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ブックマーク / takeda25.hatenablog.jp (15)

  • 機械翻訳は自動織機ではなくチェーンソーであるという話と、その帰結 - アスペ日記

    先日、機械翻訳と意味という記事を書きましたが、それ以降も新Google翻訳の精度向上はあちこちで話題になっています*1。 新Google翻訳を使って3700ワードの技術文書を1時間で翻訳した Google翻訳の強化でもっとも得するのは翻訳家という妙 共通して述べられているのは、「新Google翻訳の精度が下訳に使えるレベルになった」「新Google翻訳は、翻訳家にとって大きな助けになる」ということです。 さて、この記事を読む人であれば、ラッダイト運動というものについて聞いたことがある人も多いかと思います。 この運動は、機械によって雇用を奪われた手工業者が起こした機械破壊運動なのですが、このときに対象となった機械は、自動織機のような、人手を置き換えるタイプの機械でした。 それに対して、機械翻訳は、人間の能力を拡張(エンハンス)するタイプのものです。 人間の翻訳家を置き換えるものではなく、翻訳

    機械翻訳は自動織機ではなくチェーンソーであるという話と、その帰結 - アスペ日記
  • 機械翻訳と意味 - アスペ日記

    ここ最近、Google翻訳がリニューアルされ、性能が向上したという話が流れてきたので、さっそく試してみた。 ぼくが真っ先に試したのは、「母は、父が誕生日を忘れたので、怒っている。」だ。 なぜこの文が気にかかっていたかは後述する。 結果は次の通り。 "My mother is angry because my father forgot her birthday." すばらしい。 では、「母は、父が鞄を忘れたので、怒っている。」はどうだろうか。 "My mother is angry because my father forgot his bag." 完璧だ! 「誕生日を忘れた」の場合は「母の誕生日」と解釈し、「鞄を忘れた」の場合は「父の鞄」と解釈する。 これこそ、利用者が翻訳に求めるものじゃないだろうか。 しかし、ここまでだった。 次にぼくは、「父」と「母」を入れ替え、「父は、母が誕生日

    機械翻訳と意味 - アスペ日記
  • 翻訳の退場勧告 - アスペ日記

    SICPを訳し直したと、一年前の記事の善意のひどい訳についてに関して、はてな匿名ダイアリーのほうで言及していただきました。 翻訳は/誰がやっても/間違える (前編) 翻訳は/誰がやっても/間違える (後編) 誤訳の指摘ありがとうございます。 差し支えなければ追って反映したいと思いますが(反映について明示的に許可をいただければと思います)、まずはお礼を兼ねてお返事から。 また、タイトル575ありがとうございます。 77でお返しするのが礼儀かと思ったのですが、どうも思い浮かばず… 申し訳ありません。 ところで、匿名の方でお呼びしにくいので、増田*1という意味でMさんとお呼びしますね。 前もって申し上げますが、元記事にはごちゃごちゃした人間的な感情の絡む雑音的な部分も多いので、お返事できそうなところを自分でピックアップして回答しています。 「いや、ここも答えられるだろ」というところがあればご提示

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  • 非公式PDF版SICP・新訳 - アスペ日記

    計算機プログラムの構造と解釈、通称SICPを一から翻訳し直しました。 ファイル: SICP非公式日語版 翻訳改訂版 リポジトリ: https://github.com/hiroshi-manabe/sicp-pdf また、今回の翻訳をするにあたって考えたことを別記事にまとめました。 腐った翻訳に対する態度について SICPはMITの有名なプログラミングの教科書です。詳しくはminghai氏の記事をご参照ください。 この翻訳改訂版は、minghai氏の非公式日語版(以降、minghai氏版)のあまりにも惨憺たる翻訳を見かねて、原著から翻訳をし直したものです。この翻訳を進めるにあたっては、minghai氏版の訳を置き換えていくというやり方で進めていきました。しかし、差分を取ればわかっていただけると思いますが、minghai氏版のテキストは痕跡をとどめていないはずです。この方式を採ったのは、

    非公式PDF版SICP・新訳 - アスペ日記
  • なぜ誤訳指摘をしたか - アスペ日記

    善意のひどい訳についてについての補足を書く。 まず、「なぜ指摘を公開でやったのか」ということから。 「アスペ日記」というタイトルで日記を書いてはいるけれど、「こんなふうに誤訳指摘したら気ぃ悪い(感じ悪い)*1よなぁ」ぐらいの感覚はぼくにもあった。 じゃあ、なぜそうしたか。 その理由を箇条書きしてみる。 この記事を書くことで、id:ymotongpoo さんの傷口に塩を塗るようなことになるかもしれないけれど、許してもらえればと思う。 1. 翻訳記事の読み方について考えるきっかけになると思った。 元記事は、ぼくが最初に見たときは100ブクマも行っていなかったと思うけれど、みるみるうちに伸びて、300ブクマを超えた。 あれだけ誤訳の多い記事が、ただ漫然と消費される様子に疑問を持った。 日語だけ読んでもおかしなところがある(指摘箇所を見てもらえばわかると思う)翻訳なのに、みんな適当に目を滑らせて

