サラリーマンは国家に収入をすべて捕捉され、逃げ場のない、がんじがらめの「隷属」状態だ。ところが世の中には“制度の穴”を上手に利用している人たちがいる。『新・貧乏はお金持ち』を刊行した作家の橘玲さんは「個人と法人という“2つの人格”を使い分けると、税・社会保険料コストの大幅削減をはじめとする不思議なことが次々起こる」という――。(第2回/全3回) ※本稿は、橘玲『新・貧乏はお金持ち』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。 資本主義は欲望でお金を増殖させるシステム リーマンショック(2008年)でアメリカの金融機関がばたばたとつぶれたとき、「グローバル資本主義の終わり」だといわれたけれど、好むと好まざるとにかかわらず、わたしたちは資本主義と市場経済の中で生きていかなくてはならない。人類はこれ以外の経済制度を持っていないし、これからも(少なくとも生きているあいだは)ずっとそうだからだ。