インターネットが病んでいる。人類の知を共有する夢のインフラとして期待されたデジタル空間を、悪意むき出しの偽情報や他者への容赦なき罵詈(ばり)雑言が飛び交う。悪貨が良貨を駆逐するかのごとく進んでいく「汚染」。生成AI(人工知能)という真新しい技術も悪用され、腐敗に拍車がかかる――。 「いい感じだと思う。確認してみて」。パキスタンに住むグラフィックデザイナー、ザイード氏からウェブサイトへのリンクを受け取ったのは午前6時前だった。大手クラウドソーシングサービスを通じて出会い、「はじめまして」と挨拶してから40時間足らず。同氏に作成を頼んだ「AIビジネスジャーナル」の出来栄えは想像を超えていた。