ポイント○日本の消費税は単一税率で高い税収効率○本来目的逸脱した軽減税率の拡大避けよ○中小事業者の納税申告手続きの簡素化を経済協力開発機構(OECD)が2018年に公表した消費税に関する報告書によれば、米国を除く加盟35カ国のうち、税率が最も低いのはカナダの5%で、日本の8%は3番目だ。同報告書は消費税収の効率性の指標(VRR)に関するデータも示している。VRRは、すべての物品・サービスに標準税率を適用して徴収されるべき税収を分母に、実際に徴収された税収を分子にして、本来得られるべき税収が非課税、軽減税率、不適切な申告納税などによりどれだけ失われているかを示す指標だ。税収効率が最も高いのはニュージーランドで、日本も4位に位置する(図参照)。国税庁の最新統計によれば、17年度の日本の消費税収は所得税収を上回る。日本の消費税は低税率ながら、単一税率の下で効率的に高い税収を上げてきた。消費税は第