為替相場に連動した「仕組み債」で多額の損失を被った自治体が、販売元の証券会社を相手取り全国で初めて解約や売却に向けた動きを起こした。約61億円分の契約で14億円の評価損を出している兵庫県朝来(あさご)市の多次(たじ)勝昭市長は27日記者会見し、日興コーディアル証券などの金融機関と協議を始めると発表。リスクが大きく勧誘方法にも問題があったとの考えだ。協議の行方次第では提訴などを検討する可能性もあるという。 金融派生商品をめぐっては、リスクを理解できない投資家に販売するなどのトラブルが多く、金融庁が勧誘方法の規制に乗り出している。仕組み債は規制強化からは外れたが、業界団体の日本証券業協会が自主規制を強化する方向で検討している。総務省によると中途解約や提訴に向けた動きは初めて。他の自治体に影響を与える可能性がある。 朝来市によると、市には財政調整や産業活性化など将来の支出に備えた基金が26あ