「ミイラ」と聞くと古代エジプトの防腐処理されたファラオの遺体を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、ミイラは人為的に作らなくても、気候条件さえ合えば偶然にできることもあります。 ユーラシア大陸をまたぐシルクロードの一部、中国の新疆ウイグル自治区のタリム盆地で発見された数百人の死者も、乾燥した空気で自然に保存されたミイラです。 この「タリムのミイラ」たちは1990年代に発見されました。発見された場所は、広大な砂漠のまんなかで、非常に長い間使われてきた墓地だと考えられています。最も古いミイラは紀元前2,000年頃のもの。極度の乾燥と寒さのなかで自然にミイラ化していました。 このミイラのなかには、顔の特徴や髪の色や形がわかるほど保存状態がよく、まつげが残っているものさえありました。 あまりにもなまなましい姿をしているために、考古学者によって愛称を付けられたり、生前の姿を想像した絵が描かれた
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