2024年7月20日時点での本邦のトランスジェンダー差別、とりわけノンバイナリーへの差別について一当事者の立場から書いた文章をネットの海に放流する。文中の人名は敬称略とさせていただく。文責はすべて呉樹直己にある。 ついにノンバイナリー差別が本邦のインターネットフェミニズムにおいて前景化した。差別は以前から存在していたが、ことここに至って「トレンド」として確立されたと言っていいだろう。大きな引き金となったのは2023年12月3日、アビゲイル・シュライアーの著書 “Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing our Daughters” がKADOKAWAから『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』のタイトルで出版告知されたことだ。本邦のノンバイナリー排除言説はここから飛躍的に知名度を得て、「界隈」の