東京大学や京都大学などが、幻の粒子と言われる「マヨラナ粒子」が存在する証拠を見つけたと報告した。約90年前に存在が理論的に示されたが、まだ見つかっていない。実在すれば、計算エラーの少ない量子コンピューターの開発につながる可能性がある。マヨラナ粒子は1937年、イタリアの物理学者エットーレ・マヨラナによって理論的に提唱された。一般的な粒子には重さなどは全く同じで、電気的に反対の性質を持つ「反粒子
2024年4月17日 東京大学 発表のポイント いくつもの物質相が競い合う量子多重臨界現象を、典型的な4f原子からなる磁性絶縁体のモデルである、量子スピンジグザグ鎖において発見しました。 リフシッツ点や多重臨界点は、物質相がせめぎあいながら形成されかかったぎりぎりの状態です。1970年代にメタ磁性体とヘリウム液体など、相互作用の競合するフラストレートした古典系を中心に活発に研究されましたが、その後、特に量子多重臨界点が見いだされた例は、実験と理論ともにまだわずかです。 量子多重臨界点で厳密解が簡便に求められるモデルを提示しました。これは数値デモ実験や量子シミュレーションのプラットフォームを提供することにつながります。 図1:量子リフシッツ多重臨界点を示す絶対零度の相図 横軸のフラストレーション効果はジグザグ方向の相互作用の強さが一様であるほど強くなる。縦軸のΓ項は実際の物質では他の相互作用
最新のテクノロジーや深い科学知識を物語に取り入れると、読者の興味や知識欲を刺激することができるため、面白い物語を展開できます。しかし、テクノロジーや科学を創作に取り入れる際には注意すべき点があり、理想的なスタイルはどのようなものかについて、心理療法士兼作家のヤエル・ゴールドスタイン氏が解説しています。 Yael Goldstein-Love on Elegantly Weaving Science into Fiction ‹ Literary Hub https://lithub.com/yael-goldstein-love-on-elegantly-weaving-science-into-fiction/ ゴールドスタイン氏の父親は量子力学の基礎を専門とする物理学者であり、その影響もあってゴールドスタイン氏は、出産の際に死の危険性があった子どもに対して生きていると同時に死んでいる重
光量子コンピュータをつくるためにどうしても必要なのに、理論のアイデア発表から20年以上、誰も成し得なかった「掛け算」。「私たち実験屋は理論屋の提案を見て、こんなのどうやったらできるんだ?と頭を悩ますのです」と、どこか嬉しそうに語る阪口 淳史 特別研究員が、この「掛け算」を可能にする光の量子状態の測定を成功させました。これで、必要な技術の準備が整い、いよいよ実際のマシンの製作が始まろうとしています。 「光」に秘められた可能性 量子コンピュータの計算能力はどのくらいすごいのだろうか。「問題の規模にもよりますし、誰も確かめた人はいませんが」と前置きしてから、「『富岳』のようなスーパーコンピュータで、宇宙が終わるまでの時間をかけてもできないほどの膨大な計算問題も、現実的な時間で計算できます」と阪口 特別研究員。 超伝導、光、イオントラップ、シリコン…。量子コンピュータにはさまざまな方式がある。20
スマホも量子で超高速充電? 量子電池の可能性2024.06.23 22:3014,010 Isaac Schultz - Gizmodo US [原文] ( 福田ミホ ) 量子コンピューターだけじゃない、量子物理学の広がり。 今我々が日々使ってる電池は、224年の歴史を経て進化してきました。一番最初の電池はイタリアの科学者・アレッサンドロ・ボルタが作った、金属板と塩水漬けの布を何重にも重ねたものでしたが、現代のそれはクッキーくらいの大きさで、数日使えるほどの電力が収まります。 でも、今ある電池にも限界があります。その限界を突破するためにはどんな技術的課題があり、それが解決されるのはいつでしょうか? 未来の電力貯蔵のあり方は何でしょうか? 今世界では何人もの科学者が、量子物理学を使ってその答えを探そうとしています。量子物理学を使った電池技術の確立には長い道のりがありそうですが、千里の道も一歩