    なぜ誤訳指摘をしたか - アスペ日記
  • TeX の発音 - アスペ日記

    今さら、TeX の発音が話題になっているようです。 TeXはテック もう何度目だというぐらい目にしている気がするのですが、この問題は質的にややこしいのでどうしようもないですね。 この問題について書かれているページのひとつとして、以下のものがあります。 「TeX」の読み方はテフ、それともテック? これは非常に詳しく書かれていて、付け加えることなんてないようにも思えますが、ほかの言語の事情も含めて書いてみます。 まず、クヌース自身の書いていることから。 上記のページにある通り、彼は「TeXを知っている人は、TeXのχをxとは発音せず、ギリシャ語のchiのように発音する」と明確に書いています。 発音記号では [tex](「テッフ」のような音)となります。 この [tex] を正式発音と考えると話は簡単です。 いくつかの言語では、この正式発音をもとにして、それぞれの言語流の発音をしています。 ロ

    TeX の発音 - アスペ日記
  • プログラマの生産性と報酬 - アスペ日記

    追記: 続編を書きました。マッチョとの戦い 最近、プログラマの生産性が話題です。 いろんな意見があるものの、個人的には 10〜100倍の生産性の違いはあると思います。 いや、それは違う、生産性の高いエンジニアは生産性の低いエンジニアに作れないものが作れるのだからそういう話ではない、という意見もあります。 しかし、実際には生産性の低いエンジニアができもしないことをしようとして結局できないで終わるということがあったりしつつも、何らかの貢献をするというのが普通だと思いますので*1、最終的には 10〜100倍の違いといった形に落とし込めると思います。 で、この生産性の違いはどこから来るのか。 個人的には才能だと思っています。 ぼく自身は、自分のことを中間レベルのエンジニアだと認識しています。 平均の 3〜10 倍できて、トップより 3〜10 倍できないくらい。 でも、自分が平均から抜け出るために何

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  • 「了解」は失礼か? - アスペ日記

    最近、「了解」は失礼だという説が出てきているようです。 どこの誰が言い出したのか知りませんが、ごく最近であることは確かです。 少し前のマナーには、そんなことは書いてありません。 たとえば、2003年のこれだけは知っておきたい! 改訂版 ビジネス・マナーハンドブックには、次のようにあります。 しかしそうしたルールができていない社外の人からのメールを受信したときには、「メール、受けとりました」「その件、了解しました」など、簡単でよいからすぐに返信し、… また、2005年の「こんなことも知らないの? 大人のマナー常識513」というマナーには、次のような記述があります。 内容に疑問のあるときにはその点を記して送信しますが、そうでなければ「メール拝見しました。○○の件は了解しました」などと簡単な返信でかまいません。 しかし、2008年の「信頼される社会人へのパスポート敬語検定」*1には、次のよう

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  • Googleのヒット件数は当てにならない - アスペ日記

    (2013/11/08: 補足を書きました。Googleのヒット件数について(続き)) 「Googleの検索件数は当てにならない」と言うと、多くの人は「何をいまさら」という反応かもしれません。 当てにならないことぐらいわかってるよ、と。 でも、「当てにならない」でイメージするものがどの程度かは人によって違うと思います。 結果が2倍ぐらい違ったりする、程度に思っている人もいるかもしれません。 しかし、実際はそんなレベルでの話ではありません。 「当は50件なのに500,000件と返ってくる」ようなことも珍しくありません。 たとえば、ツイッターで見たネタなのですが、"無い内定式" というキーワードで検索してみます。 267,000件。 多いですね。 ここで、10ページ目をクリックすると、次のようになります。 「59 件中 6 ページ目」*1 一気に4桁も減ってしまいました。 どちらが当の数字

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  • MSX の思い出 - アスペ日記

    MSX 30周年だそうで。 そういえば、数年前に mixi に MSX 等の思い出話を書いたことがあったなぁと思い出したので、数日分まとめて転載*1してみる。 うちは父親が大学に勤めている関係上、かなり早い時期からパソコンが家にあった。 父親の部屋に緑のディスプレイがあり、蒸気機関車の走るデモプログラムを見せてもらったのを覚えている。 ぼく自身が初めてパソコンに触れたのは中三の時。 機械は MSX2・FS-A1F。 定価 54,800 円のところを 39,800 円で売っていたもの。 3.5 インチ FDD×1 付き、ディスプレイ別。 当時としては画期的な低価格だった。 同時代の真面目なパソコン、PC-9801VM2(5インチ FDD×2 付き)は定価 433,300 円。 それに 20MB の HDD がついた VM4 に至っては 693,000円。 *2 とはいっても、MSX シリーズ

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  • JavaScript で有効数字 28桁の Decimal 型を書いた - アスペ日記

