山家 公雄 エネルギー戦略研究所所長 日本政策投資銀行でエネルギー、環境などの融資・調査を担当。2009年からエネルギー戦略研究所で再生可能エネルギ-、スマートグリッドなどを研究。中立的なエネルギー・シンクタンクを心がけている。 この著者の記事を見る
羽根が折れた青山高原ウインドパークの風車(右手前、8日午前、三重県津市と伊賀市の市境で、読売ヘリから)=金沢修撮影 三重県の津、伊賀両市にまたがる青山高原の風力発電施設「ウインドパーク笠取」で8日、風力発電機1基の支柱(高さ65メートル)の先端に付いていた風車(3枚羽根、直径80メートル、130トン)が落下しているのを、施設を運営する中部電力の子会社「シーテック」(本社・名古屋市)関係者が見つけた。 部品の一部が敷地外にも落ちていたが、けが人はなかった。6日以降の「猛烈低気圧」によるものとみられる。 同社によると、7日午後4時40分頃、運転停止を知らせる警報が津市内の管理所に入った。8日に確認したところ、計19基の風力発電機のうち1基の風車がなくなっているのがわかった。支柱は中央から上部にかけて曲がっていたという。落下した風力発電機は日本製鋼所製で、2010年12月から稼働していた。
環境省がまとめた、再生可能エネルギー4分野を大きく伸ばすための戦略が30日判明した。「2030年時点で原発ゼロ」を選択した場合、政府の試算では4分野で総発電量の約10%をまかなう必要があるため、潜在力が最も高い「洋上風力発電」を30年には原発約8基分にあたる803万キロワット(10年度は3万キロワット)に伸ばす目標を設定。海上に発電設備を浮かせる「浮体式」技術を20年までに商用化する必要があると位置づけた。 31日に公表する。野田佳彦首相は原発ゼロにした場合の課題を検討するよう関係閣僚に指示しており、この戦略で再生可能エネルギーによる代替は可能だと示す狙いもある。 4分野は▽洋上風力▽地熱▽バイオマス▽波力・潮力。戦略は原発ゼロを事実上想定し、原発約20基分の電力を4分野でまかなう策を提示。洋上風力については、海底に発電施設を固定する「着床式」が商用段階にあるとして、▽20年までに「浮体式
欧州で洋上風力発電が急成長している。欧州風力エネルギー協会(EWEA)の集計では、2011年末までの累積総出力は、約400万キロワットに達した。新規に稼働したのは、2010年に約90万キロワット、2012年に約100万キロワットと、発電出力でみると毎年、原発1基分の設備が海の上に出現していることになる。累積容量の約半分が英国、次いでデンマークが約20%。洋上風力のメッカとなった英国には、大手風力タービンメーカーの独シーメンス、デンマーク・ヴェスタス、スペイン・ガメサなどが相次いで工場を建設している。英国は、今後さらに3200万キロワットの導入計画を発表しており、それが投資を呼び込んでいる。 産業の裾野広い洋上風力発電 英国以外の主要国も洋上風力の大規模な導入計画を続々と発表し始めた。2020年までの計画を見ると、ドイツが900万キロワット、フランスとオランダが各600万キロワット、スペイン
主な自然エネルギーの買い取り価格と期間 政府が7月から始める自然エネルギーの新たな普及制度で、電力会社が自然エネを買い取る価格が25日、決まった。太陽光は1キロワット時あたり42円、出力20キロワット以上の風力は同23.1円など。買い取り期間は10〜20年間。価格と期間が決まり、制度を運用する準備が整った。 経済産業省の第三者組織「調達価格等算定委員会」がこの日、案を示し、近く経済産業相が正式に決める。この制度は、自然エネを一定価格で全量、長期間買い取るしくみで、自然エネの導入拡大をめざす。 委員会では、自然エネの発電会社が発電にかかる費用と適正なもうけを得られるように、買い取り価格をはじいた。費用は発電の種類や出力の規模で違うため、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの規模に応じ、価格は14区分に分けることにした。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、購読手続きが必要
印刷 東京大学と丸紅など民間企業10社は6日、経済産業省が福島沖で行う風力発電の実証実験に参画すると発表した。今月から2メガワットの浮体式発電機1基を沖合に設置。2013年度からは7メガワットを計2基増設し、浮体式の安全性や経済性などを検証する。
