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  • ロールズ正義論に対する古典的自由主義的解釈の検討|ピーター|note

    今回は前回予告したJohn Tomasiを紹介しようと思います。この人は、"Free Market Fairness"という本で”Bleeding-heart-libertarian”(慈愛リバタリアン)という思想を生み出し、新古典的自由主義(Neoclassical liberalism)を誕生させました。英米圏の政治哲学ではかなりの影響が発揮しており、例えば、前回紹介したブレナンの論文でも関連するものでは必ずこの本を引用していますし、『擁護できないものを擁護する』のウォルター・ブロックは、トマーシを「地球上で最も権威のある高等教育機関の1つであるbrown大学にいる、素晴らしい哲学者」とべた褒めしています(そのあときっちり批判もしていましたが)。もちろん、左翼リベラル側からも多数の激しい反論がなされています。そんなわけで、トマーシは、現在の古典的自由主義を語る上では絶対に欠かすことがで

      ロールズ正義論に対する古典的自由主義的解釈の検討|ピーター|note
    • HOOEY ジンメル 貨幣の哲学

      社会学はむろん社会を相手にする学問だが、19世紀末から20世紀初頭の確立期にすでに相手にする仕方によって、二つの立場が分かれていた。わかりやすくいうと、ひとつは「方法論的個人主義」で、個人を起点に社会を考える。もうひとつは「方法論的集団主義」と呼ばれているもので、家族やグループや組織の特色から社会を考える。のちにフリードリッヒ・ハイエク(1337夜)が好んだ分け方だ。 個人主義の見方は、個人の行動の意図や判断や動機を重視する。マックス・ウェーバーの「理解社会学」などが代表になる。ウェーバーは社会的な行為そのものを解釈していくことが社会を理解する方法だと考えた。そのためこの見方からは、極端な場合は社会なんてものはなく、行為の実体の個人だけがいるという見方にまで進む。これは「社会唯名論」(ソーシャル・ノミナリズム)ともいう。 集団主義の見方は、社会を有機的にとらえ、個人がどんな行為をしてもそこ

      • ビットコインに価値はあるのか──経済学的視点で改めて考える時がやってきた | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)

        ビットコインの価格は上昇を続け、大口保有者である「くじら」の数は増え、動きも活発になった。いま改めて、ビットコインの価値についてじっくりと考えても良いのではないだろうか。 ビットコイン(BTC)はお金なのか、それともテクノロジーか? ゴールド(金)のような価値の保存手段か?ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン(Milton Friedman)の「eキャッシュ」のアイデアを再現するものだろうか? 世界中の多くの人はビットコインを理解することに苦しんでいる。そして、それはおそらく、現在のビットコインの価格(約3万8000ドル)と資産運用会社のグッゲンハイム(Guggenheim)が40万ドルの価値があると主張していることからも明らかだ。 ビットコインのファンダメンタルズ(基礎的条件)をもう一度おさらいしておくことは有益だろう。 ビットコインの基本原理 ビットコインの基本原理は、匿名

          ビットコインに価値はあるのか──経済学的視点で改めて考える時がやってきた | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
        • 【読書感想】リベラルとは何か-17世紀の自由主義から現代日本まで ☆☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言

          リベラルとは何か-17世紀の自由主義から現代日本まで (中公新書) 作者:田中 拓道発売日: 2020/12/21メディア: 新書 Kindle版もあります。 リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで (中公新書) 作者:田中拓道発売日: 2021/03/12メディア: Kindle版 「すべての個人が自由に生き方を選択できるよう国家が支援するべきだ」と考えるリベラル。17世紀西ヨーロッパの自由主義を出発点として、第二次世界大戦後は先進国に共通する立場となった。しかし、1970年代以降は新自由主義や排外主義による挑戦を受け、苦境に陥っている。はたしてリベラルは生き残れるのか。具体的な政策を交えつつ、歴史的な変遷と現代の可能性を論じ、日本でリベラルが確立しない要因にも迫る。 「リベラル」について、100文字以内で説明してください、と問われたら、僕は困ってしまいます。 「リベラル」

            【読書感想】リベラルとは何か-17世紀の自由主義から現代日本まで ☆☆☆☆☆ - 琥珀色の戯言
          • ノア・スミス「今年の経済学批判セレクション」(2021年10月25日)

            [Noah Smith, “This year’s econ critics make a few good points,” Noahpinion, October 25, 2021] ついでにダメな批判も少々. このブログを10年前にはじめたとき,ぼくは経済学の大学院生で,自分の研究分野(とくにマクロ経済学)の欠陥や短所をあれこれと指摘するのに熱心だった.そのうち,言うべきことは言い尽くしたなと思うようになって,とりあげる話題を他のものに移していった.ただ,他の人たちが経済学の分野にしかけてるいろんな攻撃を観察して――さらにレフェリー役をやって――すごすのは,いまでも楽しんでる.そういう攻撃のなかにはしごくもっともなものもあるけれど,経済学の業界がその批判者たち(内部のも外部のも)に耳をかたむけて過去10年でどんどん改善してきたおかげで,批判者たちがそれについていけなくなってる場合もよ

              ノア・スミス「今年の経済学批判セレクション」(2021年10月25日)
            • アブナー・グライフ『比較歴史制度分析」上・下 - 西東京日記 IN はてな

