前回は、子どもが受けるネット被害について実例を挙げた。今回は、引き続きインターネット協会の主任研究員である大久保貴世氏に、出会い系ではない一般コミュニティサイトで子どもたちが受けている被害を聞く。それに対して大人は具体的にどんなことができるのだろうか。フィルタリングサービスには加入すべきなのだろうか。 ● 出会い系ではない一般コミュニティサイトで起きる被害 最近は、出会い系ではない良質なサービス、いわゆる「コミュニティサイト」での被害が増えているのだという。「サービス自体には全く問題ないし、出会い系でもなく楽しい良いサービスだと思います。しかし、悪い大人が、そのような本物の10代の女の子がいるコミュニティに狙いを定めて移ってきています。書き込みを見て、『この子だったらウブそうだし、優しい言葉をかけたら引っかかるかも』と判断して、誘いの言葉をかけてくるのです。子どもたちにはそれらのサービスが
総務大臣が2007年末、未成年者の携帯電話新規加入者におけるフィルタリングサービスの原則加入を要請して話題になった。そこには、未成年者が携帯電話のネット利用によりさまざまな被害に遭ってきたという背景がある。10代の子どもたちは携帯電話のネット利用でどんな被害に遭っているのだろうか。また、それに対して大人はどんなことができるのだろうか。未成年者のネット被害に詳しい、インターネット協会の主任研究員である大久保貴世氏に聞いた。 ● 声を聞くだけでほっとする相談者たち インターネット協会では、ネットのルール&マナー検定やアドバイザー講座、フィルタリング普及啓発活動を行なうほか、インターネットホットライン連絡協議会でネット利用に関する悩み相談を受けたり、インターネット・ホットラインセンターで違法・有害サイトの通報も受けている。これまでに3,643件ものネット利用に関する相談が寄せられており、小中高生
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