国連の国際司法裁判所(ICJ)は23日、ミャンマーに対し、「あらゆる手段を用いて」イスラム系少数民族ロヒンギャに対するジェノサイド(集団虐殺)を阻止するよう命じた。ロヒンギャが深刻な危機にさらされていると指摘し、改善と結果報告を求めている。 仏教徒が多数を占めるミャンマーでは2017年、軍部主導のロヒンギャ掃討によって、数千人が死亡し、70万人以上が隣国バングラデシュへ逃亡。ミャンマーに対し国際的な批判が高まっている。
ミャンマー・ヤンゴンで軍のクーデターに抗議する人々(2021年2月9日撮影)。(c)Sai Aung Main / AFP 【2月9日 AFP】(更新、写真追加)ミャンマー各地で9日、国軍が集会禁止命令を出していたにもかかわらず、4日連続となるクーデターへの抗議デモが行われた。 国軍は8日、最大都市ヤンゴンの一部地区の他、先週末から8日にかけて大規模集会が行われた国内の複数地域での5人を超える集会を禁止した。抗議活動が活発な地域には、夜間外出禁止令も発令されている。 しかし9日朝には、軍に拘束されたアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏率いる国民民主連盟(NLD)の本部周辺など、ヤンゴン各地で新たな抗議デモが行われた。 参加者たちは、「私たちの指導者(スー・チー氏)が必要だ」や「独裁政権はいらない」などと書かれたプラカードを掲げた。 現在集会が禁止されているサンチャ
【2月20日 AFP】ミャンマー・ヤンゴンの異臭を放つ川に、ユさん(36)はポリスチレン製の簡易ボートを浮かべた。川に漂うプラスチックごみや空き缶を集めるためだ。 パズンダウン(Pazundaung)川に明け方、10人ほどの「川の掃除隊」が集まった。川で再生利用可能なものを集めて、業者に売る。これが、2021年のクーデター後に失業した掃除隊メンバーの唯一の収入源になっている。 ユさんは家族を養うためにこの仕事を始めた。「近所の人と一緒に川に来た。初日にプラスチックや缶を収集して換金できて、とてもうれしかった」と語る。 国際労働機関(ILO)によると、クーデターにより国内経済は打撃を受け、100万人以上が失業した。 メンバーの一人(41)は、ヤンゴンの屋台で野菜や魚を販売していた。職を失って、川の掃除隊に加わった。大工の夫も定職はない。「親や家族にはここに来ていることを話さなかったが、見つか
ミャンマーのヤンゴンで、アウン・サン・スー・チー国家顧問の肖像を掲げる支持者ら(2019年12月10日撮影、資料写真)。(c)Sai Aung Main / AFP 【2月17日 AFP】ミャンマーで起きた軍事クーデターとそれに続く混乱について、現地の中国大使が16日、「決して中国が望むものではない」と述べ、中国が関与したとするソーシャルメディア上のうわさを一蹴した。 ミャンマーでは今月1日のクーデターで国軍が政権を奪取して以来、数百人が逮捕されるなど、反発する市民への弾圧が強まっている。 中国の陳海(Chen Hai)駐ミャンマー大使は大使館の公式サイトに公開された談話の中で、「わが国は以前から選挙をめぐるミャンマーの内紛には気付いていたが、政変については事前に知らされていなかった」と述べた。 中国やロシアのようなミャンマー国軍の昔からの同盟国はこれまで、クーデターに対する国際的な反発に
(CNN) 銃撃がミャンマー中部の都市バゴーで始まったのは4月9日、午前5時のことだった。 それから翌未明にかけて、少なくとも82人が死亡したとミャンマーの人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」は述べている。 一方、民主主義を求めるデモの参加者で、近隣住民を軍から守る組織「ディフェンス・チーム」の一員でもある18歳の男性は、この時の死者は100人近いはずだと主張する。 本来なら今年、大学でITを研究する予定だったこの男性は、軍事政権支配下の治安部隊による残虐な弾圧を目の当たりにした。取材を受けるにあたり身元を明かさないようCNNに求めたのは、現在軍から身を隠しているためだ。 当時男性は、土嚢(どのう)を積んで作った路上バリケードの1つに配置されていた。ただ実際のところバリケードはほとんど防御の役に立たなかったと、男性はじめ複数の人たちは証言する。この日治安部隊が市民に対して使用した重火器は
Published 2023/03/13 21:31 (JST) Updated 2023/03/13 21:47 (JST) 【バンコク共同】ミャンマー北東部シャン州で13日までに、クーデターで全権を握った国軍が僧侶や市民ら少なくとも計31人を殺害した。米政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)などが伝えた。この地域では少数民族カレンニー族の武装勢力と国軍の衝突が激化している。 VOAなどによると国軍は11日、シャン州のナンネイン村に砲撃を行い、住民らが僧院に避難。国軍はその後、住民少なくとも28人と僧侶3人を拘束、銃殺した。 武装勢力の報道官は地元メディアの取材に「市民らは、僧院の前に整列させられた後に銃撃されたようだ」と話した。