              エスカレーターに乗るとき、東京では左側に立って右側を空け、大阪では右側に立って左側を空けます。別にどちらを空けてもいいようなものですが、なぜかこのようになっています。 この「なぜ?」を説明するのがゲーム理論と均衡の考え方です。一度「右側空け」が成立すれば、みながそうしたほうがスムーズになり、「左側空け」を選ぶインセンティブはなくなります。 そして、このエスカレーターの例が面白いのは、鉄道会社などから「片側空けはやめましょう」とアナウンスされているにもかかわらず、少なくとも2021年8月現在、この慣習が続いている点です。 一度成立した「制度」は外からのはたらきかけで簡単に変わるものではなく、また、公的なルールが「制度」を保証しているわけでもないのです。 ここで「制度」という言葉の使い方に違和感を覚えた人もいるかもしれません。「制度」というのはフォーマルなものであり、エスカレーターの乗り方など

                アブナー・グライフ『比較歴史制度分析」上・下 - 西東京日記 IN はてな
              • ミレイ大統領: 政府は国民への納税の強要によって成り立っている | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート

                引き続き、アルゼンチン大統領でオーストリア学派の経済学者であるハビエル・ミレイ氏の今年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)における演説を紹介したい。 政治家が、しかも一国の大統領がこれを言ってしまえるというのが凄いところである。 財政支出は倫理的か 緩和政策のやり過ぎによって物価が高騰し通貨が暴落したアルゼンチンにおいて、政治家による無駄な支出を消し去るために大統領に就任したミレイ氏は、前回の記事で政府支出の少ない「小さな政府」は、支出の多い「大きな政府」に勝ると主張していた。 ミレイ大統領: 政府主導の経済が自由市場の経済に勝てない経済学的証拠 だが財政支出は一般的に「誰かのため」という名目で行われる。年金問題に関しても、明らかに今の若い世代が老人になった時の資金は残っていないにもかかわらず、今の老人世代への給付が減らされないのは「お年寄りのため」というわけだ。 ドラッケンミラー氏、高

                • 「死せる経済学者」と、経済学のアイディアの利用について - himaginary’s diary

                  というSSRN論文(原題は「On 'Defunct Economists' and the Use of Economic Ideas」)をMostly Economicsが紹介している。著者はデューク大のSteven G. Medema(cf. ここ、ここ)。以下は論文の引用。 Any number of those who advocate re-centering the history of economic thought in the economics curriculum, particularly at the graduate level, do so because they believe that, “If only economists would read (pick your preferred unjustly neglected figure from

                    「死せる経済学者」と、経済学のアイディアの利用について - himaginary’s diary
                  • 今年1年間の『労働新聞』書評たち - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                    今年も最後の月になりました。この1年間、『労働新聞』に月1回連載してきた書評も12回分溜まりましたので、例によってまとめておきます。 グレゴワール・シャマユー『統治不能社会』 『労働新聞』に月イチで連載している書評コラムですが、今年からまたタイトルが変わり、「書方箋 この本、効キマス」となりました。 その第1回目に私が取り上げたのは、グレゴワール・シャマユー『統治不能社会』(明石書店 )です。 https://www.rodo.co.jp/column/143561/ 半世紀前の1975年に、日米欧三極委員会は『民主主義の統治能力』(サイマル出版会)という報告書を刊行した。ガバナビリティとは統治のしやすさ、裏返せばしにくさ(アンガバナビリティ)が問題だった。何しろ、企業の中では労働者たちがまるでいうことを聞かないし、企業の外からは環境や人権問題の市民運動家たちがこれでもかと責め立ててくる。

                      今年1年間の『労働新聞』書評たち - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                    • 書評 「自由の命運」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                      自由の命運  国家、社会、そして狭い回廊 上 作者:ダロン アセモグル,ジェイムズ A ロビンソン発売日: 2020/01/23メディア: Kindle版自由の命運  国家、社会、そして狭い回廊 下 作者:ダロン アセモグル,ジェイムズ A ロビンソン発売日: 2020/01/23メディア: Kindle版 本書は「国家はなぜ衰退するのか」で大国の興亡と制度の問題を論じたダロン・アセモグルとジェイムズ・ロビンソンによるそのテーマの考察をさらに深めた本になる.アセモグルとロビンソンは前著において,持続的経済成長が可能かどうかは政治・経済制度が包括的か収奪的かで決まるとした.しかし包括的制度がどのようにもたらされるかについては,収奪的制度下では創造的破壊が抑えられる傾向があるので収奪→包括の移行は難しいこと,しかしそれは不可能ではなく歴史的に何度か生じており,移行には多元的権力の成立が重要であ

                        書評 「自由の命運」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                      • コロナによって新興宗教になってしまったサイエンス

                        このエッセイはサイエンス(科学)とは何なのかを考える上での参考になりますし、さらになぜ、 「Listen to Science!(サイエンスに耳を傾けろ!)」 と呼びかけることが事態をより悪い方向に持っていってしまうことになるのか明快に説明しています。みなさんにぜひ読んでただければと思い、ここに翻訳して共有します。 サイエンスは「疑う」文化だ。宗教は「信じる」文化だ。 リチャード・ファインマン 啓蒙主義の最も大きな発明の1つは無知である。 (訳者注:17世紀にヨーロッパで全盛期を迎える啓蒙主義の時代に、今私たちがサイエンスの手法(科学的手法)と呼ぶものが確立し、そのことによってサイエンスが大きく発展しました。そこで、サイエンス革命と呼ばれたりもします。) それは、私たちが知りたいと思っているいくつかの重要なことは、当時西洋を支配していた宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の経典には書か

