相次いで声を上げ始めた“宗教2世”たちの姿を、長期取材によるドキュメンタリーと、複数の当事者や家族の実体験を基にしたドラマの2本シリーズで伝える。
清掃会社に派遣された先は「母校」 国立大学の大学院では、寝る間を惜しんで研究に精を出した。しかし、卒業後の就職活動では50社近い会社から門前払いをくらう。ようやく清掃会社に採用されたものの、派遣された先は母校の研究室が入る建物だった。 担当教授に出くわしたらどうしよう。すれ違う学生の視線を感じながら、ごみ箱の中身を回収し、トイレの床にモップをかけた。 職業に貴賤はない。ダイキさん(仮名、46歳)は自分に言い聞かせながらも、こう思わずにいられなかった。「よりによってついこの間まで学者の卵として勉強していた場所での掃除……。これは学歴に見合った仕事なんだろうか」。 結局この会社は1週間で辞めた。次に就いたのは牛乳配達の仕事。ただ月収6、7万円ほどにしかならず、数カ月で辞めた。 なぜダイキさんはここまで仕事探しに苦労したのか。理由は当時、ダイキさんがキリスト教系新宗教「エホバの証人」(ものみの塔
Published 2023/12/09 16:33 (JST) Updated 2023/12/09 22:01 (JST) 安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などで起訴された山上徹也被告(43)に、新興宗教の信者を親に持つ「宗教2世」ら被害を受けたという人々から手紙が複数寄せられていることが9日、関係者への取材で分かった。「親の献金でお金がなくなった」などと境遇が似た被告に自身の苦しみを伝える内容が目立ち、被告は返信していないが気にかけて読んでいるという。 事件を機に宗教2世を取り巻く問題が浮かび上がった一方で、当事者同士が境遇を共有できる場はまだ少ない。宗教2世当事者の横道誠京都府立大准教授(44)は「境遇が似ていると感じる被告に手紙を書くことで、自分の体験と向き合い、整理しようとしているのではないか」と話した。 安倍氏は昨年7月8日、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で銃撃され死亡した。捜査関
当ブログでは、いわゆる"旧統一教会"が世間から注目される2022年以前より、新興宗教に目を付け、その施設に単身で突入するというアウトローさを前面に押し出してきました。 特に当ブログが注目したのが、仏教系の新興宗教、「平等大慧会(びょうどうだいえかい)」です。 平等大慧会とは、昭和29年11月11日に、教主・梅本禮暉譽(うめもとれいきよ)によって設立された宗教団体です。ドストレートに断言すると、カルト宗教です(*'ω'*)。 こちらがそのホームページ www.oshajo.or.jp 冒頭でいきなり『あなたにとって"信仰"は必要でしょうか?』と投げかけてくる鬱陶しさ(*'ω'*)。カルト臭プンプンです。 私が以前、添乗員として広島県の宮島にある厳島神社を訪れた際に、有名な大鳥居の対岸の山の中腹にクソデカい施設が建っているのに気づきました。たぶん、厳島神社を訪問した観光客の99%が気付くし、鬱
来月にも見込まれる世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求。ただ、一件落着ではない。特に気になるのは、教団側が解散前に教団財産を隠したり、移転させたりする恐れがあること。早期の財産保全を可能とする立法が求められているが、政府の腰は重い。一方、支持率が低迷する岸田文雄政権が、請求を政権浮揚の「政治カード」にするとの見方も。「請求は出発点」という被害者らの声は、きちんと反映されるか。 (宮畑譲、曽田晋太郎) 「抜け道を使って、韓国の教団本部にお金を送るのではないか。至急、措置法をつくって止めないと。私のお金が返ってくることはないとあきらめている。けど、現在進行で献金させられている人はいる。被害拡大を防がないと」 旧統一教会の元宗教2世の奥野まきさん(仮名)は、「こちら特報部」の取材にこう語る。 苦々しい思いをぬぐえずにいる。亡き父の献金は1億円を超えた。母も布教活動に没頭し、食事が与
