東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、事故時に未成年で福島県内に住んでいた17〜28歳の男女6人が、東電に計6億1600万円の損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が7日、東京地裁(坂本三郎裁判長)で開かれた。事故当時、6歳だった県内の高校3年の女性(17)が意見陳述し「自分の考え方や性格、将来の夢もまだはっきりしないうちに全てが変わってしまった」と涙ながらに語った。(片山夏子)
TBSの番組『報道特集』(報道特集|TBSテレビ)において2022年5月21日土曜日に、『原発事故と甲状腺がん』と題する特集が報道された。 tver.jp ↑TVerで2022年5月29日土曜日まで配信されているので参照されたい。 当該特集は、福島県の原発事故を契機とする放射線曝露が甲状腺がん罹患の原因である、として起こされた裁判を採り上げたものである。この問題は、論点が多岐にわたるものであり、それを総体的に検討するのは容易で無い。したがって本記事では、特集で言及された過剰診断にまつわる福島県の立場の紹介部分にクローズアップする。 番組の視聴者の反応を拾ってみると、その中で誤報があったと指摘するものが見られる。 TBS「報道特集」。 まず、「福島県が過剰診断と主張」は明らかな誤報。 UNSCEARなど複数の国際機関や専門家が、福島の甲状腺検査の過剰診断を指摘しています。 にもかかわらず、い
2011年、東日本大震災によって、東京電力福島第一原子力発電所の事故が起きた。飛散した放射性物質による健康への影響、とりわけ子どもの甲状腺がんについての不安が広がった。同年、原発事故当時18歳以下だった全県民を対象に、福島県は超音波による甲状腺スクリーニング検査(無症状の人を対象に、甲状腺がんの疑いがある人を見つけるための検査。以下甲状腺検査)を始めた。 2014年、甲状腺検査による「過剰診断」が韓国から報告され、注目を集めた。その後、各国で同様の問題が多数報告されるようになった。甲状腺検査では、検査して発見さえしなければ、一生その人に悪さをしなかったはずのがんを見つけ出してしまうことがわかったのである。 福島の甲状腺検査でも、過剰診断の問題が指摘されている。子どもや若者への過剰診断の不利益は、通常よりも深刻である。より長い期間、しかも、進学や就職、恋愛や結婚など、人生の方向を左右する重要
KDN氏が私のツイートを「引用」して何かを主張しているが、私のツイートはKDN氏の主張を肯定するものではないばかりか、積極的に否定するものであることを明言しておく。 「おっしゃる通りで「病理像と転移の有無から過剰診断である蓋然性が高いか低いかは」もちろん判断できます。その点については私は否定していません。」https://t.co/ueguQ6InPZ— KDN (@KDNuc) April 18, 2022 議論の流れとしては、福島県医大の鈴木眞一氏が「福島での手術例に関して,過剰診断を裏付けるような術後病理結果は出ていない」などと述べたとき、その過剰診断が、がん検診の文脈で広く使用されている疫学的な意味での過剰診断なのか、それとも誤って重篤な疾患と診断する病理学的な誤診を意味するのかが論点である。 「過剰診断を裏付けるような術後病理結果は出ていない」という点から、このセンテンスにおいて
砂嵐が起き、外に干していたおむつが焼け焦げた。 豪州南部の居留地クーニバ。先住民(アボリジナルピープル)たちが奇妙な出来事を体験したのは、1953年10月のことだった。 スー・コールマン=ヘーゼルダインさん(70)は当時2歳。記憶はないが、物心ついたとき、似た出来事がその後もあったと、大人たちが話していたことを覚えている。それが、英国による核実験が原因らしいとわかったのはずっと後だ。(シドニー=小暮哲夫) 【画像】核被害 愛する人が倒れた グローバル・ヒバクシャの真実 突然、立ちこめた黒い霧 直後から異変 豪州では52~57年、英国が12回の核実験をした。冷戦後の核兵器開発競争のなかで、豪政府は実験場を探していた旧宗主国の求めに応じた。自国に対する安全保障上の保護や、埋蔵ウランの輸出などの期待があったとされる。 そのうち9回は、豪南部の砂漠地帯のエミューフィールドとマラリンガで行われた。「