                          コロナによって新興宗教になってしまったサイエンス
                        • 【文献案内】ウィトゲンシュタイン哲学のバックボーンを望む——19世紀末ウィーンの知識人|Saori Makino

                          最終更新日:2023/7/6 ウィトゲンシュタイン哲学の背景と言えば、フレーゲやラッセルなど、初期分析哲学と呼ばれる人たちの哲学がよく連想されます。しかし、ウィーンの知識人や文化・学問からの影響(また反対にそれら「への」影響)も無視できません。この文献リストは、特に後者からの/への影響にスポットを当てるためのものです。ウィトゲンシュタインの遺稿には、前期・中期・後期すべての区分において、ウィーンの学問からの影響が見受けられます。ごく一部を取り上げるとしても、前期ウィトゲンシュタインの著作『論理哲学論考』に登場する「論理空間」という言葉は、ボルツマンに由来すると言われています。前期-中期ウィトゲンシュタインの遺稿『哲学的考察』には、マッハの空間概念からの影響が見られます。さらに、晩期ウィトゲンシュタインのいわゆる「心理学の哲学」と呼ばれる一群の考察には、ブレンターノの弟子・エーレンフェルスに

                            【文献案内】ウィトゲンシュタイン哲学のバックボーンを望む——19世紀末ウィーンの知識人|Saori Makino
                          • 「日本経済の病」~金融緩和などの日本の経済政策について、オーストリア経済学の視点からの評価|自由主義研究所

                            昨年12月4日のニュースで「日銀 25年間の金融政策分析で外部有識者の討論会を初開催へ」という記事がありました。 以下、記事から一部抜粋しますが、金融緩和などの日本の政策について効果・副作用を分析するとのことです。 日銀は、大規模な金融緩和策など過去25年間の金融政策を分析する「多角的レビュー」の一環として、4日、初めて外部の有識者を招いた討論会を開きます。 日銀はことし4月、日本経済がデフレに陥ってから過去25年間にわたって続けてきたいわゆる非伝統的な金融政策について、その効果と副作用を分析する「多角的レビュー」を実施することを決め、これに沿ってさまざまな分析を続けています。 また、12月19日には「日銀、マイナス金利解除見送り 大規模緩和を継続」という記事がでました。 そこで今回は、自由主義の経済学であるオーストリア経済学者のヘスース・ウエルタ・デ・ソト氏による日本の経済政策についての

                              「日本経済の病」~金融緩和などの日本の経済政策について、オーストリア経済学の視点からの評価|自由主義研究所
                            • The Tyranny of Merit - 言語ゲーム

                              機知に富んだ問答で有名なマイケル・サンデル教授が、現在のアメリカの分断について語る滅茶苦茶面白い本です。多くのアメリカが大統領選挙結果をインチキだと思っているというのは極端な例だけど、日本でも分断は他人事ではありません。こういう分断がどこから来るのか不思議だと思っていましたが、ピッタリな素晴らしい本を見つけました。あまりに面白かったので二度読んで読書メモを書いてしまった。4月に「実力も運のうち」というタイトルで邦訳が出るようなので楽しみです。 INTRODUCTION: 2019 年に全米を震撼させた入試スキャンダルを枕に、大学入試の公平性について語ります。ある入学詐欺師によると、入学試験には「正門」「裏門」「横門」の三つの門があるそうです。「正門」は普通入試、「裏門」は高額寄付者や卒業生の子息の特別枠で、アメリカでは合法です。スキャンダルを生んだ違法な「横門」では、入試監督を直接買収して

                                The Tyranny of Merit - 言語ゲーム
                              • おれが法について知りたいこと 住吉雅美『あぶない法哲学』を読む - 関内関外日記

                                あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン (講談社現代新書) 作者:住吉雅美 講談社 Amazon おれが法について知りたいことは、なぜ自分で選んで生まれてきたわけでもない国の法律に、自動的に契約させられてしまうのだろうか? ということである。その契約(?)になんの根拠があるのだろうか。どういう起源があるのだろうか。そこである。 勘違いしないでほしいが、おれはおおむねこの日本の法律というものに満足している。不満がまったくないといえば嘘になるけれど、世界の中でも相当に恵まれたものだし、日本に生まれたことはかなりラッキーだと思っている。 が、もしも、もっとひどい、悪法まみれの国に生まれたらどうだったろうか。この日本の法やその用いられ方に比べて、もっとひどい国に生まれたら。それでも、その人はその国の法に従わねばならないのか。その根拠はなんなのか、起源はなんなのか。そういう話である。 で、どうも

                                  おれが法について知りたいこと 住吉雅美『あぶない法哲学』を読む - 関内関外日記
                                • 「リベサヨ」異聞 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

                                  雁林という人が、北村紗衣さんを「ポリコレリベサヨうんこ学者」とツイートした等により220万円の慰謝料を命じられたと報じられています。「うんこ学者」というのが誹謗中傷の類いに当ることは確かですが、「ポリコレ」とか「リベサヨ」というのは、思想的対立そのものの表現であることも確かでしょう。 それよりなにより、わたくしはもともと自分が創った気の利いた言葉のはずだった「リベサヨ」が、世の中を転々流通するうちに、原義とは全く違うただの左翼罵倒用語になって、こうして裁判ネタにまでなってしまったことを、若干の悲しみをたたえつつ、眺めるしかありません。 リベラルサヨクは福祉国家がお嫌い 一昨日のエントリーで紹介した後藤さんの本ですが、なかなか面白い記述があります。1960年代に左派からなされた福祉国家批判なんですが、例えば鈴木安蔵編『現代福祉国家論批判』にこういう叙述が見られるとして紹介しているんですが、福

