預金口座の管理費用の一部を顧客に転嫁する新たな手数料の導入に銀行が関心を寄せている。日銀が追加の金融緩和を決めれば、超低金利からますます抜け出せなくなり、収益がさらに悪化しかねないことが背景にある。一部の銀行は既に実施しているが、水面下で検討を続ける他の銀行も預金者の反発を覚悟で踏み切るのかどうか、難しい判断を迫られそうだ。 超低金利の長期化で金融機関の収益環境は厳しい(ブルームバーグ) 口座手数料のイメージ prev next prev next 「貸出金利が一段と低下した場合、金融機関が預金に手数料を課し、預金金利を実質的にマイナス化させることも考えられる」。日銀の鈴木人司審議委員は8月下旬の講演で、金融緩和に伴う「副作用」の一例として口座手数料に言及した。鈴木氏が三菱UFJ銀行出身ということもあり、銀行界が導入に前向きだとの臆測を呼んだ。 業界が特に身構えるのが、日銀が銀行から預かる