目次 要 約 1章 HPV感染とがん 1.1 HPV感染 1.2 HPV関連疾患 1.3 子宮頸がんの症状・診断・治療 1章 引用文献 2章 HPV関連がんの疫学 2.1 日本のHPV関連がんの罹患・死亡の動向:子宮頸がん 2.2 日本のHPV関連がんの罹患・死亡の動向:子宮頸がん以外のがん 2章 引用文献 3章 HPVワクチンによるHPV関連がんの1次予防 3.1 HPVワクチン 3.2 HPVワクチンによるHPV関連がん予防の有効性と安全性 3.2.1 HPVワクチンによる感染予防効果 3.2.2 HPVワクチンによるHPV関連がん予防効果 3.2.3 HPVワクチンの安全性 3.3 日本におけるHPVワクチン接種の経緯・現状 3.4 HPVワクチン接種後の症状とその対応 3.4.1 HPVワクチン接種後に生じた症状:日本の事例 3.4.2 HPVワクチン接種後に生じた症状に関する診療
健康被害「考えにくい」 甲状腺がん増は検査の結果―国連、福島事故で報告書 2021年03月09日22時46分 廃炉作業が進む東京電力福島第1原子力発電所。左から1、2、3、4号機=2月14日、福島県上空(時事通信チャーター機より) 【ベルリン時事】原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は9日、東京電力福島第1原発事故について、被ばくを直接の原因とする健康被害が、識別可能な水準で確認されることは今後も「考えにくい」とする報告書を公表した。周辺地域で甲状腺がんと診断される子供が増えているのは、被ばくの影響でなく、広範なスクリーニング検査の結果とみられるという。 原発事故、復興に課題 処理水問題積み残し―改定基本方針 同委員会は甲状腺がんに関して「子供や胎児を含めあらゆる年代で、被ばくによるがんの増加が確認されることは考えにくい」と指摘。診断例が増えているのは「高精度のスクリー
ウクライナより愛をこめて① 陸路で国境を越えた [2月19日~2月25日]福島市、イスタンブール~ブカレスト~ウクライナ 金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター ウクライナより愛をこめて② 突然の空襲警報と防空壕避難 ウクライナより愛をこめて③ 「ウクライナの清志郎」に聞いた ウクライナより愛をこめて④ 雪の国境越え、赤ちゃん連れに順番を譲る人々 ウクライナ→東京→ベラルーシの移動で考えたこと 2月19日(土) 『報道特集』の生放送の日。前半はアサリの産地偽装問題のその後。これはCBC(中部日本放送)の長年にわたる調査報道の結果を『報道特集』内でおよそ1カ月前に放送したところが、国や行政が慌てて動き出して、スーパーマーケットから熊本産のアサリが消えてしまうほどの衝撃が拡がった。その続報だったが、産地偽装をきっかけに日本の食の構造の病んだ部分がどんどん露呈してきた形だ。深い話で
米首都ワシントンの議事堂ではためく星条旗(2024年12月20日撮影、資料写真)。(c)Richard PIERRIN/AFP 【1月16日 AFP】米食品医薬品局(FDA)は、合成着色料の「赤色3号(エリスロシン)」の食品と経口薬への使用を禁止する措置を決定した。米保健福祉省が15日付の連邦官報で明らかにした。赤色3号をめぐっては、動物実験で発がん性が認められるとして以前から物議を醸していた。 今回の決定は、2022年11月に米国のNPO、公益科学センター(CSPI)などが提出した請願を受けて下された。同請願が引き合いに出している「デラニー条項」では、人または動物への発がん性が認められる着色料の使用を禁じている。 FDAは赤色3号について、1990年には既に、雄のラットで甲状腺がんの誘発が認められたとして、化粧品への使用を禁止すべきと判断していた。 しかし、主に食品業界からの抵抗を受け、