                                    「リベサヨ」異聞 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
                                  • 保守思想とアメリカ政治の現在 ―ポピュリズムとの相克― | 一般社団法人平和政策研究所

                                    はじめに トランプ政権が登場して早3年目に入り、既に次期大統領選に向けた動きが始まっているが、この間の同政権についての見方や評価はいまだに揺れる部分が多い。しかし米国の保守思想史を振り返りながら分析すると、トランプ政権登場の時代的意味がはっきり見えてくる。そこで本稿では、米国保守思想史をたどりながら、現在の米国が直面するさまざまな政治現象の根底に流れる大きな思想潮流を描き出してみたい。 そもそも「保守」とは何かということについて言えば、人によってそのイメージや意味が違ってくる。注意すべきことは、ナショナリズムと保守主義は全く異なるものであるのに混同されがちだという点だ。また、ポピュリズムと保守主義は違うにもかかわらず、米国ではポピュリズムと保守思想の親和性が見られる背景についても述べてみたい。 1.現在は戦後アメリカ思想史の大転換期 戦後米国思想史を振り返ってみると、保守であれリベラルであ

                                      保守思想とアメリカ政治の現在 ―ポピュリズムとの相克― | 一般社団法人平和政策研究所
                                    • 続・muchonovさんの提示した「判断力が未熟だから」論法では、年齢による“パターナリズム”を肯定するのは無理があるよという話と、あとリテラシー - Click Game.

                                      ※FF7に関するネタバレがあります。 https://anond.hatelabo.jp/20210805095803 まず「書け書け」とは申し上げていないので、はっきり言って嘘ですね。 自分が増田で書いた文章「子供の権利は制限されているし、性行為に伴うリスクを判断できない」の位置づけなんですが、これはmuchonovが何か新しい提案をしたぞとか、今からそういう社会を作るぞ、という内容ではありません。このスレッドの親増田の「なぜ、子供が性を売ってはいけないのか」という疑問への応答として、今の社会がそういう風になっている理由として、法律的・社会的にこのような背景がありますよ、と説明するものです。言い換えると、これは〈べき論〉ではなく〈である論〉のつもりで書いたものです。 正直、こんな感じの言い訳はしてくるだろうなと予想してましたが、本当にきました。というのも、このひとつ前のコメントが されて

                                        続・muchonovさんの提示した「判断力が未熟だから」論法では、年齢による“パターナリズム”を肯定するのは無理があるよという話と、あとリテラシー - Click Game.
                                      • ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信 | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート

                                        前回の記事ではジョン・メイナード・ケインズと論陣を張り合った経済学者のフリードリヒ・フォン・ハイエク氏の主張が現在のコロナ禍における経済にぴったりと当てはまることを紹介した。 インフレが制御不能になれば政府は価格統制を始める 莫大な量的緩和と現金給付によりアメリカでは既に物価上昇が始まっているからである。 経済学者によるインフレ至上主義 それを遠い昔に諌めていたのがハイエク氏だった。しかし現代の経済学者はインフレを善とし、インフレターゲットなる言葉まで作られた。 繰り返すがインフレとは需要に対して供給が不足していることであり、物が足りないことである。 物が足りないことの何が善なのだろうか? これについて筆者を説得できた経済学者はいまだ存在しないが、インフレは現代の経済学では善とされており、結果としてのインフレではなくインフレ自体をターゲットとした政策が平然と行われている。 何故インフレが政

                                          ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信 | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート
                                        • 日銀植田総裁の曖昧なイールドカーブコントロール「運用柔軟化」を解説する | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート

                                          7月28日、日銀は金融政策決定会合の結果を発表し、長期金利を操作するYCC(イールドカーブコントロール)の「運用の柔軟化」を決定した。実質的には利上げに該当するのだが、史上例がないほど曖昧な利上げとなっている。以下に説明する。 イールドカーブコントロール メディアでは一斉に「運用を柔軟化」と報じているが、結局何がどうなったのか分からない人が多いのではないか。長期金利0.5%の上限は結局どうなったのか。 まずは背景の説明だが、日銀はもともと長期金利の目標をゼロに定め、プラスマイナス0.25%の上下変動を許容するという政策(YCC)を行なっていた。 中央銀行は通常短期の金利だけを操作するが、日銀は長期金利も操作しているので、短期から長期までイールドカーブ(利回りを期間順に並べたもの)全体に影響を与える緩和政策ということである。 2021年から始まっている世界的なインフレが日本には2022年辺り

                                          • 人生は強いられず、ただ示される|ちくま学芸文庫|吉良 貴之|webちくま

                                            哲学者ロバート・ノージックが人生における多様なテーマを考察した『生のなかの螺旋』(ちくま学芸文庫)が刊行されました。ノージック初の文庫化です。本書の性格と著者の全体像について、法哲学者の吉良貴之氏が解説を書かれています。またとないノージック入門となっておりますので、ぜひお読みください。 本書『生のなかの螺旋―自己と人生のダイアローグ』は、Robert Nozick, The Examined Life: Philosophical Meditations, Simon & Schuster, 1989の全訳である。 著者のロバート・ノージック(1938-2002年)はアメリカの哲学者であり、長らくハーバード大学で教授職を務めた。最も有名な著作は、政治哲学上のリバタリアニズム(自由至上主義)の記念碑的著作とされる『アナーキー・国家・ユートピア』(原著1974年)だろう。ほか、認識論や心の哲学