「Romanticが止まらない」などのヒット曲で人気を博したC-C-Bの元メンバー、関口誠人(64)。 2022年7月に安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、親が特定の宗教の信者である「宗教2世」の存在や、彼らが直面する問題に世間の目が向けられるようになった。そんな中、今年の春、Twitterにて、母親が“エホバの証人”の信者で、自身が2世信者だったことを明かした。 入信を機に変わっていった母の様子、母と一緒に訪問布教に明け暮れていた少年時代、自慰をはじめとする教団の禁止事項などについて、話を聞いた。(前後編の前編/後編を読む) ◆ ◆ ◆ 入信し、頻繁に出かけるようになった母 ーーお母様がエホバの証人に入信されたきっかけというのは。 関口誠人(以下、関口) 信者が家にやってくる、訪問布教ですね。僕が小学3年生のときです。 そこから、母が『ものみの塔』っていう、雑誌みたいのを読むようになったんで
去年7月に起きた安倍元首相銃撃事件を機に、社会に注目されるようになった“宗教2世”の問題。たとえ本人が宗教活動から離れても、家族や友人が信仰を続けている場合もあり、2世たちの苦悩は簡単には解消されません。 “宗教2世”としての人生をどう送っていけばよいのか。手がかりを求めて、立場や価値観が異なる人たちと言葉を交わし始めた2世たち。その“対話”の日々を見つめました。 (NHKスペシャル シリーズ“宗教2世” 取材班) 銃撃事件以降、大きく注目された“宗教2世”の存在。複数の専門家はその定義を「特定の信仰をもつ親のもとで、その教えの影響を受けて育った子ども世代」としています。 じつは事件が起きるずっと前から、SNS上では宗教・宗派を問わず、さまざまな当事者たちがみずからを“宗教2世”と名乗り、苦悩を訴えていました。私たちは“宗教2世”たちの声に5年前から向き合い、取材をしてきました。 そのひと
天理教で布教活動をしていた当時の写真を手に、里子時代の苦しみを語るしおり=神奈川県内で2024年3月18日午後7時50分、藤田剛撮影 朝日が昇る頃と、夕日が沈む頃。1日2回、神様の前でお祈りした。友だちと遊びに行くことも、学校の部活動に参加することもなかった。「私にはこれしかないんだ」――。そう自分に言い聞かせた。いつか母が迎えに来てくれると信じていた。だけど、そんな日は最後まで来なかった。 しおり(35)=仮名=は13歳の時、九州地方にある天理教の分教会に里子として預けられた。もともと信者ではなかったが、里親に言われるままに10年以上、天理教の教えを学ぶ日々を過ごした。気が付くと、彼女の心は「空っぽ」になっていたという。しおりが歩んできた人生をたどってみたい。 <主な内容> ・早朝から礼拝、物置のような部屋 ・「聖地」で寮生活、土下座して布教 ・結婚、破局、さまよう日々 ・里親だった男性
「宗教2世シェルター」とは?「信教の自由」に対する侵害であり、差別だ 2024年1月19日午前、首相官邸で旧統一教会被害者支援の関係閣僚会議が開かれた。 宗教2世シェルターとは? 信者を親に持つ「宗教2世」らが住居に困った場合に一時的に滞在できるシェルターを提供するなどの支援策をまとめた。 会議の議長を務める林芳正官房長官は「今後の充実・強化策に基づき関係省庁が連携して被害者の相談を幅広く受け付け、必要な支援の取り組みを進めてほしい」と話した。 意見書を提出する「宗教2世問題ネットワーク」監事は全国弁連阿部克臣弁護士 www.cfa.go.jp 重要ポイント 英国では40年前に犯罪となったディプログラミングによる拉致間間下での強制棄教、脅迫献金訴訟、脅迫離婚訴訟 拉致監禁被害者4,300人以上。2015年拉致監禁最高裁勝訴、国会で警察庁長官拉致監禁事実認識 ほぼ共産主義の弁護士により全国弁
親が、極端な教義を持つ宗教や陰謀論にはまったとき、一緒に暮らす子どもの苦悩は深い。逃げ出したいという思いと、親をすててはいけないという「家族教」のはざまでどうすればいいのか。社会に求められているものは。家族の問題に詳しい公認心理師の信田さよ子さんに聞いた。(聞き手・喜園尚史) いわゆる宗教2世は、親が信仰している宗教の被害者であると同時に、「家族教」の被害者でもあります。親の陰謀論やDVなどに苦しむのも仕組みは同じです。親の思いや愛情を疑ってはいけない、子どもは親を大切にすべきだといった日本社会に根づいた「親子愛」というイデオロギーの犠牲者ともいえます。 宗教であれ、極端な陰謀論であれ、自分の信じることは正しいし、子どもを幸せにすることだと親は考えています。外からは暴力的と思われる言動も、家族の中では親が「正しい」のです。一方で子どもは、教義や持論を押しつけてくる親から離れたいという思いと