東京電力福島第1原発事故を受け、当時18歳以下だった福島県民を対象にした県民健康調査で計284人(今年3月時点)に甲状腺がんか疑いが確認されている。被曝(ひばく)線量は十分に低く、国連の専門家委員会などはがん発症と原発事故の関連を否定する。甲状腺がんは健康に悪影響を与えない潜在がんが多いとされ、がん摘出に踏み切れば手術痕が残り、ホルモン剤を内服する負担を抱え、放射線が体をむしばんだと思わせかねない。検査に関わった宮城学院女子大の緑川早苗教授は「放射線による甲状腺がんの増加を心配する必要はない」と述べ、検査を受診するデメリットを訴える。緑川教授に問題点などを聞いた。(聞き手 奥原慎平) ──県民健康調査の在り方を巡る議論が膠着(こうちゃく)している 「がんと診断された子供たちが反原発の人や甲状腺を研究する人の議論の種にされ、彼ら彼女らの主義主張を正当化するため利用されているように感じる。わず
朝日新聞の「「エビデンス」がないと駄目ですか? 数値がすくい取れない真理とは」という記事が批判を浴びている。ネットではほぼ「炎上」状態である。 『「エビデンスに殴られている」 分断の道具に使われる客観性』 逆だろ逆。 「科学という棍棒で」と同様、「エビデンスで殴られた!」とかいう被害者ムーブかまして、理不尽を押し通して社会の分断を図っているのはオマエら。 このふざけた記事を24時間全文読めます。 https://t.co/AAr4ZyJOVH — 💙💛 k u r i t a 🐈⬛ 🐈 𓃭 𓃠 (@kuri_kurita) 2023年11月1日 「エビデンス」がないと駄目ですか? という朝日の記事。 ダメだよ。 エビデンスがないとき何をもって判断するのか。 権威だよ。その場の勢いだよ。暴力だよ。 くだらない話を垂れ流すな。 https://t.co/Om01qjInoq —
世間の目が「脱炭素」に集まれば集まるほど、比例するかのようにエネルギーや地下資源への関心も高まっている。そんななか、原油や天然ガス、石炭などエネルギー資源はおろか、鉄、銅、アルミニウム(ボーキサイト)といった主流の金属からレアメタル、レアアースに至るまで、ほぼ全てを輸入に頼る日本の“無資源国ぶり”に嘆き悲しむ向きもある。しかし、実は数は少ないものの、産出量で世界トップ10入りを果たす地下資源があることはあまり知られていない。 世界有数の埋蔵量を誇る地下資源 石灰石:100%自給の代表格 国内需要を100%自給できる数少ない地下資源の代表格で、2020年の産出量は約1億3000万t(石灰石鉱業協会)。ほぼ全量が国内で消費され輸入に回されるのはごくわずか。半分がセメントの原料、約2割がコンクリート用骨材(砕石や砂利)として利用される。また、1割強は製鉄所で使用され、鉄鉱石から抽出されたドロドロ
『「正しさ」の商人』(林智裕)は以前読んだのだが、まとも過ぎてさっさと読んでしまったので、じっくり読み直してみます。 (以前読んだ時の感想はこちら) まずは、脚注に大量のURLが記されているのだが、その記事のタイトルが書かれていないので読み難い+その都度手入力するのが面倒なので書き起こします。 消えてしまえそうなリンクの場合は後ろに【アーカイブ】リンクを付けています。 政府系サイト(*.go.jp 等)でリンクが切れている場合は 国立国会図書館インターネット資料収集保存事業 で探してください。 各章への内部リンク:「はじめに」、「第1章「情報災害」とは何か」、「第2章 複合的 「情報災害」と福島」、「第3章 印象操作という「引き金」」、「第4章 「情報災害」を記録するということ」、「第5章「情報災害」と、その後」、「終章 教訓は生かされるのか」、「おわりに」、「参考資料」 はじめに*1 『
ウクライナ、プリピャチ第三小学校の教室にぶら下がるガスマスク。プリピャチの人々は、チェルノブイリ原発事故の翌日に全員が避難した。(PHOTOGRAPH BY GERD LUDWIG, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 1年以上前、ロシア軍がウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)を占領したとき、両陣営は互いに相手方の無謀さと、発電所に損害を与えて原子力事故を引き起こしかねない破壊行為を非難した。現在、30年間にわたる研究開発の末、科学者らは、そうした事故が起こった場合に、被害者の体内から放射性物質を取り除くのを助ける薬の試験を進めている。 戦争や原発事故による核汚染の脅威に対し、人々は常に大きな恐れを抱いてきた。1986年のチェルノブイリ原発での悪名高い炉心溶融(メルトダウン)事故では、急性放射線中毒による死者28人のほか、避難民35万人、甲状腺がん患者数千人とい