                                              人生は強いられず、ただ示される|ちくま学芸文庫|吉良 貴之|webちくま
                                            • 【翻訳】 経済学はなぜ重要なのか|ブランコ・ミラノヴィッチ インタビュー|未厨伯(みくりや はく)

                                              経済学系のエントリを掲載するウェブサイト"Age of Economics"によるブランコ・ミラノヴィッチ(Branko Milanović)へのインタビューの [要約・意訳記事] になります。 注意:訳者の知識不足、技量不足により解説や本文等で誤った箇所がある可能性があります。お気づきの際は適宜ご指摘いただけますと幸いです。 また、本エントリは一切収益化しておりません。 ① 経済学はなぜ重要なのか: これは非常に重大かつ難解な問いです。おそらく二通りの答えを出すことができるでしょう。まず私が若い頃にマルクス経済学を学んでいた時に使っていたであろう答えから始めましょう。経済学が重要なのは、歴史における壮大な政治的・経済的変化に目を向け、それを経済的な要因を使って説明することができるようになるからです。言い換えれば、経済学は唯物史観の一分野であると言えるでしょう。経済的な要因による意思決定が

                                                【翻訳】 経済学はなぜ重要なのか|ブランコ・ミラノヴィッチ インタビュー|未厨伯(みくりや はく)
                                              • 【解題】ニコラス・カルドア『ニューマネタリズム批判』(フリードマン・カルドア・ソロー「インフレーションと金融政策」収録)|TagoMago

                                                前回のフリードマン『金融政策の役割』に続き、カルドアの『ニューマネタリズム批判』の解題という名の要約である。ニコラス・カルドアによる「The New Monerism」と題された論文は、1970年3月12日にロンドン大学で行われた講演が元になっている。元論文は以下のリンクを参照して欲しい。余談だが、カルドアは、オーストリア学派の重鎮であるフリードリヒ・ハイエクの本を若い時に1冊翻訳したぐらい筋金入りのハイエクの信奉者であった。(P.37) N.Kaldor "The New Monetarism" , Lloyds Bank Review. July 1970. http://public.econ.duke.edu/~kdh9/Courses/Graduate%20Macro%20History/Readings-1/Kaldor.pdf マネタリズムの基本命題カルドアは、マネタリズムの

                                                  【解題】ニコラス・カルドア『ニューマネタリズム批判』(フリードマン・カルドア・ソロー「インフレーションと金融政策」収録)|TagoMago
                                                • ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート

                                                  アメリカではインフレが減速し始めており、インフレ減速とともに失業率上昇などの景気減速が懸念されている。 そこで今回は、20世紀最大のマクロ経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣論集』に収録されている論文から、インフレ減速後の失業増加について語っている部分を紹介したい。 インフレ抑制のための金融引き締め 2021年には既に始まっていたインフレの脅威は、多くの著名投資家らが警告していたにもかかわらず、Fed(連邦準備制度)のパウエル氏など中央銀行家には無視されていた。 ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18) そして物価高騰は手遅れとなった。パウエル氏が過ちに気付いた時点でアメリカのインフレ率は既に7%近くまで上がっていた。 パウエル議長、ついに「一時的」を撤回しテーパリング加速を示唆 (2021/12/1) インフレとは供

                                                    ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート
                                                  • 記録:リスクと主権の配分:松尾匡氏との対談(ミュルダールを超えて第13回) - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                    2012年2月11日配信 松尾匡さんは立命館大学教授で、理論経済学を専攻する気鋭の論客でもあります。著作は豊富で、『不況は人災です!』(筑摩書房)、『商人道ノスゝメ』(第三回河上肇賞奨励賞受賞作をもとにしたもの、藤原書店)、『対話でわかる痛快明解経済学史』(日経BP社)などがあります。また市民参加型のまちづくりなど実践面での活動も豊富です。松尾さんは僕と同じく、いわゆる「リフレ派」(デフレ脱却して低インフレを目指す)にくくられています。 田中:福岡の経済圏の落ち込みは全国平均からみてもひどいですね。福岡には女性グループアイドルの取材できたのですが、若い人たちの文化の高まりの一方で、産業全体が疲弊していることが統計からわかります。 松尾:福岡の経済状況は悪いですよ。久留米大学の最後の学生(2008年4月から立命館大学へ)に円相場と九州の設備投資の増加率との推計をやらせたらきれいに相関したんで

                                                      記録:リスクと主権の配分:松尾匡氏との対談(ミュルダールを超えて第13回) - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                                    • そういう行政をもったら「この世は終わりだ」くらい考えたほうがいい -木庭顕『笑うケースメソッドII』を読む- - もちつけblog・はてなブログ版(仮)