印刷 関連トピックス原子力発電所世界の風力発電と原発の総出力 世界の風力発電の総出力は昨年末で約2億3800万キロワットに上り、10年間で10倍になったことが分かった。横ばい状態の原発とは対照的で、今の伸びが続けば、5年以内に逆転しそうな勢いだ。 世界風力エネルギー協会によると、世界全体でこの1年間に約21%、4100万キロワット増えた。10年に米独を抜いてトップに立った中国がさらに大幅に増やして約6300万キロワットに達した。深刻な経済危機に見舞われた欧州も独英で各100万キロワット以上導入されるなど、欧州全体で前年より約12%伸びた。 世界の風力発電は2001年末時点では2390万キロワットに過ぎなかったが、08年には約5倍に増え、それから3年でさらに倍増した。 一方、11年末の日本の総出力は、中国がこの1年に導入した量の約7分の1の約250万キロワット。前年比7%の伸びにとど
日本風力発電協会(東京・港)は10日、2011年度に国内で稼働する風力発電設備の能力(新規導入量)が、前年度比68%減の約8万2000キロワットになるとの予測を公表した。補助金の打ち切りなどで発電所の開発が停滞していることが要因。一方、今年7月には風力が生み出した電気の全量を電力会社が固定価格で買い取る制度も始まるため、12年度以降の導入量は拡大する見通しだ。新規導入量が前年度の実績を下回るの
トップ > 滋賀 > 12月14日の記事一覧 > 記事 【滋賀】 「くさつ夢風車」故障 環境立県シンボル“失速” Tweet mixiチェック 2011年12月14日 故障して動かなくなったくさつ夢風車=草津市下物町の烏丸半島で 草津市下物町の「くさつ夢風車」が9月中旬から故障し、同市が廃止も視野に検討を始めたことが分かった。修理に最低でも1000万円以上かかる見通しのため。同風車は「環境立県滋賀」のシンボル的存在の一つ。原発事故以降、関心が高まっている再生可能エネルギーのなかでも風力発電は太陽光発電などと並ぶ“有望株”として知られるだけに、同風車の失速は各方面に影響を与えそうだ。 烏丸半島に設置されている風車は高さ95メートル。羽1枚の長さ34メートル。ドイツのファーランダー社製。市が2001年に3億円を投じ設置した。費用の45%は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助
再生可能エネルギーを福島県復興のシンボルにしたい――。 東日本大震災後、霞が関周辺を取材していると、こうした声を聞く機会に何度となく遭遇した。福島県は、東京電力・福島第1原子力発電所事故による甚大な被害に苦しんでいる。津波と地震からの復興に加え、原発へのアンチテーゼという意味を込めて、福島復興に再生可能エネルギーを盛り込みたいという思いがあるようだ。 実際、「福島を再生可能エネルギーの聖地に」と国内外から多くの人や企業が押し寄せている。例えば、電気自動車(EV)メーカーの米テスラモータースの創業者兼CEO(最高経営責任者)でもあるイーロン・マスク氏。今年7月に福島県相馬市を訪れ、相馬市に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を寄贈することを明らかにした。 数々のプロジェクトが立ち上がるなか、最大規模を誇るのが福島県沖に巨大ウインドファームを作ろうという国家プロジェクトだ。既に政府は、第三次補正
北電「新規風力買わぬ」 風車新設 困難に (08/13 09:36) 北海道電力は、風力など自然エネルギーによる発電の全量買い取りを電力会社に義務づける「再生エネルギー特別措置法」が施行されても、風力発電の新たな買い取りをしない方針であることが12日、明らかになった。電力の安定供給のため同社が独自に定めた風力発電の買い取り上限(風力発電連系可能量)である36万キロワットが既に満杯のためで、同法の下でも新規の買い取り拒否は例外規定で認められるとしている。 同法成立を前提に、通信大手のソフトバンク(東京)が留萌管内苫前町で国内最大級の風力発電を計画するなど、道内では風車建設に向けた動きが出ているが、北電の方針が変わらない限り、新たな建設は困難となる。<北海道新聞8月13日朝刊掲載> < 前の記事 | 次の記事 >
【ロンドン=木村正人】東日本大震災による福島第1原子力発電所事故で、メルケル独首相は昨年秋に決めた原発稼働年数の延長計画を撤回し、「脱原発」政策にUターンした。風力や太陽光発電など再生可能エネルギーへの転換を急ぎ、「ドイツはグリーン型経済成長の実験室になる」と息巻く。しかし、一部原発の停止以降、原発大国のフランスなどからの電力輸入が増加。専門家も「採算を度外視している」と行方を疑問視している。 今月2日、ドイツ沖16キロのバルト海に商業ベースでは同国初の洋上風力発電所「バルティック1」がオープンし、メルケル首相は風力タービン21基の稼働ボタンを誇らしげに押した。 北海に23カ所計7650メガワット、バルト海に3カ所計1040メガワットの洋上風力発電所の建設が許可され、さらに北海56カ所、バルト海15カ所で申請が行われている。許可済み洋上風力発電所の発電量は原発8基分に相当する計算だ。 メル