量子コンピューターの初歩の初歩を説明します。数学的準備を最低限に留めるため、簡略化した表記法を採用して、基本原理の直観的理解を目指します。前提とするのは 2 進数のビット演算と中学数学で、量子力学の知識は前提としません。blueqat ライブラリによる検証法も説明します。 シリーズの記事です。 量子コンピューター超入門 ← この記事 量子コンピューター超入門2 一般的な表記法 はじめに 量子コンピューターは革新の可能性を秘めた分野です。しかしながら、量子力学に基づくため、その動作原理を理解するのは容易なことではありません。 量子力学では複素数による確率振幅の重ね合わせ、量子もつれ、測定による量子状態の収束など、古典物理学とは全く異なる概念が導入されます。これらを厳密に記述するには、大学レベルの数学が必要になります。こうした複雑さは量子コンピューターを理解する上で障壁となります。 本記事では
量子コンピュータの実現に向け、東京大の古沢明教授らのグループが9月にも会社を設立する方針であることを明らかにした。量子コンピューターで課題となっていた、計算エラーを訂正する画期的な技術を開発し、1月18日(日本時間19日)に米科学誌サイエンスに論文が掲載された。この成果により、必要な技術開発に目途が立ったため、起業するという。 量子コンピュータの計算エラーを訂正する新技術について発表する東京大の古沢明教授(右)と、新しく設立する会社の最高技術責任者(CTO)となる予定のアサバナント・ワリット助教=2024年1月18日、東京都文京区の東京大(松田麻希撮影) 量子コンピュータは、情報の基本単位となる「量子ビット」を使って、特定の用途でスーパーコンピュータより大規模で高速な計算ができると期待されているが、量子ビットは外乱に弱く計算エラーが発生しやすい。計算エラーを防ぐには、膨大な数の量子ビットを
本記事は、当社オウンドメディア「Doors」に移転しました。 約5秒後に自動的にリダイレクトします。 ブレインパッドは、LLM/Generative AIに関する研究プロジェクトを立ち上げ、この「Platinum Data Blog」を通じてLLM/Generative AIに関するさまざまな情報を発信をしています。 本記事から週に1回程度の頻度で、社内で実施している生成AI・LLMに関する論文レビュー会の内容をピックアップのうえ配信していきますので、ぜひご期待ください。 今回は、LLMの学習や推論の効率化・高速化に関する4つの技術論文をご紹介させていただきます。 目次 LLM論文レビュー会とは 今回のテーマ A Survey of Quantization Methods for Efficient Neural Network Inference 選定理由 論文概要 量子化の基本的な手
[記事公開]深津 x けんすう x 尾原 の未来会議「生成AI後、生き残るコンテンツ〜Vision Proの本当の変革って?」(前編) (12684文字/約25分で読めます) 2/5に実施した 深津さん x けんすう x 尾原 の未来会議「生成AI後、生き残るコンテンツ〜Vision Proの本当の変革って?」の記事化です。 (動画リンクはメンバーの方が見れる文末にあります) [超要約] 深津、けんすう、おばらによる未来鼎談では、GPTの日常業務への応用、ディープフェイク技術のリスク、AIの進化がもたらす未来について議論。量子コンピュータの進歩がエネルギー問題解決に寄与し得ること、そしてテクノロジーが社会や価値観にどのような影響を与えるかが話題に。ポピュラーカルチャーとしての「ワンピース」を例に、テクノロジーと物語が人類の未来にどう関わっていくかを探究しています。 ─────── ▼GPT
元台湾デジタル担当大臣であるオードリー・タン氏と、彼女と「プルラリティー(Pulrarity)」という新しい概念における書籍を書いた米国の経済学者グレン・ワイル氏のミートアップに参加させてもらった。Code for Japan代表理事であり一緒にDig DAOを進めている関治之氏に誘ってもらった貴重な機会だ。シンギュラリティーという未来ではなく、私たちには多様な未来が待っている。このシンギュラリティーに意義を唱える概念がプルラリティーなのであるが、私たち市民が一人一人参加しながら社会を作る台湾の事例をもとに話が進み市民参加の社会は実現できそうなワクワク感に満ちたミートアップだった。さまざまな社会参加デザインが大切となるがそのヒントをいくつか紹介したいと思う。 ※ミートアップの2時間後に書いたので興奮が先行して詳細までかけてないところもあることをご了承願いたい。ただ、オードリー・タン氏、グレ
