日本アニメ界の巨匠、宮﨑駿の12作目の長編映画『君たちはどう生きるか』がフランスで2023年11月1日から公開されている。仏紙「ル・モンド」は、初めてジブリ作品に着目した1993年から現在に至るまで、宮崎駿の評価の変遷を振り返る。宮崎がフランスの名だたる作家たちと肩を並べるまでの「長い道のり」を辿ろう──。 【画像】ピケティ、ハラリ…マンガで学ぶ「世界の賢人」シリーズ 「祖国では有名だが…」宮﨑の最初の長編『ルパン三世 カリオストロの城』が日本の映画館で公開されたのは、じつに44年前まで遡る。その意味では、本紙の紙面に宮﨑が初登場を果たしたのが1993年6月3日だというのは、思いのほか遅いと感じられる。フランス東部アヌシーの国際アニメーション映画祭を取材した記者ジャン=ミシェル・フロドンが、宮﨑の作品に脚光が当たったことを同日付けの記事で次のように伝えている。 「祖国の日本では有名だが、フ