『公研』2020年9月号「対話」 待鳥 聡史・京都大学大学院法学研究科教授×清水 唯一朗・慶應義塾大学総合政策学部教授×善教 将大・関西学院大学法学部准教授 平成の政治改革は、立法・行政・司法さらには地方分権や中央銀行などにまで及ぶ大改革だった。この変革を通じて、日本社会そして我々の政治への意識はどのように変貌したのだろうか。平成の30年間を振り返りながら、日本の統治システムを考える。 平成の政治改革は明治維新、戦後改革に匹敵する大改革である 清水 今日は、平成の30年間におこなわれた一連の政治改革をあらためて振り返りたいと思います。この改革を経て日本の政治システムはどのように変革されたのか、あるいは有権者の政治意識はどのように変化したのか──こうしたポイントについて3人で考えていければと思います。ちょうど今年の5月に待鳥先生が『政治改革再考──変貌を遂げた国家の軌跡』を出版されましたので