こんにちは、@snuffkinです。 普段は、大阪大学で量子コンピュータ・システムを作ったり、運用したりしています。 趣味で、オープンソースの量子コンピュータ・クラウドを開発したり、実機を使ったサービスを4年くらい運用しています。 量子コンピュータがシステム化される時代になった 今年は「国産量子コンピュータ元年」とも言われており、国内の研究機関・企業が中心になって3台の量子コンピュータがクラウド公開されました。メディアで報道されたこともあり、もしかすると、ご存じの方もいるかもしれません。 それぞれのプレスリリースへのリンクを貼っておきます。 初号機 2号機 3号機 実用化はまだ先ではあるものの、量子コンピュータがシステム化される時代になりました。 量子コンピュータを実用化するには、実験装置ではなく、システムとしてユーザに提供する必要があります。 そのために、量子コンピュータ・システムの開発
EXTREME SCIENCEはこれからもサイエンスの専門家をゲストに迎えます。チャンネル登録をしてお待ち下さい。 https://youtube.com/c/PIVOT公式チャンネル <目次> 0:00 ダイジェスト 2:14 「人工生命のはじまり」をここから 14:03 人工生命の思想 23:52 複雑系科学の現在 32:48 LLMと複雑系 46:00 AI時代の研究と論文 56:05 アンドロイド「Alter」 1:16:56 シンギュラリティはもう来ているのか 1:19:31 オープンイノベーションの集団的知 1:26:14 意識は作れるか 1:35:35 視聴者へのメッセージ <出演> 茂木健一郎|脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所 研究員 東京大学大学院理学研究科で博士号を取得。クオリアを中心テーマに、脳科学や心の理論、自由意志など様々な領域の論考や著作を多数発
これからも学びの多いコンテンツを毎日配信していきます。チャンネル登録をしてお待ち下さい。 https://youtube.com/c/PIVOT公式チャンネル <目次> 0:00 ダイジェスト 3:55 たくさんの異なる宇宙があればいい 27:00 宇宙を泡として見る 40:32 もう1つの宇宙 41:22 この世界はシミュレーションか? 48:02 パラレルワールドとは何か 50:20 理論物理学の今 1:01:41 時間軸を止めるべき理由 1:04:28 日本と米 研究スタイルの違い 1:13:10 宇宙の終わり 1:16:24 意識と物理学 <ゲスト> 野村泰紀|物理学者 米カリフォルニア大学バークレー校教授。 東京大学で理学博士号を取得。フェルミ国立加速器研究所やローレンス・バークレー国立研究所などを経て現職。著書に「マルチバース宇宙論 私たちはなぜ<この宇宙>にいるのか」や「
データによる技術分析や未来予測などを提供するアスタミューゼ株式会社。「破壊的イノベーションはどこから生まれるのか」をテーマとしたセミナーに、同社社長の永井歩氏が登壇。新規事業の創出に取り組むビジネスパーソンに向けて、ビジネスやテクノロジーの未来を推定するカギを語りました。 なぜ未来予測は難しいのか? 永井歩氏:今日のメインテーマは「イノベーションはどこから起きるのか」ということで、「未来の推定」について丁寧にお話しさせていただければと思います。 なぜ「未来予測/把握」は重要で難しいのか。私たちは18年間未来予測やイノベーションに取り組む中で未来予測の難しさを散々感じてきました。 それはなぜか。やはり「今の延長線上に未来があってほしい」という思いがあるから。今があって、今の延長線上にいくつかのパターンを作って、「どれがくるだろう」とシナリオを描きますが、実際はまったく違う方向から突然違う未来
日米韓の大学などが量子コンピューター分野の人材育成で連携協定を結び、エマニュエル駐日米大使と尹徳敏(ユン・ドンミン)駐日韓国大使が12月14日、都内の米大使公邸で開かれた記念式典に参加した。エマニュエル氏は、8月の日米韓首脳会談で経済・技術分野の関係強化が打ち出されたことを念頭に、「3カ国にとって大きな前進だ」と述べて協定締結を称賛した。 協定では、慶応大や東京大、米国のシカゴ大、韓国の延世大、ソウル大の5大学が参加し、今後10年で計4万人の優れた人材を育成することを目指す。米IBMが技術面で協力する。 エマニュエル氏は、科学技術や産業競争力を左右する量子コンピューターなどの最先端分野で、「熟練した人材を確保」する重要性を指摘。「今日は米国と同盟国には良い日だが、(競合相手の)中国にはそうではない」と話した。 尹氏も「米国と日本、韓国が協力すればハイテクと先端科学の分野で最大の相乗効果が得
