そのタイトルの不穏さにたがわず、私たちが信頼していたサービスで何が起きたのかを事例を基に簡潔に解説しつつ、「セキュリティ設定はユーザーの責任」という事実に私たちがどう対処すべきかを語る、ハッカーらしい講演だ。本稿では、杉浦氏による、生々しい現状を語った講演をレポートする。 そのクラウド、本当に大丈夫? 杉浦氏はかつて情報セキュリティの会社を設立し、Winnyの暗号解読に成功したこともある「ハッカー」と呼べる存在だ。現在ではそのハッカーたちが日本でも活躍できるよう、ハッカーが直面する問題に対処すべく日本ハッカー協会を設立。デジタル庁セキュリティチームをはじめ、さまざまな立ち位置から日本のサイバーセキュリティを見つめ、前線で活躍する重要人物だ。 杉浦氏は、仮想通貨やP2P、ドローン、医療保険分野などにおける、いわゆる情報セキュリティに限らず、OSINTやIoT、プロダクト開発と幅広く活躍してい