金融機関から寄せられた特殊詐欺防止の情報を悪用し、高齢男性から現金1110万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた京都府警元巡査長(38)=懲戒免職=に対して、京都地裁(伊藤寿裁判長)は21日、懲役5年(求刑懲役6年)を言い渡した。被害に遭った京都市伏見区の男性(78)が京都新聞社の取材に応じ、実刑判決は「当然」とした上で、「真面目で正直な警察官だと思っていたので、いまだにショックは大きい」と打ち明けた。 関東地方出身の男性は、中国地方などで土木作業員や清掃員の職を転々とし、約20年前に伏見区で居住を始めた。家族はなく、1人暮らし。「将来のために」と生活を切り詰め、生活保護費の一部も貯蓄し続けた。 「友達になってあげる」。昨年11月、金融機関で現金を引き出そうとした男性の資産状況を男性から聞き出した被告は、こう言って近づいてきた。男性は「頼れる知人もおらず、ずっと1人で生きてきた。友達が