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2021年1月14日公開の「「加速するテクノロジーの融合」によって あらゆる格差はなくなり、すべての社会問題は解決できるのか?」です(一部改変)。 ****************************************************************************************** 「世界はどんどんよくなっているのか、それとも、どんどん悪くなっているのか?」この問いがいま、深刻な思想的対立を引き起こしている。世界がどんどんよくなっているのなら、その流れを加速させればいい。どんどん悪くなっているのなら、体制(システム)を根本的につくり変える必要がある。どち
EXTREME SCIENCEはこれからもサイエンスの専門家をゲストに迎えます。チャンネル登録をしてお待ち下さい。 https://youtube.com/c/PIVOT公式チャンネル <目次> 00:00 ダイジェスト 02:07 アヒルの先生 05:10 科学的思考を身につける 09:57 オートファジーとは何か 22:03 「リサイクルする」オートファジー 25:58 ①栄養を得る 27:30 ②細胞の新陳代謝 34:22 ③有害物の除去 40:00 老化の不思議 47:28 大隅良典氏との出会い 54:24 健康とオートファジー 1:10:23 オートファジーが睡眠の質を左右する? 1:17:03 科学リテラシーが必須の世の中 1:26:30 吉森研究室の研究スタイル 1:36:03 高校生も研究できる環境 <出演> 茂木健一郎|脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所
サイクオンタムは今後10年以内に、シカゴに最大100万キュービットの光量子コンピューターを構築する計画を発表した。超伝導方式よりもコストが低くなり、スケールアップも容易になるという。 by Sarah Ward2024.07.31 5 この記事の3つのポイント サイクオンタムは米国最大の量子コンピューティング施設を建設する 同社は100万量子ビットの量子コンピューターの設置を目指している 同社のコンピューターは光子でキュービットを作り従来より高温で動作可能という summarized by Claude 3 量子コンピューティング企業のサイクオンタム(PsiQuantum)は7月25日、米イリノイ州と提携し、米国最大の量子コンピューティング施設を建設すると発表した。 カリフォルニア州に本社を構える同社は、今後10年以内に最大100万量子ビット(キュービット)の量子コンピューターをこの施設に
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー)、理事長: 徳田 英幸)は、国立研究開発法人理化学研究所(理事長: 五神 真)、東京理科大学(学長: 石川 正俊)、東京大学(総長: 藤井 輝夫)と共同で、量子コンピュータに最適な量子ゲートシーケンスを確率的探索手法を用いて迅速に探索する技術の開発に初めて成功しました。 量子コンピュータにタスクを実行させるには、コンパイラを使い、プログラミング言語で書かれた命令を量子ビットへのゲート操作で構成されるシーケンスに変換する必要があります。私たちは、最適制御理論(GRAPEアルゴリズム)を網羅的探索に応用して、理論的に最適なものを特定する手法を開発しましたが、量子ビット数が増えるに従い、可能な組合せの数が爆発的に増えるため、網羅的探索が不可能となります。例えば、6量子ビットで構成される任意の量子状態を生成するタスクに対して、もし、網