                                                      木庭顕『笑うケースメソッドII 現代日本公法の基礎を問う』を読んだ。 [笑うケースメソッドII]現代日本公法の基礎を問う 作者: 木庭顕 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/02/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 内容は、紹介文にある通り、「公法の根底にある、近代ヨーロッパ概念である政治システムとデモクラシー。そしてそれらが全面的にギリシャ・ローマの観念体系に負うことを踏まえ、人権概念へと迫る」という内容である。 AMAZONのレビューでは、「本書の脚注に挙げられている数多の文献のうち、ほとんどを読んでいないことに絶望感を覚える読者が大半なのではないだろうか」と書かれているが、その絶望感をやり過ごして、以下に、特に興味深かったところだけ、書いていきたい*1。 占有呼ばわり 私もロースクール棟の廊下で見ず知らずの学生にいきなり「あ、占有!」と指差

                                                        そういう行政をもったら「この世は終わりだ」くらい考えたほうがいい -木庭顕『笑うケースメソッドII』を読む- - もちつけblog・はてなブログ版(仮)
                                                      • 「日経BPクラシックス」 武器としての古典を新訳で読む

                                                        「日経BPクラシックス」とは? 日経BPが2008年4月に創刊した「古典新訳」シリーズです。研究者・学者ではなく気鋭のプロ翻訳家を起用し、経済学、経営学、政治学、哲学を中心とした「いま読むべき」古典を、従来の翻訳調ではない平易な日本語訳で刊行しています。 本シリーズの目的は「一般教養としての古典ではなく、現実の問題に直面し、その解決を求めるための武器としての古典。それを提供すること」にあります。 「原文に忠実であろうとするあまり、心に迫るものがない無国籍の文体。過去の権威にすがり、何十年にもわたり改めることのなかった翻訳。それをわれわれは一掃しようと考える」(「発刊にあたって」より) 今の「危うさ」に抗するための武器を 例えば『大暴落1929』。1929年、ウォール街の株価大暴落から世界恐慌へと続く道はいかに敷かれ、なぜ避けられなかったのか。ジョン・K・ガルブレイスが1955年に世に問うた

                                                          「日経BPクラシックス」 武器としての古典を新訳で読む
                                                        • 政治1年生のための消費税。長田杏奈&かん(劇団雌猫)が経済学者に取材

                                                          消費税に関してあふれる疑問。気鋭の経済学者にぶつけました。 7.21の参院選を前に付け焼き刃で勉強してからはや4か月。選挙で“争点”と言われていた「消費税10%」が、サクッと導入され、1万円の買い物をしたら1000円の消費税を払わなければならない年の瀬がやってきた。そんな中、「消費税の増税は既定路線」と今さら教えられた長田&かん。政治も経済もよくわからないけど、「消費税10%にあげていい?」って民意問われた記憶がないのに、どんどんお金抜かれるのひどくないですか? 使い途、どうなってるんですか? 今からでも止められませんか? あふれる疑問を、気鋭の経済学者にぶつけました。 教えてくれるのは 「都合の悪い経済学者」 松尾匡(まつお ただす) 松尾匡 1964年、石川県生まれ。立命館大学経済学部教授。専門は理論経済学。著書に『この経済政策が民主主義を救う』(大月書店)、『ケインズの逆襲、ハイエク

                                                            政治1年生のための消費税。長田杏奈&かん(劇団雌猫)が経済学者に取材
                                                          • マイルズ・キンボール 「経済学に興味がある一般人が読んでおくべきものは?」(2012年9月17日)

                                                            普通の一般人が経済学について学ぼうとするなら、その方面の(経済学を扱っている)ブログをチェックするのもいいし、秀逸な教科書を読むのもいい。私がこれまでに読んできた本を参考にしてもらってもいい。 タイラー・コーエン&アレックス・タバロック執筆の革新的で心躍らされる教科書 billythekidatheart:質問が二つあります。「経済学に興味がある一般人が読んでおくべき本や論文は何でしょうか?」というのが一つ目の質問です。貴殿のお薦めが何なのか興味があります。私は、弁護士としての訓練を受けていますが、 経済学に関しては素人です。しかし、経済学の色んな理論について読むのが好きです。次に移らせていただきますと、私の政治的な立ち位置は若干左寄り(リベラル寄り)なのですが、「サプライサイド・リベラル」という貴殿の立場に興味を覚えました。そこでリベラル絡みの質問になりますが、フランクリン・ルーズベルト

                                                              マイルズ・キンボール 「経済学に興味がある一般人が読んでおくべきものは?」(2012年9月17日)
                                                            • 「誤配」について詳しく学びたい

                                                              ゲンロン、ゲンロンカフェに寄せられたご意見・ご感想にスタッフがお答えします。 ご意見・ご感想はこちらから→https://forms.gle/vzoHiUKKFxYXNBdk6 ゲンロン ゲンロンカフェ ゲンロン友の会 <ゲンロン友の声> いつもゲンロンの活動、楽しませていただいております。東さんに質問です。私は学問的なことは分からないのですが、ハイエクの「自生的秩序」という思想を好んでいます。そしてデリダの「誤配」についても、近い位置を指しているのかな?と。「誤配」のような思想について、詳しく書かれている、お勧めの本はございますか? 質問の意図ですが、自分は社会的地位がすごく低く、大学も出ていないので、本来は人文に接する事は無かったと思います。しかし、ある人との会った事で人文が好きになり、本を買ったり、大学講座やゲンロンカフェにお邪魔するようになりました。階級はあるけれど、でも出会うはず

                                                              • 今の中国経済のバブル崩壊は2年後の米国経済の姿を表している | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート

