北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故を受け、国土交通省は寒冷地など水温が低い海域で運航する小型旅客船を対象に、避難する際に海に入らなくてすむスライダー付きの救命いかだなどの搭載を義務化する方針を固めた。27日に開かれた有識者による事故対策検討委員会の第3回会合で案を提示し、おおむね了承された。ただ国交省によると、小型旅客船に対応したサイズでスライダー付きの救命いかだはないといい、今後国内メーカーとともに開発を進める。 現行制度上、カズワンのような小型旅客船の救命設備については、船の定員に応じた数の救命胴衣のほか、水に入った状態でつかまる板状の救命浮器か、救命いかだを備え付けるよう船舶安全法で定められている。ただ、コスト面で救命浮器を搭載する事業者のほうが多いとみられる。