独立系書店が「300店舗以上もオープンしている」 この2〜3年間ほどで、アメリカ全土で独立系書店の数が増えている。約2年前、独立系書店の未来は、暗いようにみえた。フラッと書店に入る行為も朗読会もパンデミックで制限された。書店の生き残りはかなり難しいように思われた。 実際、米国国勢調査局のデータによると、2020年の書店の売り上げは30%近く減少している。閉店に追い込まれたところも少なくない。 ところがその後、誰もが予期せぬ展開になった。
4月3日、産経新聞出版から刊行された『トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇』(アビゲイル・シュライアー、岩波朗ら監訳)は、当初からAmazonの「本の売れ筋ランキング」で総合1位になるなど、売れ行きは好調だ。 一方で、本書には出版前から批判が寄せられていた。また、出版後にも一部の書店や書籍通販サイトでは取り扱われていない。刊行直後には、本の内容に批判的な手作りの帯文(手書きPOP)が巻かれて販売されている書店があったことがX(旧Twitter)で話題になった。 出版社や書店に脅迫が行われたとの報道がなされたことからも「表現の自由が侵害されている」と懸念する声も多い。 他方で、「どの本を取り扱うかは書店の側の自由だ」「批判的な帯を巻くこともまた、表現の自由だ」とする声もある。 当初は他社から刊行予定 当初、本書は『あの子もトランスジェンダーになった SNS
writer profile Hiromi Shimada 島田浩美 しまだ・ひろみ●編集者/ライター/書店員。長野県飯綱町出身、長野市在住。信州大学時代に読んだ沢木耕太郎著『深夜特急』にわかりやすく影響を受け、卒業後2年間の放浪生活を送る。帰国後、地元出版社の勤務を経て、同僚デザイナーとともに長野市に「旅とアート」がテーマの書店〈ch.books〉をオープン。趣味は山登り、特技はトライアスロン。体力には自信あり。 大型書店が姿を消し、増える独立系書店 「本が売れない時代」だといわれて久しい。 本の売り上げは1996年をピークに右肩下がりを続け、 日本出版インフラセンターの統計によると、 この10年で全国の書店数は3分の2に減少。 全国の市町村の4分の1以上が「書店ゼロ」のまちになっているという。 一方で、個人オーナーによる独自セレクトの小規模な独立系書店は 全国各地で次々と開店していると
名古屋市を中心に「ザ・リブレット」などの名称で約20店を展開する「大和(だいわ)書店」(愛知県岩倉市)が、名古屋地裁から11月29日付で破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。破産管財人の弁護士によると、負債総額は約30億円。11月30日から全23店を閉店した。 愛知や岐阜、静岡、神奈川、大阪、岡山の大型商業施設などに出店し、文具や雑貨なども扱ってきた。 帝国データバンク名古屋支店によると、2018年8月期の売上高は約30億円。新規出店時の借り入れに加え、出版不況や雑貨の不振で売り上げが落ちこみ、資金繰りが悪化していたという。(石塚大樹) ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 --><!--株価検索 中⑤企画-->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/i
2019.12.07 12:05 ヘイト本を生んだ「無自覚」。出版社と本屋の“罪”を問う/永江朗インタビュー 2019年は日韓関係の悪化が進行した1年だった。本屋に行って差別的な言葉を目にする機会も増えた。 たとえば、「韓国なんて要らない」というキャッチコピーをつけた「週刊ポスト」(小学館)2019年9月13日号の記事が大炎上したのは記憶に新しい。 しかし、「週刊ポスト」はほんの一例。新書コーナーなどを歩けば、韓国や中国に対して醜悪な言葉を叩きつける、いわゆる「ヘイト本」が多数並んでいる。 多くの本屋を取材し、出版業界や出版文化に詳しい永江朗氏は、こういった状況を指摘しながら「本屋をのぞくのが苦痛になってきた」と語る。 この状況はなぜ引き起こされ、そして続いているのか。『私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』(太郎次郎社エディタス)を出版したばかりの永江朗氏に話