                                                                もうずっとやばかったのだが、市場が今更中国経済がやばいと騒ぎ始めている。 中国の不動産危機など 発端は今月前半、中国の不動産会社碧桂園が債券の利払いを行えなかったことである。 碧桂園の破綻危機と何も終わっていない中国の不動産バブル崩壊 2021年に破綻危機に陥った恒大集団に続く中国の不動産業界の大規模な破綻危機である。 サマーズ氏: 中国恒大集団のデフォルト危機は日本のバブル崩壊と同じで極めて深刻 恒大集団は実質的に破綻に陥ったものの、キャッシュが見かけ上途切れないように中国政府が計らっているので、一応まだ存在している。 ゾンビ企業を見かけ上延命して何の意味があるのか、と多くの人は思うかもしれないが、しかし結果として市場は中国の問題をもう2年も忘れていたのだから、結局は中国共産党の稚拙なトリックにしっかり騙されているのである。 だが不動産危機は進行していた。そして中国政府が見かけをどうにか

                                                                • あとがきたちよみ/『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』 - けいそうビブリオフィル

                                                                  あとがき、はしがき、はじめに、おわりに、解説などのページをご紹介します。気軽にページをめくる感覚で、ぜひ本の雰囲気を感じてください。目次などの概要は「書誌情報」からもご覧いただけます。 エイドリアン・ヴァーミュール 著 吉良貴之 訳 『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』 →〈「訳者あとがき エイドリアン・ヴァーミュール:制度的キャパシティへの全体論的視点 」(pdfファイルへのリンク)〉 →〈目次・書誌情報はこちら〉 訳者あとがき エイドリアン・ヴァーミュール:制度的キャパシティへの全体論的視点 吉良貴之 本書はAdrian Vermeule, The Constitution of Risk, Cambridge University Press, 2013 の全訳である。原題を直訳すれば『リスクの憲法』であるが、既に同様のタイトルの書があることから『リスクの立憲主義

                                                                    あとがきたちよみ/『リスクの立憲主義 権力を縛るだけでなく、生かす憲法へ』 - けいそうビブリオフィル
                                                                  • 資本とイデオロギー | みすず書房

                                                                    ベストセラー『21世紀の資本』を発展継承する超大作、ついに邦訳。《財産主義》という視点から、三機能社会、奴隷制社会、フランス革命、植民地支配から現代のハイパー資本主義まで、巨大なスケールで世界史をたどり、イデオロギーと格差の関係を明らかにする。さらには《バラモン左翼》と《商人右翼》の連合に囚われつつある現代民主政治を分析。労働者の企業統治参画と累進年次資産税など、新たな公正な経済システムを提示する。 序文と謝辞 はじめに イデオロギーとは何か/境界と財産/イデオロギーを本気で考える/集合的な学習と社会科学/本書で使った情報源――各種の格差とイデオロギー/人間の進歩、格差の復活、世界の多様性/格差の復活――最初の方向性/エレファントカーブ――グローバル化をめぐる冷静な議論/極端な格差の正当化について/歴史から学ぶ――20世紀の教訓/イデオロギーの凍結と新しい教育格差/複数エリートの復活と平等

                                                                      資本とイデオロギー | みすず書房
                                                                    • ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート

                                                                      世界的なインフレが問題となっているなかで、いくつかの国ではいまだに補助金や現金給付といった政策が人気である。 このことについて20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』から彼の意見を取り上げよう。 紙幣印刷政策 リーマンショック以後、世界中の中央銀行が量的緩和政策、つまりは紙幣印刷によって金利を下げ、自国通貨の価値を下げる政策を行ってきた。 ハイエク氏は紙幣印刷政策について次のように述べている。 貸付のための紙幣を印刷することで人為的に貸付用の資金を安価にすることは、貸付先を助けるだけなく、他の人々を犠牲にすることによってではあるが、経済活動全体を少しの間刺激する。 一方でそうした紙幣発行が市場の操縦メカニズムを破壊する効果を持つことは理解されにくい。 そうして2008年以降、紙幣印刷と低金利政策が行われ続けた。それはインフレを目指すという名目のもと行われて

                                                                        ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート
                                                                      • ポールソン氏、政府債務の削減を実現したギリシャ経済を絶賛 | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート

                                                                        リーマンショックを予想的中させたことで有名なPaulson & Coのジョン・ポールソン氏が、話題のギリシャ経済についてCapital Linkの会合で語っている。 絶好調のギリシャ経済 コロナ禍とその後のインフレによって多くの国の経済が減速しつつある中、ギリシャ経済は絶好調であると言える。 2010年からの欧州債務危機ではデフォルトの瀬戸際まで行ったギリシャ経済がここまで立ち直ったのは、2019年に選出されたミツォタキス首相の経済政策が奏功しているからである。ここまでの話は前回の記事で説明している。 コロナ後絶好調のギリシャ株、政府債務を削減しながら株高を実現 ギリシャでは株価も絶好調なのだが、そのギリシャ経済に注目しているヘッジファンドマネージャーがいる。リーマンショックにおいて原因となったサブプライムローンを空売りしたことで有名なポールソン氏である。 ジョン・ポールソン氏、サブプライ

