医療法人徳洲会グループの関連会社の資金計3千万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた元事務総長、能宗克行被告(60)の判決公判が12日、東京地裁で開かれた。稗田雅洋裁判長は懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)の有罪判決を言い渡した。被告側は控訴する方針。 能宗被告は徳田虎雄元理事長(78)の側近だったが、徳田氏の親族と対立し、平成25年に懲戒解雇。その後、徳洲会側から刑事告訴され、起訴された。 公判で被告側は「立て替えていたグループの政治活動資金を精算しただけだ」などと無罪主張していた。 しかし稗田裁判長は「主張は不合理」とし、「徳田氏の信頼を逆手に取った背信的な犯行だ」と指摘。一方で「グループの政治活動資金の管理のずさんさが事件の背景にあり、被告だけの責任ではない」と実刑を回避した理由を述べた。 徳洲会をめぐっては、公職選挙法違反(運動員買収)罪で幹部10人の有罪が確定。徳田氏の次