オンラインの大手書店の台頭などのため、日本でも「町の本屋さん」がどんどん減っているというニュースが報じられているが、そんな状況は諸外国でも同じようだ。 しかし、フランスでは個人が運営する独立系の書店を「文化的産物」と位置づけ、さらなる保護策を打ち出した、とこれまでの歴史を振り返りながら、米紙「ワシントン・ポスト」が報じている。 アマゾン配送料たった1セント フランスの新法は、とてもフランスらしい方法で、独立系書店を保護しようとしている。アマゾンなどの大手小売による割引を相殺するため、書籍配送に最低価格を義務付けるというものだ。 フランスでは、書店は必要不可欠な業種だ。少なくとも、フランスで3度目の新型コロナウイルスによるロックダウンが行われた際には、そうとされた。 文化的産物としての独立系書店の保護は、国家の優先事項でもある。1981年に制定された法律では、書籍は一定の価格で販売し、5%以
先日、書店で見た光景。 レジで初老の男性客が、多量の本を買って精算を待っている。手持ちぶさたに、書店員に話しかける。 「本は総額表示じゃないんだね。」 書店員は、「ええ、まあ」と口をにごしている。 気持ちはわかる。下手な受け答えをして、お得意さんの機嫌を損ねたくはないし、「なんで、版元の表示の都合に私が言いわけしなくちゃならないんだ」という気分もあるだろう。でも、ちゃんと答えてほしいとおもう。本には、総額表示にできない理由があるのだから。 もとより、「総額表示義務化」はこれからの消費税増税に向けて痛税感を緩和するためにおこなわれた。「価格表示に混乱がある」「レジでわかりにくい」などという、絶無とまではいかないまでも、普遍性も切実性もない理由がつけられているが、そこに正当性はない。 私が小出版社の営業として見聞した範囲から言うと、この正当性のない理由づけに諾々と従えば、書籍流通、とりわけ既刊
最近また、本を作ったので販売して欲しいという問い合わせをよくいただきます。オンデマンド印刷などで個人でも手軽に製本ができるサービスもあり、ZINEや文フリなどの潮流も手伝い、作りたい方、売りたい方が増えていると思います。独立系書店として、そんな方々への情報提供として書きます。 — 冒険研究所書店 (@bokenbooks) August 25, 2024 最近また、本を作ったので販売して欲しいという問い合わせをよくいただきます。オンデマンド印刷などで個人でも手軽に製本ができるサービスもあり、ZINEや文フリなどの潮流も手伝い、作りたい方、売りたい方が増えていると思います。独立系書店として、そんな方々への情報提供として書きます。 書店のサイトからのお問い合わせメールで「こんな本を作りました、販売してもらえませんか」というご連絡をよくいただきますが、正直に言うとその情報だけで「置く」という判断
そんな折、皇后さまが「本屋さんをゆっくり歩いてみたい」とおっしゃった。世の中には常に欲しい本もあるが、見ているうちに読みたくなる本もある。しかしご結婚以来長い年月、皇后さまは、気楽に本屋さんにいらしたこともないという現実を、私は初めてその時理解した。 おでかけになる場所によっては、とうてい不可能という所もあるだろうが、本屋さんは不可能ではないと私は思った。大手の書店で、ゆっくり書棚の間をお歩きになりたいのだったら、できないことはない。もちろん私一人では無理だが、業界で力のある方の助言と助力を頂ければ、何とかなるだろう。 それから下準備が始まった。2015年のことである。大手の書店で、皇居からお車の便もよく、売場も比較的静かであることが条件だ。そこで渋谷の東急百貨店本店のジュンク堂がいい、ということになった。 皇后さまがくれぐれも過剰な警備や他のお客の入場制限など、特別扱いはしないように、と
BOOKプラザ文華堂 @bunkadou_bp 書店員を20年以上やってますが、初めての大事件です💦本日発売の雑誌やコミック新刊をお求めの方はご注意ください🙇♂️被害は当店だけではなく、全国各地に波及しているようです… pic.twitter.com/qUzLfJHrBt 2022-07-23 09:57:37 BOOKプラザ文華堂 @bunkadou_bp 神奈川県藤沢市の湘南台という町にある本屋です(ツイッターはブックマネージャーの藍原が担当)書籍・雑誌・コミックはもちろんフィギュアも取り扱っている、ちょっとアレな本屋だったりします(笑) 近くにお立ち寄りの際はぜひご来店下さい♪ ※フォロー数が5000を越えてしまいフォロー返ししづらくなってしまいました。何卒ご容赦を https://t.co/SCGSLr08y2
