中部電力(名古屋市)が老朽化した石油火力発電所を石炭火力へと置き換える計画を進めている武豊(たけとよ)火力発電所(愛知県武豊町、107万キロワット)の認可を求める環境影響評価(アセスメント)結果について、山本公一環境相が地球温暖化対策の観点から計画の見直しを求める意見書を近く世耕弘成経済産業相へ提出する方向で調整に入った。環境アセス後に環境相が建設計画の再考を促すのは異例。環境アセスメント法では経産相が環境相の意見書を踏まえ、事業者へ意見を述べると規定されており、経産省や事業者の対応が注目される。 石炭火力は石油や天然ガスなど他の化石燃料に比べても二酸化炭素(CO2)の排出量が多いとされ、環境省は以前から懸念を示してきた。武豊火力を巡っては環境アセス実施前の2015年8月にも、当時の望月義夫環境相が「現段階で是認できない」と表明。武豊火力、丸紅や関西電力などが出資する秋田港発電所(秋田市)