刑務所で行う受刑者への職業訓練が多様化している。これまで主流だった肉体労働から、エステやコンピューター関連技術など、需要の高い職種の資格取得へ法務省が方針転換したからだ。民間会社が運営に加わるPFI方式の刑務所では定員オーバーになる人気職種も。安定した就職先による再犯防止と、受刑者の更生意欲の底上げを目指す取り組みが注目されそうだ。(飯田 憲) 「胸骨をしっかり押さえて。心肺蘇生(そせい)は一分間に二百回がノルマです」 初犯の受刑者を収容する「播磨社会復帰促進センター」(加古川市)で、今月開講した「ホームヘルパー二級」の授業。講師の指導に熱がこもる。週四日、一日六時間。定員四十人に、受講希望者は六十人を超えた。三十代の男性受刑者は「ずっと介護の仕事に興味があった。年老いた両親を支えてあげたい」と真剣な表情だ。 同センターは昨年四月、業務の一部を民間が担うPFI方式の刑務所として全国で二番目