中国の規制当局は、10億人のユーザーを抱える世界最大のモバイル決済アプリである「アリペイ(支付宝)」を分割する準備を進めている。この動きは、中国政府が進めるハイテク企業に対する支配力の強化の一環だ。 中国の規制当局はすでに、アリペイの親会社のアントグループに対し、同社が運営する2つの小口融資アプリ「花唄(Huabei、ホワベイ)」と「借唄(Jiebei、ジエベイ)」のバックエンド技術を、アリペイの残りの部分から分離し、外部の株主を呼び込むよう求めている。 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、事情に詳しい2人の関係者の発言を引用し、規制当局が、これらの融資プラットフォームを独立したアプリに分割し、融資の判断材料となる個人データを、国家が関与する新たな信用調査会社に引き渡すようアントに要求していると報じた。 この計画が実行されれば、アントは独自に借り手に与信を行うことができなくなり、政府が