米Microsoftと同社が支援する米量子技術企業Quantinuumは4月3日(現地時間)、量子コンピューティングでノイズを削減する画期的な技術を開発したと発表した。 Quantinuumの32量子ビットプロセッサ「H2」と、Microsoftの新しい量子ビット仮想化システムを使用することで、1万4000件以上のインスタンスをノーエラーで実行できたという。 ノイズとは、量子計算のエラーにつながる内部および外部の干渉を指す。温度の変化、外部電磁場、量子デコヒーレンスなどの課題を適切に克服しない限り、量子コンピュータの性能を発揮させるのは困難とされている。 両社は新システムで、物理エラー率よりも800倍優れた論理エラー率を示す論理量子ビットを実証した。 Microsoftは、「これにより、現在のノイズの多い中間スケール量子(NISQ)レベルから、レベル2の回復力のある量子コンピューティングに
電気回路を用いたブラックホールレーザーの理論を構築することに成功しました。 このレーザーを用いれば、ホーキング輻射(注1)の存在を明らかにすることができます。 また、このレーザーは非古典的な性質を持っていることから、次世代の革新的量子情報処理技術(量子コンピュータ(注2)や量子ニューラルネットワーク(注3))に対して新しい光源を提供します。 広島大学大学院先進理工系科学研究科の片山春菜・大学院生は、電気回路において擬似的なブラックホールを創生し、それを用いたレーザー理論を構築することに成功しました。このレーザーを用いると、未解決課題であるブラックホールからの輻射(ホーキング輻射)の存在を明らかにすることができます。また、このレーザーは通常のレーザーと異なり、ホーキング輻射の素過程に由来するスクイーズド状態(注4)と呼ばれる非古典的性質を持つレーザーとなり、新しい光源として量子情報技術などで
これまでのコンピュータよりも桁違いに高速な計算が可能な量子コンピュータ。巨大な経済価値を生むと期待され、さまざまな業界のビジネスで活用が進んでいます。今後、量子コンピュータが進化していく過程で何が重要になるのでしょうか。また、その中で企業はどう取り組めばよいのでしょうか。日本総合研究所 先端技術ラボの間瀬英之さん、身野良寛さんの著書『量子コンピュータまるわかり』(日経文庫)を抜粋・再構成。 商用アプリケーションの開発がカギ ここでは、著者が考える量子コンピュータ業界の展望と考察を述べます。政策動向では、北米、中国、欧州、日本といった一部の国・地域だけでなく、近年、オーストラリア、インド、イスラエルなどの技術先進国が国策として、量子技術および量子コンピュータに膨大な投資を予定しています。暗号解読などの国家安全保障、国際競争力にもかかわるため、これからも量子技術を重要な国家戦略の柱とする動きは
はじめに 将棋の藤井聡太8冠が「徹子の部屋」に出演しました。 詳細は3月12日の投稿で報告しました。(この記事の最後にリンクあり) 本稿ではこの番組の中で藤井8冠が放った驚愕の発言について検証します。 徹子の質問 番組の中で、藤井8冠に対し、黒柳徹子は、 「どのくらい先まで考えているんですか?」 と質問しました。それに対して藤井8冠は、 「終盤ですと、40手先くらいまでを読んでということがあります」 と答えました。 スタジオにはどよめきが起こり、黒柳も「40手先ということは、私から思うと…ずいぶん先だと思います」と驚いていました。 藤井8冠は40手先まで読める⁉️ 2023年11月10〜11日の対伊藤匠戦での竜王戦第4局において、藤井8冠は、伊藤匠の玉を少考の後37手詰めで打ち取りました。その指し手の様相から、藤井8冠が37手詰めに踏み込んだ時点で勝ちを確信していたように感じました。なので
東芝は9月21日、TBJH合同会社が8月8日から実施していたTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。これにより東芝は、東京証券取引所および名古屋証券取引所の上場基準に従い上場廃止となる。 TBJHは日本産業パートナーズが設立した東芝へのTOB実施を目的とした特別会社。東芝は不正会計問題以降、海外投資ファンドなどいわゆる「物言う株主」と経営陣の対立など、経営の混乱が続いていた。東芝はこれを回避すべく、日本産業パートナーズ主導での株式非公開化による経営再建策に賛同。株主に対しTOBへの応募を推奨していた。 TOB終了日の20日時点で、応募株券などの総数は3億4045万9163株に達し、買い付け予定数の下限である2億8873万1000株を超えたことから、公開買い付けの成立とした。上場廃止後は両取引所での売買はできなくなる。 東芝の代表執行役社長CEOである島田太郎氏は「当社グループは、新
