秘密保全法制のための有識者会議の報告書がパブリックコメントに付されている。(締切は昨年11月であった) 秘密保護法制が現在以上に必要だという立場に立つとしても(この点についても異論は大いにありうる)、秘密保護は性質上その当否を争いにくいことを十分考慮し、極めて限定的に、恣意的な運用をできるだけ排し、かつ、事前チェックのシステムをビルトインした制度にすべきだ。 この観点で見ると、報告書の想定する制度は、かなり心もとない。 秘密保全法制のもとで保護される秘密は、特別秘密と呼ばれ、国の安全、外交、公共の安全及び秩序の維持の三分野を対象とされる。 このうち国の安全や外交についてもいささかきな臭いものを感じざるを得ないが、というのも西山記者事件を思い起こすと、あれが外交分野における特別秘密に値するものと判断されることは大いにありうるが、それを秘密として隠すことを正当化すべきかどうかには大いに異論があ