    JavaScript の Decimal 型を書いて、GitHub と npm で公開した。 https://github.com/hiroshi-manabe/JSDecimal https://npmjs.org/package/jsdecimal C# (っていうか .NET)には Decimal型 というのがあるらしい。 十進数で 28〜29桁(なんだその「28〜29桁」ってのは…後述)の精度を保証するとのこと。 それで、お金の絡む計算にはよく使われるそうだ。 で、人から聞いた話だけど、そういう計算をサーバ側でしていたのをクライアント側でもしたいということがあるようだ。 Ajax でも使って、サーバ側で計算させたものを取ってくればいいと思うのだが、そうもいかないこともあるらしい。 何に使うかというと、ちゃんとした計算はサーバでやるものの、プレビューみたいなものをユーザに見せたいとか

    JavaScript で有効数字 28桁の Decimal 型を書いた - アスペ日記
  • 地味すぎて気づかれにくい日本語の変化 - アスペ日記

    語の変化というと、「的を得る」とか人気ですよね。 「的を射る」が正しい!とドヤ顔して、ちょっとした満足感を得るのにお手軽です。 しかし、日語の変化というのは意外と地味なところで起きていたりします。 いくつか書いてみます。 1. 「す」から「せる」へ 金融界を揺るがせている 将来に思いを巡らせる 五感を研ぎ澄ませて楽しむ 名刺を切らせてしまった これらの表現に違和感があるでしょうか。 まったくないという人もいるかもしれません。 しかし、「揺るがせる」「巡らせる」等は、辞書を見てもないことが多いのです。 辞書には、「揺るがす」「巡らす」として載っています。 「揺るがす」のほうは、「す」という使役形を含んでいます。 これは、元々は下二段活用(否定は「せず」)だったのが、下二段活用がなくなるとともに、五段の「す」(否定は「さない」)と下一段の「せる」(否定は「せない」)に分かれた片割れです。

    地味すぎて気づかれにくい日本語の変化 - アスペ日記
  • 身の振り方を考えるついでに、日本語について考えた - アスペ日記

    Google を辞めてから、頭を冷やすためにゆっくり休んで、その間にいろいろ考えた。 辞めた時に勢いで書いた記事には「IME の会社を受けてみたい」と書いたけれど、それでいいのか確信もなかった。 だって、IME の会社というと、某国産 IME *1を作っている*2徳島の会社ってことになるんだけど、はっきり言うと…斜陽の匂いがするっていうか…。 一方で、ネットの日語表記に対する違和感のようなものが、だんだんと自分の中でふくらんでいた。やたらと漢字が増えててムカツク…。 自分で N-gram かな漢字・漢字かな変換のような実験的なものは書いてみたけど、頑張って IME にしたところで ATOK ほどの使い勝手にならないのはわかってるし…。 頭の中で、こうしたゴチャゴチャした思いが渦巻いていた。こういう時に行動を起こしても、いい結果にならない。Google に行ってしまったのは不幸なミスマッチ

    身の振り方を考えるついでに、日本語について考えた - アスペ日記
  • Google 辞めました - アスペ日記

    Google辞めました。 最終出社日は 5月11日。 5月31日まで有給消化。 その後は無職。 転職先が決まっていて有給消化している「なんちゃって無職」ではなく、ガチ無職。 とりあえずハロワでも行こうと思う。 まず初めに。 この記事は、Twitter で @takeda25 をフォローしてくれている人たちが想定読者だ。 また、これは相当長くなると思う。さらに、中ではたとえ話を使うので、読んでもさっぱりピンと来ないかもしれない。 だから、長い文章を読んで「読んで時間を無駄にした」と思うタイプの人は、ここで読むのをやめてほしい。 もう一つ。 この記事を書いた人間(真鍋宏史)は無名の一社員で、ろくに業績もない。 そういう人間が何かを言っても聞く価値はないと思うなら、やはり読むのをやめてほしい。 この記事では、自分のいた場所に対してネガティブなことも書くと思う。 そのため、なぜそういう行動を取るか

    Google 辞めました - アスペ日記
  • なぜマイクロソフトに入ったのか - アスペ日記

    グーグルを辞めて古巣のマイクロソフトに戻った James Whittaker さんのブログを翻訳してみました。最後の一言が気に入ったので。 グーグルからマイクロソフトに転職することはそんなに珍しいことじゃない、と指摘するだけでは説明として十分じゃないんだろうと思うので、もう少し詳しく説明するよ。細かいことはいいという人のために用意した短いバージョンは次のとおりだ。「ぼくの考えでは、モバイルやウェブで起こっているいろいろなことは壊れていて、ますます壊れる方向に進んでいる。ユーザーはプライバシーに対する攻撃を受けていて、アイデンティティや個人情報に対するコントロールを失いつつある。個人開発者にとっては、ウェブを前に進めるために必要なデータやサービスが壁に囲い込まれてしまっている。この問題を解くには、さまざまな知的な資質や、技術的・情報的な資産、そしてソフトウェア開発者に対する包括的な態度が必要

    なぜマイクロソフトに入ったのか - アスペ日記
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