天理教の分教会に里子として預けられた女性(35)が、毎日新聞の取材に「子どもの頃から里親に信仰を強制されていた」と訴えた。天理教は社会貢献や教義の実践として里親活動に取り組むことで知られる。里子の「信仰の自由」をどう考えるか、天理教で里親の研修などを担当する「天理教里親連盟」に聞いた。文書で寄せられた主な回答は以下の通り。【藤田剛】 宗教の強要はしないよう指導 ――天理教で里親活動をしている世帯数を教えてください。 ◆2024年3月現在、天理教里親連盟の会員数は663世帯。会員のうち登録里親数は542世帯で、主に養育里親であり、その中の362世帯で768人の子どもたちが養育されています。お盆や正月、週末に子どもを預かる、ふれあい里親、週末里親をしている世帯もあります。 ――里子に「おつとめ(礼拝)」をさせることや、前世の行いなどの話を持ち出して教えを学ぶよう諭すことは信仰の強制、児童虐待に
宗教2世虐待、47件把握 「恐怖あおる」「信仰強制」―こども家庭庁が調査結果公表 時事通信 編集局2024年04月26日14時14分配信 【図解】宗教の信仰などが理由とみられる虐待事例 こども家庭庁は26日、親が信者の「宗教2世」への虐待を巡る実態調査結果を公表した。それによると、全国の児童相談所が把握している信仰などが理由とみられる虐待事例は計47件。このうち19件で一時保護が行われた。宗教2世からは自立や進学に向けた支援などを求める意見が寄せられ、同庁は調査結果を踏まえ、対応を検討する。 多額献金、困窮浮き彫り 進学断念に金策、家財質入れ…―宗教審、全会一致「相当」・旧統一教会 調査は、同庁の事業として三菱UFJリサーチ&コンサルティングが補助金を活用して実施。児相のほか救命救急センターが設置されている医療機関や市区町村、小中高校を対象として行われた。 児相への調査では、全国232カ所
今も苦しむトラウマ ――小川さんはTwitterで元宗教2世としての思いをつづっていたところ、メディアの取材をきっかけに顔を出して発言するようになり、あの日本外国特派員協会での記者会見に繋がりました。顔を出して告発するというのはものすごく勇気のいることですよね。 小川さゆり(以下、小川) 顔を出し自分の声で発言したのは、子どもがいる一人の女性として、生身の人間としての自分を知ってもらわないと、問題の深刻さが世の中に伝わらないと思ったからです。 それは他にもまだいるであろう悩んでいる人たちの助けにもなりたいし、今後同様の人をこれ以上出さないためというのもありますが、自分の中にも、まだ解決されていないトラウマ的な部分があるんです。今でもたまにフラッシュバックに苦しむことがあるので、おそらく昔の自分も救いたいという思いもあってやってるんだと思います。 ――フラッシュバックの内容や場面を具体的に教
「Romanticが止まらない」などのヒット曲で人気を博したC-C-Bの元メンバー、関口誠人(64)。 2022年7月に安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、親が特定の宗教の信者である「宗教2世」の存在や、彼らが直面する問題に世間の目が向けられるようになった。そんな中、今年の春、Twitterにて、母親が“エホバの証人”の信者で、自身が2世信者だったことを明かした。 そんな彼に、教団と母から高校進学を許されなかった青春時代、ある事件をきっかけに教団から言い渡された追放処分、がんを患いながらも信仰上の理由で輸血が必要な治療を拒む母に対する思いなどについて、話を聞いた。(前後編の後編/前編を読む) ◆ ◆ ◆ 教会に通う一方で、ヤンキーとつるむ「二重生活」に ーー中学1年生で洗礼を受けたわけですが、中学では信教のことが話題に上ったりは? 小学校のときは、まわりの子たちは知っていても黙ってくれていたと
【必見】公金チューチュー「こども家庭庁」暇空茜氏が解説-「宗教2世シェルター」は憲法違反だ 「宗教2世シェルター」とは?「信教の自由」に対する侵害であり、差別だ 2024年1月19日午前、首相官邸で旧統一教会被害者支援の関係閣僚会議が開かれた。 宗教2世シェルターとは? 信者を親に持つ「宗教2世」らが住居に困った場合に一時的に滞在できるシェルターを提供するなどの支援策をまとめた。 会議の議長を務める林芳正官房長官は「今後の充実・強化策に基づき関係省庁が連携して被害者の相談を幅広く受け付け、必要な支援の取り組みを進めてほしい」と話した。 意見書を提出する「宗教2世問題ネットワーク」監事は全国弁連阿部克臣弁護士 www.cfa.go.jp そんなのは憲法違反ですよ。 https://t.co/2EKF6XWHuv — 弁護士 徳永信一 (@tokushinchannel) 2024年2月12日