岸田総理が攻勢に出た ランキング参加中社会 岸田総理「二次避難は行政で手配し避難者の方に負担はありません」 ラサール石井の二次避難に避難者の費用負担が生じるというデマ 被災者・避難者に誤情報・誤認識が広がると命と健康の危険 「攻勢」に出るようになった政府自治体:デマ情報撃退の情報発信強化 岸田総理「二次避難は行政で手配し避難者の方に負担はありません」 二次避難について誤解を招きかねない、事実に基づかない投稿が散見されていますが、二次避難先は行政で手配しており、避難者の方にご負担いただくことはありません。 その他の誤情報も散見されます。 影響の大きいアカウントだから正しいとは限りません。 公共機関等からの情報の確認をお願いします。 — 岸田文雄 (@kishida230) 2024年1月13日 悪質な虚偽情報は決して許されません。 政府として今後も情報発信に努めますが、国民の皆さんには虚偽情
加藤文宏 その言葉は聞いたことがあっても 「福島県の甲状腺検査」という言葉を聞いたことがあっても、多くの人にとってはよくわからないか、定期健康診断のようなものと感じるのではないでしょうか。 筆者は関東在住ですが、「福島県の甲状腺検査」がどのようなものか理解している人は周囲に多くありません。とくに「甲状腺検査と過剰診断」と言われると、途端に面倒くさい印象になり、踏み込んで情報を得たり考えたりすることがためらわれるようです。 なぜためらわれるのか。ある人は「原発事故のややこしい話題ではないのか。政治とか、地方独特のしがらみとか、ありそうだ」と言いました。別の人は「検査や診断が過剰なんておかしい。おかしな面倒な話には関わりたくない」とうんざりした表情を浮かべました。 私たちが知らなかったこと 「原発事故のややこしい話題ではないのか」と思えば腰が引けて当然かもしれません。甲状腺検査は、たしかに福島
都内で開かれた集会で「原子力発電ゼロ」を唱える(左から)鳩山由紀夫、小泉純一郎、菅直人の3元首相=2021年3月11日、東京・永田町の憲政記念館(奥原慎平撮影) 自民党は4日、外交部会や環境部会などの合同役員会を党本部で開き、小泉純一郎、菅直人両氏ら5人の元首相が欧州連合(EU)の欧州委員会に「東京電力福島第1原発事故の影響で多くの子供が甲状腺がんに苦しんでいる」などとする誤った見解を書簡で送付したことに関し、5人を非難するとともに風評の払拭に向けて政府に情報発信強化を求める決議案をまとめた。党内手続きを経て、政府に申し入れる方針。 決議案は、5人の元首相に対し「科学的知見に基づかない誤った情報を世界に流布するものであり、無責任な行動と断じざるを得ない」と強調。「いわれのない差別や偏見を助長することにつながりかねない」と指摘した上で、政府に「科学的知見に基づく正しい情報の国内外への発信の強
比類なき輝きを放つ作品群を遺すとともに、「脱原発」など社会運動にも積極的に取り組んだ無二の音楽家、坂本龍一。その多面的な軌跡を「時代精神」とともに描き出す佐々木敦さんの好評連載、第2回の公開です! 坂本龍一は、1952年1月17日、東京都中野区に生まれた。父親は河出書房/新社の文芸編集者だった坂本一亀、母親は帽子デザイナーの坂本敬子。龍一はひとりっ子である。 両親と幼少時の思い出を坂本龍一は何度か語っている(『音楽は自由にする』2009年、『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』2023年、吉村栄一が坂本に長期間にわたりインタビュー取材を行って著した『坂本龍一 音楽の歴史』2023年、など)。 1 近くて遠い存在だった父親 三島由紀夫の『仮面の告白』(1949年)を始めとして、埴谷雄高、高橋和巳、野間宏、椎名麟三、井上光晴、中村真一郎、小田実、丸谷才一、いいだ・もも、辻邦生など戦後文学の重要作
