【ベルリン時事】ドイツ北部のハンブルクで今週、同国の貨物船を襲撃し、逮捕されたソマリア人海賊10人の裁判が始まった。ドイツで海賊が裁判に掛けられるのは約400年ぶり。 ドイツ有数の港町であるハンブルクでは、14世紀から17世紀にかけ、バルト海沿岸で暗躍した海賊500人前後が裁かれた。当時は有罪が決まると斬首されたが、今回の被告は最高でも禁固15年にとどまる。 被告らは4月、ソマリア沖で貨物船を乗っ取ろうとしてオランダ海軍に逮捕され、ドイツに引き渡された。弁護側は、ソマリアの政治不安と西側諸国による魚の乱獲のため、海賊行為に及ばざるを得なかったと強調。「有罪判決が出ても海賊はなくならない」と述べ、海賊問題では政治的な解決策を模索するよう訴えた。 初公判では、被告の1人が事件当時、法廷では裁けない13歳だったと主張。他の被告も年齢の確認手段がなく、裁判は最初から混乱している。 【関連