大阪拘置所に勾留されている1人の被告の元に、見知らぬ人々からの手紙が寄せられている。「親の献金でお金がなくなった」「家族が壊れた」。そんな切実な思いをつづったものもある。 受取人は、安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人などの罪で起訴された山上徹也被告。差出人は、宗教の信者を親に持つ「宗教2世」の人たちだ。関係者によると、境遇が似た被告に自身の苦しみを伝える内容が目立ち、被告は返信していないものの、気にかけて読んでいるという。 宗教2世の中には、親が信じる教義に翻弄され人生を狂わされた人も多い。京都府立大准教授の横道誠さん(44)もその1人。銃撃事件の前から当事者同士の自助グループを主催し、それぞれの苦悩に向き合ってきた。 「いまだに教義の影響から抜け出せない」 当事者たちが語るトラウマに、自身の経験が重なる。事件を機に2世の存在は広く認識されたかもしれない。ただ、当事者への理解や相談の受け皿づく
1995年12月に解散命令が確定したオウム真理教の麻原彰晃・元代表(本名・松本智津夫)の娘で、かつて「アーチャリー」と呼ばれた松本麗華(りか)さん(40)が毎日新聞のインタビューに応じた。彼女の目に、「宗教2世」を巡る実情はどう映るのか。(3回に分けて報じます)【聞き手・坂根真理】 【写真】信者らが食べていた「オウム食」 ◇「特定の宗教を攻撃する口実」 取材をお受けするかどうかは迷いました。私が「宗教2世」であるという前提での取材依頼をいただいたため、その立場でインタビューにお応えするのは難しいと感じたからです。 現在、「宗教2世」という言葉が独り歩きし、社会からの差別やレッテル貼り、信仰に対する圧力、家族間の不和など、さまざまな問題を引き起こしています。 中には「確かに宗教が原因かもしれない」と思うものもありますが、社会や差別する側の問題、親や家族間の問題が、「宗教2世」という言葉でひと
さまざまな宗教2世による団体「宗教2世問題ネットワーク」は22日、キリスト教系新宗教「エホバの証人」が4月以降に大会を開く32自治体に要望書を送付した。宗教2世の児童を大会に強制参加させないことなどを求めた。 国の指針は、児童に対して就学や日常生活に支障が出るまでの宗教活動を強いることをネグレクト(育児放棄)とし、年齢に見合わない性的な表現を含んだ資料を見せることは性的虐待にあたるとしている。 エホバの証人は信者を一堂に集めて教義を伝える大規模な大会を定期的に開催。ネットワークによると、2023年度は1カ所3日間の日程で全国42カ所で実施された。教団は事前に「3日間全てに出席できるよう、先生や雇い主に大会の日付を十分前もって知らせておくとよい」とした文書を信者向けに送信していた。 教団は4月以降についても信者に同様の文書を送信しており、ネットワークは「信者である保護者の求めを拒むことは非常
巨大宗教 連鎖没落 宗教界に炎上の火種が投下されようとしている。政府が検討に入った、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求である。裁判所に認められれば、宗教法人が初めて民法の不法行為のみで法人格を剥奪されることになる。ダイヤモンド編集部は、信者数の多さや社会的認知度の高さなどを総合的に判断し「主要10教団」を選定。解散命令の影響や没落の危機にひんする巨大宗教の今を追う。 バックナンバー一覧 2世信者の多くが、結婚相手選びで悩みを抱える。そんな中、創価学会員たちはマッチングアプリ内の「学会員専用グループ」でパートナーを見つけているという。今回ダイヤモンド編集部は、このコミュニティに潜入。特集『巨大宗教 連鎖没落』(全20回)の#15では、「学会員専用グループ」の実情を明らかにするとともに、学会員に人気のグループ名を公開する。(ダイヤモンド編集部特別取材班) 結婚相手選びに悩む
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く