殺害された教諭が働いていた学校の前で花を供え、キャンドルをともす人々=パリ近郊コンフランサントノリーヌで2020年10月17日、AP パリ近郊の路上で10月16日に起きたテロ事件は、「表現の自由」を擁護する仏政府とイスラム教徒との深い溝を再び浮き彫りにしている。29日には南部ニースのカトリック教会で、イスラム教徒の男が刃物で男女3人を殺害した。仏国内外で摩擦を抱えてでも風刺画の掲載を支持するマクロン大統領が「自らの存在をかけた闘い」と言い切る背景には何があるのか。【パリ久野華代、ジャカルタ武内彩】 「先生、あなたが教えた自由を私たちは守る」。マクロン氏は21日、パリ郊外で殺害された中学教諭、サミュエル・パティさん(47)の追悼式で、こう述べた。パティさんは表現の自由を授業で取り上げ、仏風刺週刊紙「シャルリーエブド」がイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を生徒に見せたことがきっかけで襲撃され