日本経団連は2日、運用する有価証券で約20億円の損失が発生し、運用管理がずさんだった責任をとって事務局役員の報酬を減額すると発表した。会計担当者がハイリスクの「仕組み債」を購入していたことを役員らが把握しておらず、明確な運用ルールも定めていなかった。 事務方トップの中村芳夫事務総長が4〜6月の3カ月間、月額報酬を30%減額するなど、計3人の役員報酬を減らす。 経団連では、会員企業の会費による収入をもとに資産運用している。従来は国債など安全性の高い商品に投資してきたが、運用や管理を行う総務本部会計グループの担当者が06年夏から、運用資産の4割にあたる約40億円分の仕組み債などを購入。金利が年3〜5%見込める一方、複数の外貨で償還されるため、急激に進んだ円高により09年3月期決算で時価評価額が半減する見通しとなった。有価証券の一部を現金化しようとして、仕組み債が購入されていることが分かった