過去、ミャンマーに横たわってきた難解な問題に地殻変動が起きていることを予感させるような動きが起きている。国際社会ではその実態が強く非難されながらも、これまで多くのミャンマー人が口を閉ざしてきたイスラム系少数民族ロヒンギャ問題に対して、明確な「謝罪」の意が、ミャンマー市民から草の根レベルで発表されたのである。クーデター前には想像ができない事態だ。 発信源は、首都ヤンゴンの第一医科大学学生連盟。3月26日、彼らが(現地メディアを通じて)発表したのが、ロヒンギャに向けての「謝罪文」だ。 以下のように訳せる内容だ。 「ラカイン州の危機において、軍が少数民族ロヒンギャに対し、民族浄化や掃討作戦を行ったため、ロヒンギャの命が犠牲となり、家屋が破壊され、避難を余儀なくされた。 その行為に対し、第一医科大学学生連盟は効果的に圧力を掛けたり、反対したりすることもなく、不当行為に対して沈黙を守ってきたことで、
軍事政権下で民主派の住民や運動家への弾圧が激化しているミャンマーで、軍政支持派の住民による自警民兵団が軍を補完する組織として“暗躍”している。抵抗を続ける「国民防衛軍(PDF)」のメンバーや支持者を探索するなどして軍など治安当局に協力している実態が明らかになってきている。 地元の独立系メディアがこれまでに報じたところによると、2022年5月頃から中心都市ヤンゴンや第二の都市マンダレーなどで軍の兵士や警察官とは異なるグループが一般市民の家宅捜索や路上での通行人の検問、尋問を行い、そこで「PDF関係者」と判断された人物に対して逮捕や拷問を加えたり、さらにはその場で射殺したりしている事例が複数報告され始めたという。 「赤い作戦」を実行する非公式組織 この非公式の組織は「トゥエー・タウ」と呼ばれている。今年4月ごろに組織され、その後「オペレーション・レッド(赤い作戦)」という軍政反対者を捜索する任
ミャンマーで軍の統治に抵抗する市民への弾圧が続く中、東部を拠点とする民主派の武装組織は25日、新たに子どもや女性を含む市民35人が殺害されたとする声明を発表し、国際社会からの批判が高まることも予想されます。 ミャンマー東部のカヤー州では、クーデターで実権を握った軍と、これに抵抗する武装化した一部の市民との間で激しい戦闘が続いています。 こうした中、民主派の武装組織は25日、組織とは関係のない子どもや女性を含む市民35人が死亡しているのが見つかったとする声明を発表しました。 武装組織は、死亡した35人は24日、戦火を逃れて避難する途中に軍に殺害され、車とともに焼かれたとしていて「人道に対する罪だ」などと強く非難しています。 また、国際的なNGOの「セーブ・ザ・チルドレン」も、休暇を利用してカヤー州に帰省していたスタッフ2人が乗っていた車が攻撃を受け、行方が分からなくなっていると発表しました。
国軍兵士の「寝返り」 軍政と武装抵抗勢力との戦闘が続き実質的な内戦状態にあるミャンマーで、正規軍の中で戦線離脱や部隊離反などによる脱走兵が増加し、その大半が敵対する民主派勢力「国民防衛軍(PDF)」に加わっていることが、ミャンマーの独立系メディアなどの報道で明らかになった。 国軍兵士の「寝返り」ともいえるこの現象は、2021年2月に軍がアウン・サン・スー・チーさん率いる民主政府から実権を奪取したクーデター以来続く傾向というが、2023年になってその数はさらに増加傾向にあると指摘されている。 「ミン・アウン・フライン国軍司令官でさえ実際に国軍兵士の正確な兵力(兵士の数)を把握できていない」と言われるほど、最前線の部隊では定員数と実際の兵士の数に大きなギャップが生じているという。 こうした深刻な事態に軍政は政府職員や自治体職員をリクルートして兵力不足を補おうとしているが、職業軍人ではない「動員
インド、対ミャンマーで苦慮 中国念頭、国軍とも深い関係 2021年04月02日07時07分 ミャンマーとの国境地帯で、ミャンマーからの避難民を警戒するインドの治安要員=3月20日、撮影場所不明(EPA時事) 【ニューデリー時事】ミャンマー国軍によるクーデターへの国際社会の非難が強まる中、隣国のインドが対応に苦慮している。インド周辺国への浸透を図る中国との駆け引きから、ミャンマーとの関係を悪化させたくないことに加え、インド北東部の分離独立派の掃討にミャンマー国軍の力を借りるなど深い関係にあり、強い態度に出にくい状況だ。 ミス・ミャンマー、支援に謝意 大会前にデモ参加、夢は政治家 インド政府はミャンマー問題に関し、2月1日に「深刻な懸念」を表明したが、その後、非難声明は出していない。3月27日のミャンマー国軍記念日式典には、ロシア、中国と並んでインドの代表が出席した。 インドはこれまで、ミャン
ミャンマーの最大都市ヤンゴンにあるインセイン刑務所で起きた爆発の現場。ミャンマー軍提供(2022年10月19日撮影)。(c)Handout / Myanmar's Military Information Team / AFP 【10月20日 AFP】ミャンマーの最大都市ヤンゴンにあるインセイン(Insein)刑務所前で19日、少なくとも2個の爆弾が爆発し、8人が死亡、18人が負傷した。同刑務所には、反軍事政権デモを撮影中に拘束された日本人映像作家の久保田徹(Toru Kubota)さんが収監されている。 同国の軍事政権は、人々が受刑者に物品を届けるために並んでいたところ、爆弾が爆発したと説明。「テロリスト」による犯行と主張し、死者には刑務所職員3人と10歳の少女が含まれていることを明らかにした。現場近くでは別の「手製地雷」も見つかり、治安部隊によって処理されたという。 匿名を条件にAFP
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