東浩紀(あずま・ひろき)/1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン代表。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2・0』『観光客の哲学』など多数この記事の写真をすべて見る ※写真はイメージ(gettyimages) 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。 * * * ポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」が話題を集めている。仏カンヌ映画祭でパルムドールを受賞、米アカデミー賞でも非英語圏映画で初めての作品賞を含む4冠を達成し、世界が沸いている。日本でも観客動員数が100万人を突破したという。 日本では同作は是枝裕和監督の「万引き家