イラク戦争は開戦から6年を迎えた。吹田市在住のフリージャーナリスト、西谷文和さん(48)が2~3月にかけてバグダッドに入った。昨年10月以来、8度目のイラク現地取材で見たバグダッド市民の苦しみや悲しみなどを報告してもらう。 ◇この戦争は一体何だったのか 「ヤッラ、ヤッラ(早く早く)」。通訳のハッサンが叫ぶ。サマワからバグダッドへの国道、見通しの良い一本道にあるドライブインのような小さな白い商店街。ここが日本人ジャーナリストの橋田信介さん、小川功太郎さんが殺害された現場だ。 「ニシタニさん、長居は危険。さっと取材してね」。いつもはのんびりと話すハッサンの声も緊張して上ずっている。犯人たちはこの商店街の陰に隠れていたのだろうか? 橋田さんたちの乗ったアメリカ車が狙撃され、私たちは貴重なジャーナリストを失った。あれから5年がたった。 現場にみかんを供え、しばし黙とう。殺害現場からバグダッドまでは