほかの著作同様に読み応え十分。どの時代であっても性欲に基づく需要の大きさ、その強度は健在であり、「失われた20年」という長期停滞の中でもその欲望の大きさと強度は向かう方向こそ異なれ、対して勢力の衰えを感じさせない(まあ、僕個人はかなり以下略)。 本書を再読する上では、末尾に整理されているローレンス・レッシングの『CODE』からの図表を利用するといいだろう。レッシングは特定の対象(本書ではセックスメディア)に規制をかける場合に、法、市場、道徳、アーキテクチャの四つが力として作用するという。そしてこれらの4つの力は相互にその力を強めたり、打ち消し合ったり、あるいはある規制が他の規制の可能性を見出したりもする。 ところで本書での荻上さんの立場はこのレッシングの4つの力をセッ