衆院選前に共産党の機関紙「しんぶん赤旗」を配ったとして、国家公務員法違反罪に問われた元社会保険庁職員、堀越明男被告(59)と元厚生労働省課長補佐、宇治橋真一被告(64)の上告審判決で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は7日、上告を棄却した。堀越被告を逆転無罪とした2審判決、宇治橋被告を罰金10万円とした1、2審判決がそれぞれ確定する。 国家公務員の政治的行為を禁じた同法の規定が、表現の自由を保障した憲法に違反するかどうかが争点だった。2事件の違いは、職場での肩書などに限られていたが、結論の見直しに必要な弁論は開かれず、無罪と有罪に分かれた2審の判断が維持された。 規定をめぐっては、選挙の候補者ポスターを掲示した郵便局職員が同法違反罪に問われた「猿払事件」の最高裁大法廷判決(昭和49年)が合憲と判断。今回、判例変更の判断をする大法廷には、審理が回付されなかった。 堀越被告は平成15年10~