若者の街として知られる東京・渋谷。そのランドマークともいえる渋谷スクランブル交差点の目の前にあるのが「名物 天津甘栗」渋谷ハチ公前本店だ。最先端のものが揃う渋谷の一等地にやや似つかわしくない商品と店構えだが、なぜつぶれないのか。その成り立ちや店を続ける思いを、運営会社である藤山産業株式会社の代表取締役、藤山光男さん(65)に聞いた。 〈写真でみる〉渋谷の一等地で甘栗屋を続けられる背景には、この店の存在が! 創業は昭和30年代渋谷ヒカリエ、渋谷フクラス、SHIBUYA TSUTAYA ……。再開発ラッシュで変わり続ける渋谷において、昭和中期から変わらずそこにあり続けるのが、ノスタルジックな看板が印象的な「天津甘栗」。この店の歴史が始まったのは昭和20年代後半だという。 「私の父がこの場所に食堂を開いたのが始まりです。その後、薬屋を経て、私が生まれた昭和33年にはすでに天津甘栗屋を始めていたと