環境省は21日、国内で自然エネルギーを導入した場合にどの程度の発電量が見込めるか、試算した結果を発表した。風力発電を普及できる余地が最も大きく、低い稼働率を考慮しても、最大で原発40基分の発電量が見込める結果となった。風の強い東北地方では、原発3〜11基分が風力でまかなえる計算だ。 同省は震災復興にあたり、風力発電を含めた自然エネルギーの導入を提案していく方針だ。 今回の試算は、理論上可能な最大導入量から、土地利用や技術上の制約を差し引き、さらに事業として採算性を確保できることを条件に加えた。 試算によると、固定価格買い取り制度など震災前に政府が決めていた普及策だけでも、風力なら日本全体で約2400万〜1億4千万キロワット分を導入できる。風が吹いているときだけ発電するため、稼働率を24%と仮定。それでも出力100万キロワットで稼働率85%と仮定した場合の原発約7〜40基分に相当する。
アパラチコラで過ごす優雅な時間 メキシコ湾沿いの入り江に面した米フロリダ州の小さな町アパラチコラ。こじんまりした海辺のホテルに宿泊し、バーで新鮮なシーフードを味わえるほか、地ビールの醸造所もある。綿花や漁業で栄えたこの町には、グリークリバイバル(ギリシャ建築への回帰)様式の優雅な住宅が散見される。数キロの沖合に浮かぶセントジョージ島には白い砂浜が広がる。
『環境危機をあおってはいけない』の著者が語るデンマーク礼賛の嘘と温暖化対策の誤り 世界的な論争を巻き起こした『環境危機をあおってはいけない』の著者であり、環境保護主義者に懐疑的な論陣を張ることで知られるコペンハーゲン合意センターのビョルン・ロンボルグ所長は、風力や太陽エネルギーなどの代替エネルギーの可能性について極めて冷ややかに見ている。彼からすれば、風力発電の普及で礼賛されるデンマークは、世界各国が従うべき模範ではない。 ビョルン・ロンボルグ(Bjorn Lomborg) コペンハーゲン合意センター所長 著書『The Skeptical Environmentalist(邦題:環境危機をあおってはいけない)』『Cool It(邦題:地球と一緒に頭も冷やせ!)』は日本でも話題に。 地球温暖化と戦うために唯一不足している必須要素は、意志の力と政治的な合意である──これは危険な誤解である。実際
シルクロードで隊商の行く手を阻んだ風が今、風車を回し、発電している。 「中国ではカラーテレビや携帯電話などが急ピッチで普及した。次に旋風を巻き起こすのは新エネルギー。風力発電、太陽光発電などが爆発的に普及する」 中国最大の風力発電機器メーカー、湘電有限公司の風力発電専門家・黄健農氏はこう断言する。黄氏を強気にさせるウラには、中国政府の政策転換がある。地球環境問題や原油価格高騰を受け、経済成長最優先から新エネルギーの積極導入にシフト。4月には、2020年までに風力発電能力が1億キロワットになるとの見通しを示した。1年前に定めた目標の3倍の数値で、産業界の注目が集まっている。 黄氏が勤務する湘電有限公司は大型発電機を年間300台を製造し、生産規模の拡大が期待されているが、「中国の風力発電のネックはインバーターの品質と性能」と黄氏は指摘する。このため、政府はインバータの公開入札を実施し、外国企業
山間部が中心だった風力発電所を海岸沿いに展開することで大型化。海底に支柱を立てる方式だけでなく、浮体を並べる方式も開発が進む。欧米勢が実証実験で先行。日本はこの分野で取り残される可能性も。 海沿いをドライブしていると、海の上で悠々と回る真っ白な巨大風車の一群が目に飛び込んでくる――。近い将来、日本の沿岸部でこんな場面が珍しくなくなるかもしれない。 風力発電は19世紀に英国で初めて成功したと言われ、自然エネルギーの活用手段の中でも古顔の1つだ。それから100年以上が経過した21世紀。「風力発電の主戦場は陸から海へと移った」。三菱重工業の再生エネルギー事業部・風車事業ユニットの上田悦紀主席技師はこう断言する。 安定した風で高い経済性 日本を代表する風力発電機器メーカーである三菱重工は、日本で初となる洋上風力発電の実証実験に向けて準備を進めている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や
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