今月は一時1ドル160円に達するなど円安方向に大きく進行した1か月でした。S&P500指数、ダウ指数、日経平均指数など各種指数は米国の利下げが先送りになる見通しという影響を受け下落した1か月でした。 年初からの大きな上昇も一服し、相場の方向が変わるかもしれないと思った方もいたのではないでしょうか? 本ブログでも下げ相場においての対応について整理をして記事を書いていました。詳細は以下を参照ください。 下げ相場を乗り越えていくための考え方 - Twin Dad | 双子パパの資産形成・運用記 とはいえ、円建て資産としては追加投資も行っている影響もあり、増加している状況となります。 2024年4月の資産サマリ(投資資産のみ) 4月末時点の資産は1,917万円となり、3月末時点よりも30万円増加しています。 各種指数が下落したこともあり、どちらかというと資産は減ったような印象をもっていましたが、結
はじめに 友人たちと、古典のカーネル法について勉強をしていた。それが一通り終わったので、量子カーネル法について自分が知っていることをまとめて、友人に紹介することにした。 そのまとめを公開するが、そういった経緯から、この記事は線形代数やカーネル法を既に学んだことのある読者をターゲットとしている。 線形代数 複素数体での線形代数を、実数体での線形代数と比較する形で軽く触れる。 また、量子コンピュータでよく用いられるブラケット記法についても触れる。 複素数体での線形代数 実数体と比べて特徴的な違いを、以下に述べる。 エルミート共役または転置複素共役とは、行列やベクトルの転置を取り、また、値の複素共役を取る操作である。行列$A$のエルミート共役を$A^\dagger$で表す 実数行列における転置を複素数行列に拡張したものと考えることができる $(A^\dagger)_ {ij} = (A _ {j
スタートアップを取材していると、日本はスタートアップの創業・経営に適していないと思うことが多い。一部には、魅力的な環境の米国に本社機能を移す企業も出てきた。 特に、AI(人工知能)や量子コンピューターといった最先端技術分野のスタートアップにとって、資金調達や人材獲得のしやすさ、顧客の多さ(市場規模)は欠かせない要素だ。最先端技術は事業化に時間がかかるので、投資家から潤沢な資金を得られるかどうかは死活問題といえる。 協業や人材採用で有利 記者が以前取材した、早稲田大学発の量子スタートアップであるNanofiber Quantum Technologies(ナノファイバー・クアンタム・テクノロジーズ、NanoQT)は、日本から米国に本社機能を移した企業の1つだ。NanoQTは2022年4月に創業したばかりだが、2023年8月に本社機能を米国子会社に移した。米国企業との協業や海外人材の採用を進め
量子コンピュータ業界は変化が大きいので、毎年ある程度、状況を整理して棚卸しをしないと、追いかけられなくなってきます。 ですので、2023年12月24日時点での、私の把握している近年のアップデートをまとめておきます。 この記事では網羅的であることは目的としておらず、やや個人の感想寄りの記述も含まれる点はご了承ください。 著者は民間企業で量子コンピューティングのR&Dを行っておりますが、この記事は業務とは無関係に、個人の活動として執筆したものです。 アニーリングは状況に大きな変化なし量子コンピュータは、量子アニーリング方式と量子ゲート方式に大きく分けられます。 量子アニーリング方式のハードウェアは、商業化されているものでは(私の知る限り)D-Wave社のハードウェアのみです。一方で、量子アニーリング方式で解くことができる問題形式(イジングモデル、QUBO)を解くためのソルバーの開発を行っている
Aqua Security Software(以下、Aqua Security)は2023年8月16日(現地時間、以下同)、パッケージリポジトリ「PowerShell Gallery」に複数の脆弱(ぜいじゃく)性が存在していると報じた。 これらの脆弱性を悪用すると、ユーザーのタイプミスを狙ってフィッシングサイトに誘導したり、情報窃取したりするサイバー攻撃手法「タイポスクワッティング」が可能となる。 PowerShell Galleryは「PowerShell」のモジュールやスクリプトなどをホスティングするサービスであり、コミュニティーやベンダーから提供されたコードが保持されている。PowerShellユーザーはPowerShell Galleryを経由してモジュールの検索やインストール、アップデートなどを実行できる。最近では、「Microsoft Azure」や「Amazon Web Se
