今年6月、ジョージ・フロイド殺害事件直後、ミネアポリス、ワシントンDC、シアトルを巡った筆者。あれから数ヶ月が経ち、米国ではコロナ感染により21万人が死亡していた。BLMムーブメントとコロナショックの前代未聞の混沌のなか、大統領選挙を迎えるアメリカから再び現代記録作家、大袈裟太郎がレポートする。 全米で21万人の死者。これはベトナム戦争の死者数の3倍に迫る数だ。それでもトランプ大統領はマスクをせず、その支持者たちもそれに従っていたが、私が渡米する前日(10月2日)、トランプのコロナ感染のニュースが飛び込んできた。大きな波乱の予感だった。そのうえ、BLMプロテストも、それに対抗する白人至上主義者やトランプ支持者からの銃撃で多くの死者を出していた。防弾ベストの装備が必須とされる状況の中、前回の渡米で体験した、人が殺されたときの銃声の耳鳴りも治らぬまま、引き返したい気分を誤魔化しながら日本を後に