Metaのファクトチェック廃止とその背景 Meta(旧Facebook)のCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は2025年1月7日、外部のファクトチェック団体との提携を終了し、ユーザー参加型の仕組みへの転換を発表した。同氏は「(提携してきたファクトチェック団体について)政治的に偏りすぎており、信頼をつくりだす以上に破壊してきた。私たちは原点に戻り、誤りを減らし、ポリシーを簡素化し、私たちのプラットフォームで自由な表現を取り戻すことに集中します」と、ファクトチェック団体のイデオロギー偏向が理由であることを明言した。 同社グローバル渉外部門のトップを務めるジョエル・カプラン氏も7日のブログ投稿で、「何をどのように事実確認するかという選択において」ファクトチェッカーのバイアスが見られたとし、「あまりに多くの正当な政治的議論が封じられていた」とも述べている。 https://news.yahoo.co
東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、事故時に未成年で福島県内に住んでいた17〜28歳の男女6人が、東電に計6億1600万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、東京地裁(馬渡(もうたい)直史裁判長)で開かれた。原告の20代女性が意見陳述し、肺への転移などで手術を2度受け、大学を中退せざるを得なくなったと説明した。 女性は傍聴席から遮蔽(しゃへい)された証言台で、自らの思いをつづった文章を約15分間読み上げた。中学3年で原発事故に遭い、その後、甲状腺がんが見つかったという。「病気になってから治療を最優先してきた」と大学を中退した理由を語り「本当は卒業したかった。かなわぬ夢になったが、どうしても諦めきれない」と声を震わせた。...
前回までの記事『風評対策の機能不全、発信を弱体化するレトリック』前後編で指摘したように、日本の各専門家らは「風評加害」に対する公的なコミットメントが弱すぎた。 そればかりか、貴重な情報発信や伝達をむしろ弱体化させ、問題の温存・長期化を助長した可能性さえ示唆されている。 科学に背を向けた専門家 しかし、事態はそれだけに留まらない。専門家や学識者の一部には正確な情報発信や伝達を露骨に妨害したり、科学的に明らかな誤りを平然と発信・擁護する動きまでも相次いだ。 今年の4月6日、夏から本格化予定のALPS処理水(以下処理水)の海洋放出に対し《世界平和アピール七人委員会》が大石芳野、小沼通二 池内了、池辺晋一郎、髙村薫、島薗進、酒井啓子諸氏という権威ある学識者たちの連名で『汚染水の海洋放出を強行してはならない』との声明(日本語版と英語版)を発信した注1)。 世界平和アピール七人委員会とは1955年に平
教育を目的とした科学的な分野のビデオを作成しているYouTubeチャンネル「Kurzgesagt」が、「原子力発電は何人の人々を殺したのか?」という題材について解説しています。 Sources – How Many People Did Nuclear Energy Kill? https://sites.google.com/view/sources-nuclear-death-toll/ How Many People Did Nuclear Energy Kill? Nuclear Death Toll - YouTube 1951年12月20日、アイダホ州の原子炉「EBR-I」が世界で初めて稼働に成功し、4つの電球を点灯させて原子力の歴史に新しい時代をもたらしました。しかしこの日以来、世界中で約30件の原子力事故が発生することとなります。 原子力事故は、事故によって放出された放射性
