通信によって情報を「つなぐ」という使命を負ったNTT。しかし東日本大震災によって通信は寸断された。電柱は倒れ、津波に流され、ケーブルも断たれ、やはり流された。津波の被害を受けなかった通信設備も、大規模停電で次々と動かなくなった。そして東北の通信の中核を担うNTT東日本宮城支店では、支店ビルが被災して使用不能となり、社員や社員の家族も被災していた。福島第一原発から数十キロに家族が暮らす社員もいた。そんな中で、いかにライフラインとしての通信を取り戻すか。2011年3月11日から今年の3月11日まで、彼らがどう戦ってきたか。いくつかの断片を3回に分けてご紹介する。まずあの日の夜、東北全体の通信が完全停止しないよう、彼らが何をしたか。 ○「つなぐ」のが使命だが 2011年3月11日午後2時46分。マグニチュード9にもなる東日本大震災の発生を受けて、東北地方を中心にNTTの通信網もすさまじい被害を受