井上陽水、かぐや姫、RCサクセション。70年代前半、神奈川県の小都市にある市民センターで、彼らのコンサートが行われた。10代前半、初めてのコンサート体験だった。数年後には、決してそろうことがない豪華メンバー。ちょっと自慢だった。 今月2日、忌野(いまわの)清志郎さんの訃報(ふほう)を知り、改めて当時を思いだした。彼らのなかで、RCはそう優先順位(ファン度)が高かったわけではない。一般的な人気もそれほど高くなく、真っ先に登場するなど前座的な扱いだった。当時のメンバーは3人。 それでも、清志郎さんがフォークギターをかき鳴らしながら歌った「ぼくの好きな先生」「三番目に大事なもの」は迫力があり、存在感は突出していた。生のすごみがあった。イスに座っての演奏で、ちょっぴり不機嫌そうな雰囲気を漂わせていた記憶がある。