(1から続く) ■「安全」ではなく「分からない」が正確な表現 韓国の原子力安全法は、人が住めない制限区域を原子炉の半径560メートルや700メートル(軽水炉)、914メートル(重水炉)に設定している。その区域では居住が禁止され、原子炉運営や教育・訓練目的の一時的滞在だけが許される。原発の最も近くに住んでいる住民たちは、この境界線のすぐ外で365日24時間を過ごしている。 原発のある米国、カナダ、フランス、日本のような国々は、制限区域のほかに追加の緩衝区域を設けるか、住居地から遠く離れたところに原発を建設する。そのため、原発周辺の甲状腺がん患者がどれだけいるかを調査した事例もない。米国とベルギーでそれぞれ研究を行ったことがあるが、研究期間も短く、追跡調査がなされなかった。周辺の住民がほとんどいないため、韓国のような甲状腺がんをめぐる裁判もない。 福島も第一原発の水素爆発の際、半径30キロ圏の
リンク rsf.org Japan Reporters sans frontières assure la promotion et la défense de la liberté d'informer et d'être informé partout dans le monde. L'organisation, basée à Paris, compte des bureaux à l'international (Berlin, Bruxelles, Genève, Madrid, Stockholm, Tripoli, Tunis 8 users 175 Chihiro Nakayama @cnakayama1958 この変なランキングは「国境なき記者団」日本特派員のフィクサー瀬川牧子氏が20人の投票者を選ぶらしいが、この仕組みと人選が全く報道されてない。これこそ「報道の自由」に
余剰発見とは まずおさらい。余剰発見(過剰診断)は、 症状や死をもたらさない疾病を生前に発見する事 を指します。症状をもたらさないものを見つけるのだから、無症状の時に見つけるのが必要条件です。無症状時に疾病を見つけて対処する事を検診と言います。では、 検診で発見されたものの内、余剰発見の割合はどうしたら解るでしょうか。なるべく正確に把握するのを目指します。大まかには2つに分けられます。 余剰発見割合の測りかた まず1つは、 検診群と非検診群でRCTをおこない、全員が死亡するまでフォローアップする 方法です。RCTは、各群を同質の集団にするような確率的操作です。そして、検診と非検診の群で比較します。そうして、発見割合の差を見れば、それが余剰発見と看做せます。 もう1つは、 検診をおこない、発見されたもの全てに対し、症状が出るまで処置をおこなわずに、全員が死亡するまでフォローアップする やりか
東京電力福島第1原発事故を受け、当時18歳以下だった福島県民を対象にした県民健康調査で計284人(今年3月時点)に甲状腺がんか疑いが確認されている。被曝(ひばく)線量は十分に低く、国連の専門家委員会などはがん発症と原発事故の関連を否定する。甲状腺がんは健康に悪影響を与えない潜在がんが多いとされ、がん摘出に踏み切れば手術痕が残り、ホルモン剤を内服する負担を抱え、放射線が体をむしばんだと思わせかねない。検査に関わった宮城学院女子大の緑川早苗教授は「放射線による甲状腺がんの増加を心配する必要はない」と述べ、検査を受診するデメリットを訴える。緑川教授に問題点などを聞いた。(聞き手 奥原慎平) ──県民健康調査の在り方を巡る議論が膠着(こうちゃく)している 「がんと診断された子供たちが反原発の人や甲状腺を研究する人の議論の種にされ、彼ら彼女らの主義主張を正当化するため利用されているように感じる。わず
福島第⼀原⼦⼒発電所事故後に始まった当時18歳以下の福島県民の甲状腺検診で,予想を数⼗倍上回る甲状腺がんが検出された。そして今年,事故を起こした東京電力を相手に東京地裁に訴訟が提起された。原告は事故当時6歳から16歳の甲状腺がん患者である。 この訴訟について因果関係⽴証の困難さを指摘する声もあるが,環境保健で因果関係を専⾨とする者にとっては,科学的因果関係の⽴証がこれほどシンプルな事例は珍しい。過去の医学研究の知見,発がん物質の知識,エビデンスなどが揃っている。通常の数⼗倍という多発は福島県の県民健康調査検討委員会(検討委員会)も認めており誰も疑っていない。チェルノブイリ原発事故後も著しく多発した⼩児甲状腺がんは,放射性ヨウ素への被ばくが唯一の原因として知られ,放射性ヨウ素への被ばくで小児甲状腺がんは多発する。今回の過酷事故では広範囲に放射性物質が拡散し,自然に存在しない核種が⾸都圏から西