早稲田大学の研究グループが、制約のある組み合わせ最適化問題を量子コンピューターによって高精度で解くための新しい手法を開発した。制約を満たさない解を満たす解に変換する「制約適合処理手法」と、従来の手法である「変分法」を組み合わせた量子アルゴリズムを開発し、有効性を確認した。 今回の研究は早稲田大学理工学術院の白井達彦講師と戸川望教授らの研究グループが2024年3月14日に発表した。この量子アルゴリズムは、量子アニーリング方式と量子ゲート方式の両方の量子コンピューターに適用可能だ。従来の変分法だけを使用する手法に比べて、値が小さいほど解の精度が良いとする評価指標である「残留エネルギー」を、量子アニーリング方式で平均85%、量子ゲート方式で平均87%削減したという。 組み合わせ最適化問題は、膨大な選択肢(解)の中から、与えられた制約を満たしつつ、目的関数が最小値または最大値となるような解を求める
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー)、理事長: 徳田 英幸)は、アニーリング型の量子コンピュータ(以下「量子アニーリングマシン」)と古典コンピュータとを併用する新たな演算手法(量子とデジタルをハイブリッドしたアルゴリズム。以下「本アルゴリズム」)を開発し、次世代移動通信システムにおける活用が求められる非直交多元接続技術の信号分離処理に適用した無線通信実験に成功しました。 現在の第5世代移動通信システム(5G)では、同一周波数・同一時間を使用して、基地局アンテナ1本当たり1台の端末局と通信を行っています。一方、次世代移動通信システムでは、5Gと比較して同時接続数を10倍以上とすることが期待されています。本アルゴリズムを用いることで、基地局アンテナ1本当たり少なくとも7台まで端末局との同時接続が行えることをシミュレーションで確認するとともに、4台との同時接続を屋外実
光を使った量子コンピューターの実現に向け、東京大の古沢明教授らのグループが9月にも会社を設立する方針であることを明らかにした。量子コンピューターで課題となっていた、計算エラーを訂正する画期的な技術を開発し、18日(日本時間19日)に米科学誌サイエンスに論文が掲載された。この成果により、必要な技術開発に目途が立ったため、起業するという。 量子コンピューターの計算エラーを訂正する新技術について発表する東京大の古沢明教授(右)と、新しく設立する会社の最高技術責任者(CTO)となる予定のアサバナント・ワリット助教=2024年1月18日、東京都文京区の東京大(松田麻希撮影) 量子コンピューターは、情報の基本単位となる「量子ビット」を使って、スーパーコンピューターより大規模で高速な計算ができると期待されているが、量子ビットは外乱に弱く計算エラーが発生しやすい。計算エラーを防ぐには、膨大な数の量子ビット
ムーンショット目標6 2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現 ターゲット 2050年頃までに、大規模化を達成し、誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現する。 2030年までに、一定規模のNISQ量子コンピュータを開発するとともに実効的な量子誤り訂正を実証する。 誤り耐性型汎用量子コンピュータは、大規模な集積化を実現しつつ、様々な用途に応用する上で十分な精度を保証できる量子コンピュータ。 NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum)量子コンピュータは、小中規模で誤りを訂正する機能を持たない量子コンピュータ。 関連するエリアとビジョン Area :「サイエンスとテクノロジーでフロンティアを開拓する」 Vision :「未踏空間の可視化(量子から地球まで)」 目標設定の背景 Society 5.0の実現に向けて
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