着色された共焦点顕微鏡画像。等脚類の体がグラシラリア・グラシリスという紅藻の生殖細胞に覆われている。(PHOTOGRAPH BY SEBASTIEN COLIN) メキシコ国立自治大学の海洋生物学者で、ミミズのような形の海のぜん虫を研究するビビアン・ソリス=ワイス氏は10年ほど前、花を咲かせる海草の研究を行う同僚と話をしていた。 「花を採集するたび、小さな動物がびっしり付いている」と同僚は言っていた。このとき、2人はなぜ小さなぜん虫やエビのような甲殻類が海草に集まってくるのか、不思議だった。もしかしたら、ハナバチやチョウのように、彼らが植物の花粉を運んでいるのだろうか? そこで、ソリス=ワイス氏らはこれらの生物が海草の受粉を担う「送粉者」ではないかと考えた。2012年、その概要を「Inter-Research Science Publisher」という学術誌に発表した。 「最初の論文発表は