東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時子どもだった6人が東京電力に賠償を求めている裁判が、26日から始まりました。 11年前、福島第一原発事故が起きたとき6歳から16歳だった6人は「当時福島県内に住んでいて、原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになった」と主張して、東京電力に6億円余りの損害賠償を求めています。 事故のあと、福島県が行った検査などで甲状腺がんと診断され、甲状腺の摘出や、生涯にわたるホルモン治療などを余儀なくされているということです。 26日から東京地方裁判所で裁判が始まり、原告側の弁護士は「国の研究機関の統計をもとに計算すると、子どもの甲状腺がんは2007年までの10年間の平均で年間100万人に1人から2人しか発生していないが、福島では、事故後のおよそ10年で少なくとも合わせて293人確認されている」などとして「がんは事故による
『「やさしさ」の免罪符 暴走する被害者意識と「社会正義」』(林智裕)の脚注・参考資料集です。 ※「事実を整える」の Nathanさんと共同作業で作りました 消えてしまえそうなリンクの場合は後ろに【アーカイブ】リンクを付けています。 政府系サイト(*.go.jp 等)でリンクが切れている場合は 国立国会図書館インターネット資料収集保存事業 で探してください。 ジャンプ:はじめに、第1章 被害者文化という侵略者、第2章 処理水海洋放出と情報災害、第2章 コラム、第3章 海外からの加害行為、第4章 風評加害との対峙、第4章 コラム、第5章 「やさしさ」は福島のためか、第6章 はずれた予言がもたらすもの、終章 能登半島地震と情報災害、おわりに、謝辞、参考資料 はじめに*1 【北海道・大千軒岳】「友だちでした。何も言えない」クマに襲われたとみられる遺体北大生と判明…水産学部長「志半ばの若い命が失われ
新聞やテレビの記者たちは、そもそもどんなリスク観や価値観に従って取材し、記事を書いているのか。確かに興味深いテーマだが、実はこのテーマに関して、しっかりと調べた学術的な研究調査はないように思う。今回は、私の体験に基づく論考だが、理系の科学者とは相当に異なるリスク観に基づいて、記事を世に送っていることだけは確かである。 記者たちのリスク観を知るのにちょうどよい素材がある。子宮頸がんなどを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンをめぐる報道だ。HPVワクチンは2013年4月から無料で受けられる国の定期接種になったものの、ワクチンの接種後に「全身の痛み」などの諸症状を訴えた女子たちが現れたため、わずか2カ月後に国は「積極的な接種の推奨を中止する」との判断をくだした。これをきっかけに接種率は約8割から1%以下に激減した。 なぜ、こうも激減したのか。新聞やテレビがワクチン接種の危険性を煽った
健康番組で紹介された品が、翌日のスーパーからゴッソリなくなるという話はよく聞きます。メディアの影響は医療現場にも及ぶもので、有名人ががんを公表したり、「○○検査でがんが見つかった」などと紹介されると、関連の医療機関が一気に賑わうというのはよくあることです。ある種のブームです。 すると、ある特定の病気について検査件数がグーンと伸び、追って「その病気である」と診断を受ける方がグググーンと伸びることがあります。こうしたブームが発生すると、検診を研究している立場としては「これは過剰診断ではないか」とちょっと身構えてしまいます。 国家総出で「がん検診」を盛り上げた韓国 お隣の国、韓国は長く検診後進国といわれていました。そこで政府主導でメディアも巻き込んだ乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肝臓がんの検診が始まったのが1999年のこと。そのとき、オプションとして甲状腺がん検診も受けられることになりました。
