去る1月22日、核兵器の開発や保有、使用を全面的に違法とする初の国際法規、核兵器禁止条約が発効した。核兵器は非人道的で違法だとする国際規範だ。国連のグテレス事務総長は「核兵器なき世界への重要な一歩」と発信した。 条約は、核兵器を巡る情勢が複雑さと不透明さを増していることへの危機感と核兵器廃絶を求める強い意志が結実したものであり、核兵器保有国をはじめ国際社会全体として重く受け止めなければならない。 前文に「被爆者の苦しみ」 本条約の前文には「核兵器使用の犠牲者(Hibakusha=ヒバクシャ)の受け入れ難い苦しみと被害に留意する」と明記された。これは、広島・長崎の被爆者に対する配慮はもとより、核兵器廃絶に向けてこれまで被爆者が果たしてきた役割の重要性を国際社会が認めたことにほかならない。非人道的兵器である核兵器の、広島・長崎につづく3度目の使用を断じて許してはならない。 一方、核保有国や核の