                                                                        • 新しいリベラリズムの可能性――来るべき福祉国家の理念とは?/橋本努/伊藤隆太(ホスト) - SYNODOS

                                                                          開催日時 2021年5月12日(水)20:00~21:30 講師 橋本努 ホスト 伊藤隆太 場所 Zoom 料金 1100円(税込) ※高校・大学・大学院生は無料です。 振り返るとこの10年間、日本でも他の先進諸国でも、リベラル派の勢力はじり貧の状況が続いてきました。代わって、保守主義やポピュリズムの政治が台頭しています。リベラルを支えるリベラリズムの思想は、いったい失効してしまったのでしょうか。 シノドスでは、2018年に「シノドス国際社会動向研究所」を立ち上げて、「新しいリベラル」の可能性について検討を重ねてきました。 今回、シノドス・トークラウンジでは、2021年2月に刊行された橋本努著『自由原理――来るべき福祉国家の理念』(岩波書店)を取り上げて、新しいリベラリズムの可能性について議論します。 本書は「自由の新たな始原(アルケー)」を探るという、ストレートな思想書です。それと同時に

                                                                            新しいリベラリズムの可能性――来るべき福祉国家の理念とは?/橋本努/伊藤隆太(ホスト) - SYNODOS
                                                                          • 『カルドア 技術革新と分配の経済学― 一般均衡から経験科学へ―』(名古屋大学出版会) - 著者:木村 雄一 - 木村 雄一による本文抜粋 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

                                                                            著者:木村 雄一出版社:名古屋大学出版会装丁:単行本(256ページ)発売日:2020-11-11 ISBN-10:4815810060 ISBN-13:978-4815810061 内容紹介: シュンペーターとケインズの融合や格差問題など、現代的領域の先駆者として理論に革新をもたらす一方、国連職員、開発経済学者、イギリス労働党顧問などのさまざまな顔を通じて社会に深くかかわり、現実に即した経済学の必要を訴え続けた稀代のエコノミストの全体像を提示する。 現代経済学の巨人、ニコラス・カルドア。彼に関する研究書として、日本語では初となる『カルドア 技術革新と分配の経済学』がこのたび出版されました。「格差」の問題がクローズアップされる昨今、カルドアの経済理論・思想から何を学ぶことができるでしょうか。本書の内容を、本文から抜粋してご紹介します。 格差の経済学のパイオニア。ノーベル賞を逃した稀代のエコノ

                                                                              『カルドア 技術革新と分配の経済学― 一般均衡から経験科学へ―』(名古屋大学出版会) - 著者:木村 雄一 - 木村 雄一による本文抜粋 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
                                                                            • アダム・グリ「『発明』を発明する:ブラッドフォード・デロング『20世紀経済史:ユートピアへの緩慢な歩み』書評」(2022年11月21日)

                                                                              19世紀、世界の一部の地域(「グローバル・ノース」)が豊かになり始めた。成長はゆっくりと始まったが、19世紀終盤には急加速し始めた。科学、技術、生産能力の拡大は想像を絶するもので、当時の人々の一部はさらにその先を想像し始めた。この物質的成長のトンネルの先に人々が見たのは、人間の持ち得るあらゆる欲求が充足され、余暇の時間もたっぷりと残された、真のユートピアであった。 それから1世紀半経ったが、ケインズの想像した余暇の有り余る社会にも、ましてマルクスの無階級社会、あるいはヴィクトリア期に生まれ育ったユートピア主義者たちの思い描いた地上の楽園にも、私たちは到達できていない。ユートピアに到達しようとする人類の試みの中で成功の見込みがあったのは、1914年から1991年までの「短い20世紀」、すなわちソ連が勃興し失墜するまでの期間だけであった、と歴史家のエリック・ホブズボームは論じている。これに直接

                                                                              • 現代人必読!欲望をキーワードに〈資本主義〉を捉え直すための十の言葉|ヒルズライフ

                                                                                TOKYO RE-THINK ABOUT MODERN CAPITALISM 現代人必読!欲望をキーワードに〈資本主義〉を捉え直すための十の言葉 2020.02.06 THU 現代の資本主義は、曲がり角にあります。グローバリゼーションが地球を覆い、デジタルテクノロジーが驚異的な進展を見せ、そして「共感」「感情」の商品化が進む時代。物質的な豊かさが飽和したかに見えた後に、待っていたのは格差と分断が拡大する社会。その中で、降りられないレースに駆り立てられ、人々が心乱されているとしたら、私たちは何のために働き、この世界でどんな生き方を模索していけばよいのか?——「欲望」をキーワードに資本主義を解剖、昨秋開催された「Innovative City Forum 2019」でもその本質を探究するセッションを主宰したNHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサーの丸山俊一さんに、「資本主義」を捉

                                                                                  現代人必読!欲望をキーワードに〈資本主義〉を捉え直すための十の言葉|ヒルズライフ
                                                                                • リベラルの盲点は「道徳資本」

                                                                                  この5つのチャンネルは集団維持のための自己抑制のセットをなしており、つまり人間の脳は、社会維持にとって必要な行動(人としてどう振る舞うべきか)を、「守られやすい」直観道徳として感じるように進化したというのが著者の分析である。 これら生得的な直観道徳チャンネルには「適応課題」で示されているような抽象的な観念が置かれているだけで、内容は具体的にはきまっていない。具体的な中味は、それぞれの社会集団が生活形態に合わせてチャンネルを調整することできまってくる。 そうして各集団が調整してつくりあげた直観道徳の具体的なセットを「道徳マトリックス」といい、それがその社会における美徳(社会道徳)を構成している。 道徳というと理性的なもの、後天的なものと思われがちだが、社会道徳については、このように理性ではなく(理性では制御できないがゆえに拘束性がある)生得的な直観システムを基礎にしているというのが著者の見立

                                                                                    リベラルの盲点は「道徳資本」