近く創業120周年を迎える名門ダイハツ。トヨタの子会社となったこの四半世紀に何が起こったのか。長年の不正に業界が揺れる中、グループトップの豊田章男氏はいまだ多くを語ろうとしない。 前編記事『トヨタグループ・ダイハツで起きた《大規模検査不正》...ホンダで起きないのはなぜか』より続く。 トヨタがダイハツを子会社化した理由 ダイハツは'67年にトヨタからの資本を受け入れ、トヨタグループの一角に加わった。1907(明治40)年に「発動機製造株式会社」として設立されたダイハツは、トヨタより創業の歴史が古いことなどから名門意識が高く、グループ入り後も、トヨタの意向を素直に受け入れる組織ではなかった、とされる。 転機が訪れたのが'98年。当時、トヨタの社長で剛腕経営者として知られた奥田碩氏が出資比率を51%に引き上げ、子会社化した。その狙いは「中国戦略」にあった。その頃、トヨタは中国政府の認可が取れな