Knochelのグループが開発したLi塩を添加するターボGrignardは、ハロゲン-メタル交換反応の反応速度・官能基共存性・効率・条件の温和化などを大幅に改善します。反応が加速する理由としては会合体が分解され、系中で発生するi-PrMgCl-LiClのi-Prのアニオン性が向上が考えられているようです。(TMP誘導体で構造解析も報告されています) また、Knochelは、このLiCl存在下における活性化が亜鉛挿入反応にも効果があることを見出し、活性種としてLi+ZnRClX-を提唱されています。 今回、理研の内山先生、京都大学諸熊先生らが LiClの効果を実験とDFT計算を組み合わせ、亜鉛挿入反応の加速効果を位置選択性を含め明らかにしました。 Reaction Mechanism for the LiCl-Mediated Directed Zinc Insertion: A Compu