12月18 NaH酸化反応に続報 この7月、天下のJACSに掲載されて話題をさらった反応がありました。水素化ナトリウム(NaH)を二級ベンジルアルコールに作用させることで、ケトンへと酸化することができるというものです。用いている試薬が通常塩基または還元剤として働くNaHのみなのに、他の酸化剤など一切必要なしに酸化が収率よく進行する上、論文に掲載された反応機構も極めて怪しいものでしたから、多くの化学者の興味を引いたのは当然というものでしょう。 この反応はあちこちのブログにも取り上げられ(当ブログ・化学者のつぶやきなどなど)、「Totally Synthetic」では自ら反応を追試し、その様子をリアルタイム中継するといったことまで行いましたから、まあ一種の祭り状態というところでした。ちなみに元文献は7月にWeb掲載されたにもかかわらず、いまだに冊子体には収録されず、文献番号が与えられていないよ