小学校時代、私には特に印象深い男の子がいました。彼とは左利きという共通点がありましたが、彼はすぐに右手に直しました。私は左利きを通したままでした。この選択は、自分で判断し決めた初めてのことで、強く記憶に残っています。その後、彼のことが気になり続け、いつも彼との間に距離を感じていました。彼はそれほど距離を感じていないようでしたが、私はいつも距離を感じていました。もし私が右利きに変えていたらどうなっていただろうと考えることもありましたが、当時の私にとっては、ただ彼との距離を感じていることが現実でした。 学校の門を出ると、3段の階段があり、その先には生垣のある細い道が続いていました。見通しの良い平和な小道で、右手には5階建ての団地が続いていました。その道を今の年齢のまま、若い頃の彼と一緒に歩きました。戦争が激化し、徴兵の恐怖が現実味を帯びてくる中で、彼と一緒に逃げ、ホテルに宿泊しようという考えが