政府の肝いりファンド「クールジャパン機構(CJ機構)」が危機に瀕している。累積赤字が309億円に膨らんでおり、廃止の可能性もあるというのだ。 11月22日に開かれた財務省の審議会で、経済産業省はCJ機構の改善計画を示し、2025年度には収支を黒字転換させるとした。しかし、審議会の委員からは「成果が上がらなければ、廃止か統合するしかない」など、厳しい意見が出たという。 CJ機構は、国と民間企業が出資してきた官民ファンドのひとつで、日本のアニメや日本食の海外展開支援を目的として、2013年に設立された。国の主導によって、これまで56の案件に対し、総額1309億円を投資してきたものの(2022年11月現在)、そのほとんどが失敗したとされている。 その失敗例のひとつが、マレーシアの首都、クアラルンプールの百貨店「ISETAN The Japan Store」だ。CJ機構が約9億7000万円(49%