だいたい今年の修士論文は読み終わったので、総評を書いておこう。京大で修論を読むのはこれが初めてなので、例年の修論と比較することはできないし、あくまで現時点での私個人の独断と偏見にもとづく議論である。最終的な成績評価は、社会学専修の教員の合議で決まるので、私自身の考えも合議の過程で変わる可能性がある。 全般に文献リストは厚く、ちゃんとたくさん論文や本を読まなければいけないということは理解されているようである。どの程度きちんと読めているのかまではわからないが、この点はよかった。ただし、一部に日本語の研究しか参照しない世界の狭い人もいた。社会学の世界では、英語が事実上の共通語になっているので、英語を読まずに研究するというのはほとんど不可能である。 また、インタビューやフィールドワークをした研究が非常に多い。ざっと見ると 10/12=83% がインタビューまたはフィールドワークを行っている。このよ