UNSCEAR2020年報告公表――「福島の住民の放射線被ばくの健康影響は今後も考えられない」「甲状腺検査による過剰診断を指摘」 基礎知識 「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCEAR)は、2021年3月9日、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」)の影響に関する報告書(UNSCEAR 2020 Report)を公表しました。(正式タイトルは「2011年東日本大震災後の福島第一原子力発電所における事故による放射線被ばくのレベルと影響:UNSCEAR2013年報告書刊行後に発表された知見の影響」) UNSCEARは、放射線が人や環境に及ぼす影響についての重要な事項を網羅的に調べて、国連に報告する役割を担っています。IAEAなどの国際機関や各国は、この報告をもとにガイドラインや法律などを作ります。 UNSCEARは、2013年に福島第一原発事故の報告書をつくり
原発事故を受けて避難指示が出た地域の、子どもの被ばく線量は、国連の機関が報告している推計よりも大幅に低かったとする研究結果を、専門家グループが発表しました。 これは15日、県の甲状腺検査に関する専門家の部会で、鈴木元部会長が発表しました。 鈴木部会長などの研究グループは、避難指示が出た7市町村の住民およそ900人の事故直後の行動記録を解析し、市町村ごとに複数の代表的な行動パターンを仮定しました。 そして、放射性物質の拡散や沈着、食品中の放射性物質の量などに関する最新のデータを考慮して、甲状腺の内部被ばく線量を推計しました。 その結果、事故当時1歳だった子どもの平均的な被ばく線量は1.2ミリシーベルトから15ミリシーベルトとなり、国連原子放射線影響科学委員会=UNSCEARが推計した15ミリシーベルトから83ミリシーベルトに比べ、大幅に低くなりました。 県の甲状腺検査で見つかった甲状腺がんと
福島の甲状腺検査と住民の健康を本当に見守るために/上 自分の「ものさし」を持つということ――緑川早苗氏インタビュー 服部美咲 フリーライター 東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下福島第一原発事故)の後、事故当時18歳以下だった全県民を対象に、超音波機器を使って甲状腺がんの有無を調べる検査(甲状腺がんスクリーニング。以下甲状腺検査)が行われている。 この甲状腺検査には、過剰診断(検査で見つけなければ一生症状を出さず、治療の必要がなかった甲状腺がんを見つけること)をはじめ、複数の問題があるという指摘がある。 甲状腺がんスクリーニングは、受診者へのメリットが少ない一方で、過剰診断などの不利益があることから、国際的に、たとえ原子力災害の後であっても、実施すべきでないとされている。しかし、原発事故後の福島では、今なお甲状腺検査は続き、すでに10年目になる。 福島の甲状腺検査の中心的業務に、検査が
フランス、英国、米国の原子力施設作業従事者約31万人が参加した国際原子力労働者研究(INWORKS)の調査結果が2023年8月に更新された。累積線量が0-100mGyおよび0-50mGyでも、被ばく線量と固形がんの死亡率に正の相関があることが示された。https://www.bmj.com/content/382/bmj-2022-074520 国際原子力労働者研究(INWORKS)とはINWORKSは 長期にわたる低線量被ばくが、がんのリスクに及ぼす影響を評価することを目的としている。 2023年8月、BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)に、国際がん研究機関(IARC)、アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH)、英国保健安全保障庁、フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)、バルセロナ・グローバルヘルス研究所(ISGlobal)などの研究者によってに新たな更新結果
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