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多田さんを含め、自動車開発におけるコストの厳しさについての話をたびたび耳にします。一方で、ユーザー目線で見た場合、「価格設定がアバウトなのではないか?」と感じられる製品もあります(特に高級車)。クルマの値づけは、どういうプロセスで決まるのでしょうか? 多くの工業製品は、材料・部品代などのコストを積み上げて、そこにある一定の利益を上乗せして市場価格を決めますよね。 ところがトヨタの場合は、「こういう機能を持ったこのようなクルマは、いくらなら市場で販売できるのか?」というマーケットリサーチを徹底的に行い、想定価格を決めてから「この値段でこのクルマをつくるにはどうしたらいいのか」を考えるという“逆のアプローチ”で製品開発にあたります。 それがこの会社の成功の秘訣(ひけつ)ではありますが、各モデルの開発担当者は、おカネの話が夢に出てくるようになるほど苦労を強いられます(苦笑)。 もっとも、こうした
洗練された独自のクロスオーバースタイルを追求 スバル・レヴォーグ レイバックは、スポーツワゴン「レヴォーグ」をベースに車高および最低地上高を高め、SUVのテイストを付与したクロスオーバーモデルである。 車名のレイバック(LAYBACK)とは、「くつろぐ」や「ゆったり」「リラックスできる」という意味の英語「laid back」をもとにした造語で、「ゆとりある豊かな時間や空間を大切にする気持ち」をネーミングに込めたという。スバルのSUV/クロスオーバーとしては初となる、都会的なイメージを重視したモデルで、スバルでは「レヴォーグがコンセプトに掲げる『先進安全』『スポーティー』『ワゴン価値』のうち、ワゴン価値を『自在性』に進化させ、さらに『上質さ』を付与したモデル」と説明している。 デザインコンセプトは“凛”“包”というもので、レヴォーグの持つ先進性とスポーティネスに、レイバックならではのゆとりと
クルマの紹介記事では、「欧州車に追いついた」や「欧州車に比べると……」など欧州車をひとくくりに「いいもの」として褒めるような記述がしばしば見られます。21世紀の現代でも、依然として欧州車は世界のトップレベルなのでしょうか? 安全性や燃費、コスパにおいては日本車(トヨタ)がとっくに世界一なのではないかと思うのですが……。ご意見をお聞かせください。 トヨタに関していえば、本当に「欧州車に追いつかなければ」と必死になっていたのは、2000年までだと思います。いまでは若い技術者は欧州コンプレックスを持っていないように感じます。 私は1993年からしばらくドイツに駐在し、まさに「欧州車にキャッチアップせよ」という社命を受けてさまざまなテストに取り組んでいたのですが、そのころはまだ明確な差がありました。例えば、アウトバーン走行中の安心感がまったく違いましたし、突然雨が降り出すなど走行条件が悪くなるほど
webCGの試乗リポートを見ていても、「86/GR86」を含めスバルの水平対向エンジンは同排気量の他社エンジンに対して燃費性能が劣るような印象があります。この認識は正しいですか? もしそうであれば、それは水平対向というエンジン形式にかかわる特徴なのでしょうか。あるいはスバルの技術力の問題ですか? 水平対向エンジンは低重心化を実現できるなどメリットのあるパワーユニットですが、常に燃費の問題がついてまわります。 なぜ水平対向エンジンは燃費に厳しいのか? ひとつは、(シリンダーが左右に向かって配列されるため)エンジン全体の幅が広くなるので、ピストンのストロークを長く取れない=ロングストローク化ができないということが挙げられます。 今の省燃費エンジンのトレンドは「ロングストロークでしっかり燃やす」ですが、物理的にそれができない。86に関して言えば、パワーと燃費のベストバランスを目指して燃焼室をスク
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