安倍政権の高支持率が続いている。しかし、経済、外交、防衛など難問は山積している。現在の高い支持率は、確固たるものなのか、それとも、容易に崩壊しうるものなのか。今後の安倍政権について、テネコ・インテリジェンス(ニューヨークに本拠を置く企業顧問会社・テネコ傘下のリスク評価部門)で日本専門家を務める、トビアス・ハリス氏に聞いた。 ※前編はこちら:安倍政権の高支持率は、バブルか、本物か? 歴史問題と自民党の右傾化 ――経済政策をめぐって民主党は自民党とよく似通っていますが。 野田佳彦前首相と安倍首相の政策の違いは金融政策、つまりアベノミクスの「第1の矢」だ。民主党は極端な金融緩和政策を採らなかった。しかし、成長戦略はよく似ている。民主党と自民党の成長戦略を重ね合わせると、ほとんど違いがわからない。二大政党制を支持するに足るだけの中道左派の投票数が十分でないというのは信じがたいことだ。ところが、それ