さて、速報、お祭り編と2010年のノーベル化学賞を2つの異なった視点からお話してきました。次のお話は上記のサインから始まります。このサインは2001年の京都、クロスカップリング発見30周年を祝って行われた国際シンポジウムにて、この分野の第一人者によって署名されたものです。もちろん、今回の受賞者もリチャード・ヘック氏を除いて含まれています。今から40年前、この反応開発初期に携わったのは30代?40代前半の若手研究者でした。これだけの人数が研究を行っていたのです。 しかし、 ノーベル化学賞を受賞したのはわずか3人 これは悲しい出来事でしょうか。今回の受賞は金属として「パラジウム触媒」を用い、「クロスカップリング反応」の開発に貢献された人々に贈られています。それが鈴木、根岸、ヘックらであったわけです。この分類には異論がある方がいらっしゃるかもしれませんが、この分類でこの受賞者と考えると妥当である