非常に気が重いが、この本をご覧の展開をして販売している身として沈黙している訳にはいかず、私見を述べておきたい。 そもそも諸悪の根源は何か?ということを忘れてはいけないのではないか。 諸悪の根源とは差別であり、差別思想を撒き散らす者の存在である。 pic.twitter.com/6QrOIVQ0da — 日野剛広 (@Nanoruhino) December 10, 2019 おそらく、日野店長のコメントを全面的に否定されるような書店関係者はいないのではないかと思います。 もちろん完全に同書の意義を認めない人もいましたが、ほとんどの人は永江さんという著者のこれまでのお仕事に敬意をもっていて、そしてなにより「書店とヘイト本」の問題をシリアスに考えている。 (だからこそ、その期待に及ばなかったところに苦いコメントが出てくるのでしょう) 以下では、まず①同書についての批判的な指摘(全否定的な感想は
差別を扇動するようなヘイト本の見計らい配本(1月19日)に危機感を感じ、声を上げてから、1年近くが経ちました。 見計らい配本というのは、書店が注文をしないのに、本の問屋であるトーハンや日販などの取次店(以下、取次)から一方的に送られてくる配本システムのことです。本は本来委託販売ですが、独立系の小さな書店はその段階で否応なしに代金を請求されて支払わなければならないのです。 お客様にニーズがない本や売りたくないヘイト本などが、この見計らい配本で大量に送られてしまうと、書店は本当に困ってしまうのです。 2年前のムックをいきなり配本 実際、当店ではこれまでほとんど売れた実績もないのに、2019年1月に取次から『月刊Hanadaセレクション』のバックナンバーが見計らい本でいきなり配本されて来ました。それも2017年12月24日発刊が3冊、2018年4月18日発刊が3冊、8月21日が4冊。さすがに2年
「中世への旅 シリーズ」という、中世ヨーロッパの騎士や農民の日常生活などを解説した本が全国の書店で買えるという発表がやたら盛り上がる。 書泉グランデ | 神保町 @shosengnd 書泉グランデ(神保町)の公式アカウントです。 アタマオカシイ本屋。全天候対応 屋内型アミューズメント本屋。書泉オンラインショップ: shosen.tokyo 書泉オンライン楽天市場店: rakuten.co.jp/shosen/ shosen.co.jp 書泉グランデ | 神保町 @shosengnd 「中世への旅 シリーズ」ついに、全国の書店で買えるようになります! 3月より、弊社で独占販売させていただいていました 「中世への旅 騎士と城」 「中世への旅 都市と庶民」 「中世への旅 農民戦争と傭兵」 ですが、白水社さんの方で、なんと「6月末 重版出来」となりました。… twitter.com/i/web/s
今月のエディターズノートを書くのはとても気が重かった。題材は早くから決めていた。永江朗さんが『私は本屋が好きでした――あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』(太郎次郎社エディタス)という本を出したことを知り、すぐにこれを取り上げようと考え、すでに読了していた。 しかし読了後、うーむと考え込んでしまった。 この本は、自身でも書店員の経験があり、専業ライターとなった後は長年にわたり全国の本屋に足繁く通い続けている永江さん(私も書店の店頭で何度もお会いしたことがある)が、本屋に対して「好きでした」と過去形で語らずにはいられない昨今の状況についての、渾身のルポルタージュである。 中心的な話題は「ヘイト本」だ(もっとも、この言葉を使うにあたり永江さんはいくつか留保をつけている)。いわゆる「嫌韓・反中」、つまり近隣諸国に対する排外主義的な考えを明示的に、あるいは暗黙のうちに主張する出版物のことで
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