米アップルが27日にタブレット型コンピューター「iPad(アイパッド)」を発表するなど欧米で電子書籍市場が拡大する中、普及が遅れている日本にも、いよいよ活字の電子化の波が押し寄せてくる可能性がある。 国内では、ソニーが2004年に電子書籍端末「リブリエ」を発売したものの、日本の書籍の流通形態が複雑なことなどから十分な品ぞろえができず、失敗に終わった。 だが、市場調査会社のBCNの森英二アナリストは「コンテンツが充実化すれば、国内でも電子書籍が伸びる可能性はある」と指摘する。 実際、数年前と比べ電子書籍普及に向けた環境は国内でも整いつつある。出版不況で業績が悪化している出版会社が、電子書籍を新たな収益源として意識し始めているためだ。 講談社や小学館など大手出版社21社は、書籍のデジタル化に向けた業界組織を2月に立ち上げるなど具体的な動きもあり、「電子書籍で販路が拡大し新たな読者を生み