軽乗用車のスズキ・アルトを電気機関車のようにしてしまった「猛者」がいる。発車の“儀式”を体験できるように、本物のATS(自動列車停止装置)鳴動部品とプロ仕込みの回路図でカスタマイズした。 運転席に乗り込んでシートベルトを締め、指さし確認しながらスイッチ動作を繰り返すと、装置の作動音やチャイムが鳴り響く。そしてブレーキペダルから足を離すと、「プシュー」という空気ブレーキ排気音とともに、クルマが動き出す。 目を閉じて音だけ聞いていると、まさに電車のそれだ。 この風変わりなアルトのオーナーは、幼い頃からの鉄道好きという都内在住の会社員「アルタラボ」さん(24)。 「アシグルマ」として割り切って5年前に買った中古のHA36型アルトに、ネットオークションで集めた実車の廃品を組み込んでいった。鉄道テーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」(群馬県安中市)での電気機関車「EF63」の運転体験から着想を得た。 カ